2005/09/15

米国の首都ワシントンから

やるべきことの山積した日本を離れ、幼い子どもたちを置いて、どうしてはるばるワシントンDCまでやってきたのか。その答えが見つかりました。平和省法案が明日、米国議会に提出されます。その直前に行われた第3回平和省会議。全米40州から500名が集まり、3日間の会議が感動の中で終わりました。実践的な多くの学びと、信頼できる仲間たちとの出合いで心も頭もいっぱいです。日本に戻って、早くこの感動を分かち合いたいです*。

9月11日、こちらで日本の選挙の結果を聞き、愕然とました。自民党と公明党を合わせて改憲の発議に必要な3分の2をクリア。これで「二度と戦争をしない、武力で紛争を解決しない」と世界に誓った9条が改変される可能性が高くなりました。イラク派兵は再延長され、米軍との軍事行動はさらに強化されるでしょう。戦争への歩みをこれ以上加速させないために、何ができるかー。戦争が始まれば、いのちと環境は台無しです。

誰も戦争を望んでないのに、なぜこんな結果になったか?「選挙の争点は郵政民営化だけ」と、と多くの人々がだまされました。郵政民営化はアメリカ政府からの要求と金融族・小泉首相の個人的欲望の合作です。340兆円の郵貯と簡保のお金が民間企業の手にゆだねられれば、最も運用益が見込まれる金融商品に投資されるので、殆どが米国債の購入に充てられます。郵政民営化によって、日本がさらにアメリカの戦争を買い支えるようになることを、ほとんどの人は知りません。

青木秀和さんのJ-WAVEでのインタビューを聴いてください。なぜこんな大切な情報がテレビで流れないのか。日本のマスコミには、もっと大事なことを報道してほしい(あの刺客さわぎは何?)。マスコミは戦争への流れを止める力があり、視聴者はマスコミに意見をいうことで、より良いものにすることができます。
http://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/ 
(*画面下の[LET'S GO VOTE 選挙へ行こう]をクリック)

今回の選挙の結果を見て、日本の有権者はだまされやすく(郵政民営化だけが政治の重要課題ではない)、郵政民営化の本当の目的を知らない、ということを改めて思い知りました。これで自分が帰ってからやるべきことがより明確になりました。

今回、ここワシントンで目の当たりにした「平和省創設」を実現するための活動を日本でも始めます。やり方はまさに民主主義の王道をいくもの。各州でグループをつくり、州のコーディネーターを選び、実現目標を決め、公聴会や資金集めのイベントを開き、その州から選出されている議員に要望を伝えていく。今回の会議では議員とのアポの取り方から、効果的な伝え方、平和省法案の正当性を裏付けるデータなどを全体会議で共有し、そのあとは州ごとに具体的戦略を練り(一人一人の議員の性質と傾向を過去の議会行動から把握し)、そして昨日一斉にロビー活動をしました。決して対立的にならず、こちらの思いだけを押し付けることもありません。相手を尊重し、意見を聞き、この法案の弱点を指摘してもらい、改善すべき点を全体にフィードバックする。こうして平和省法案の中身をより良くしていきます。

日本でのこのような動きを、私はまだ知りません。9条の会がそうなる可能性がありますし、私が知らないだけで既に取り組んでいるグループがあるのかもしれません。いずれにせよ、世界各国で平和省を創り、戦争を未然に防ぐ、という壮大な取り組みに日本からも参加しませんか。世界中の同じ思いの人たちと出会い、憲法9条を世界に広げるチャンスです。来月10月18−20日にロンドンで第1回国際平和省会議があります。参加したい方はご連絡をください。
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*9月19日、明治大学リバティータワー1103室にて帰国報告会と平和省会議があります。午後1時から。4時からは「平和への勝手連」の初会合があります。ボランティアをしてくださる方(募集中)は、午前11時現地集合です。

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