2005/03/12

夜のコザへいってきました

金曜日の夜、コザの街へ出かけてきました。沖縄にきて一番やりたかったことをするためです。それは「911 In Plane Site」のビデオとDVDを米兵に渡すこと。最初はどこにいったらいいのかわかりませんでしたが、しばらく歩いていたら、いました、いました。あきらかに米兵とわかる若者たちが。

最初に入ったのはアイリッシュパブ。中には日本人は殆どいなくて、米兵とその家族、アメリカ人英語教師などでいっぱいでした。アイリッシュ・コーヒーを頼んで(うちの子どもも一緒です)、隣のテーブルのグループに話しかけます。それからビデオを取り出して「アメリカの新しい映画よ。差し上げますので見てください」と渡します。

それから反対側のグループにも1本。こちらは髪の毛が長かったので、兵士たちではなかったと思います。それから、刺青をしたGIカットのグループは米兵たち。おもしろいから見てね、といってテープを渡すと「ポルノかい?」と聞かれたので、私はにっこり笑って「ポルノよりもっとおもしろいわよ」と言って、その店を出ました。

911 In Plane Site GIF

それから通りを歩いていた数組にも渡して、焼き鳥屋ではロブという黒人と話し込みました。海兵隊だ、というので「それは一番タフな仕事ね」と話しかけると「そうでもないさ」「イラクへいくの?」「もう行って帰ってきたよ」「そう。あなたが生きていてよかった」。そんなやり取りの後、別れるときにDVDを渡しました。大きな綺麗な目のまだあどけない青年でした。

ブッシュ政権になって兵士の給料はあがったから、俺たちにとってはブッシュはグッドだ、とも言っていました。複雑な気持ちでした。一方で復員兵への手当てが減らされ、傷病兵に関する情報は隠蔽され、劣化ウランで健康を失った人への補償はないことを知っていましたので。

こんなに若い彼らが、まったく理由のない戦争に駆り出され、武器を持たされて破壊と人殺しをさせられていることが理不尽でなりません。アメリカは志願兵ではありますけど、有色人種やヒスパニックが多いです。どちらかといえば経済的に恵まれない人々が兵役につきやすいのです。豊かな家庭の子どもたちは兵役に志願などしません。それは『戦争中毒』や『華氏911』にも描かれています。

米兵たちがナイトクラブの前でたくさんたむろしていました。そこでビデオを取り出すと、なぜかポルノ映画と誤解されてしまい、あっという間に大きな人だかり。兵士たちにぐるりと取り囲まれて、「君が出ているのかい?」と米兵たちに次々抱きつかれてしまいました。「残念ながらポルノじゃないの。でもドキュメンタリーでポルノよりもっと面白いから見てね」と言って、集まった全員に1本1本ビデオを渡しました。喜んで受け取ってくれたので、ホッとしました。

家に戻るともう12時。週末のコザなら、あっという間にビデオがなくなります。日曜日はビーチロックハウスというところで、残りわずかのDVDを配ります。

明日は朝10時から辺野古で上映会があり、午後からは首里公民館でも2時から上映会があります。どちらも無料ですから、沖縄在住の方はぜひお出かけください。沖縄滞在もあと1週間を切ったけど、こんなにひっぱりだこになることは予想もしていませんでした。まだまだここでできることがあります。やりたいことがあります。

東京に住んでいる友人から、今日の毎日新聞に私の記事が掲載されている、と聞きました。まだ見てないけれど、米兵にDVDを配っていることが紹介されたようです。はい、確かに配っていますし、順調にいっています。『911ボーイングを捜せ』を見た兵士がひとりでも多く、アメリカ政府のウソに気づいて、転身してくれることを祈りながら。どうか生きて、殺さないで、殺されないで。

この映画を広げることが、911事件をきっかけにはじまった「対テロ戦争」に終止符を打つことを信じて、毎日上映活動に奔走しています。

0 件のコメント: