コスタリカの「
ピース・アーミー・ウェイ」のツアーに参加してきました。日本に伝えたいことがまた一つ増えて、わくわくしています。まだステキな訳語がみつからないので、そのままカタカナで書きます。あえて訳せば「平和部隊法」でしょうか。
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ツアーの参加者にラスール財団の「叡智の庭」を案内するリタさん。
さて、私たちが今回体験した「ピース・アーミー・ウェイ」ツアーにはコスタリカの自然を体験するツアーと、複数(1コマ3時間ぐらい)のワークショップから構成されていました。参加者はアメリカのウォールナットクリーク(サンフランシスコの北の町)からやってきた中高年28名と私たち家族。もっとも興味をもっていたのは、
ワークショップで実際に何をするのかということでしたが、私たちが学んだことは欧米で開発された主に2つの技術に基づいていました。
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「ハート・マス」のワークで、心拍数の変化を計るエム・ウェーブの説明をするリタさん。
一つは「ハートマス(HeartMath)」という頭と心を調和させる(頭を心に同調させる)トレーニング。ストレスを軽減させる目的で開発されたものですが、頭を心に同調させると、思考がかえって明晰になり、その状態で問題解決にあたると実に効果的で、豊かな結果(争いの解決、良い人間関係の構築など)を持たらされることが証明されています。心には脳とは別の心固有の知性があるのですね。
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感情のカードとニーズ(必要性)のカードを選ぶ。非暴力コミュニケーションのトレーニングで
もう一つは「非暴力コミュニケーション (Non Violent Communication)」という会話法、人間関係をより豊かにするコミュニケーションの技法です。 一言でいいますと、相手と自分のつながりを深めるコミュニケーション法で、言葉の印象から受ける「暴力的な言葉や否定的な言葉を使わない」だけではありませんでした。この2つを学び、実際の生活(ツアーという団体行動)で役立てていきます。2つの方法(技術)は互いに補完的でした。
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非暴力コミュニケーションのトレーニングをするリタとアメリカからの参加者
「ピース・アーミー」という言葉を最初聞いたときには、どうしてArmy(アーミーと聞けばまず「軍隊」を思い浮かべますよね)という言葉を選んだのか、と疑問に思いました。それでそのことを創始者のリタ・マリエ・ジョンソンさんに聞いたことがあります。彼女はArmyということばを熟慮の上、意図的に選んだそうです。
彼女はコスタリカの全ての人に「ピース・アーミー・ウェイ(つまりハートマスと非暴力コミュニケーションを使った平和教育)」のトレーニングを受けるチャンスを提供したいと考えています。今はまず学校の先生をターゲットに実施しています。
ここでの「アーミー」とは軍隊ではなく、"Army of ants(蟻の大群)”のように沢山の数、集団を表しています。平和の実現するための技術を学んだ人を大勢育てて、コスタリカという国を平和の文化を体現し、平和を輸出できる国にする、というリタさんのビジョンを込めた名前です。
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コスタリカのシンボルの蝶があんなの手にとまった
「コスタリカと共に世界に平和を輸出するパートナーにぜひ日本がなってほしい」という彼女の思いと、「コスタリカに学び、平和憲法を実現し、世界に輸出したい」という私の思いが一致したことで、今回私たちのツアーへの参加が実現したわけです。
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うまくカモフラージュするカエル(平和の滝ガーデンにて)
両国は同じ平和憲法を持ちながら、コスタリカは軍隊を1948年に廃止し、より一層平和の実現に努力している一方、日本は自衛隊という世界有数(軍事費的には2位から4位ぐらい)巨大な軍事組織を持ち、イラクに海外派兵をし、さらに戦争を放棄した憲法9条を変えようとしている、という大きな違いがあります。
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平和の滝ガーデンにて。乾季なのになぜかこの日は大雨。
ずぶぬれになって森の中を歩き、大きな滝を見た
リタさんのことは彼女が来日した昨年11月にも書きましたが、簡単に紹介します。『
2006年11月20日のブログとポッドキャスト』『
2006年11月16日のブログ』彼女はコスタリカに最初は「ユニティーチャーチ(アメリカの新しい教会)」の牧師として赴任します。その後、コスタリカの平和大学(国連決議で創設された)で研究職を得て、2年半平和大学で働いた後、自分のビジョンの実現のために2001年に辞職して「
ラスール財団」を創設しました。
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ハート・マスの講義をするディビッド・マッカーサーさん。
ラスール財団はコスタリカの物語の中にでてくる「ラスール」という神の使い(神の子ども)から命名したもので、その教えは「空の雷を鎮めようとする前に、まず最初に自分の心の中の雷を鎮めよう」という言葉に要約されます。ラスールから教えを受けた子どもたちがキズール村(架空の村。ラスール財団の敷地はキズールと呼ばれている)に戻ると、親たちにも影響を与えて村全体が平和で豊かな村になる、という物語です。
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ハートマスのワークの一こま
リタさんはこの物語から感銘とインスピレーションを得て、コスタリカ全体を平和のモデルにしていくことを目指しており、コスタリカから全世界に向かって平和のモデルを輸出したい、という大きな夢を持っています。もちろん、今のコスタリカは海外資本の流入による貧富の差の拡大や暴力の増加、ストリートチルドレンやローティーンの妊娠の問題など、解決すべき課題が沢山あります。
さて、ポッドキャストではリタさんをゲストに迎え、ワークショップの様子も一部録音しました。インタビューは逐語訳で、ワークショップは英語のままですが、興味のある方はどうぞ聞いてください。いつか日本の仲間と一緒に、日本語で学べる「ピース・アーミー・ウェイ」のツアーを実現したいと思います。
★チェイニー副大統領がわざわざ日本に来るということは、やはり自衛隊に対して「赤紙」「召集令状」を配達するための来日ではないかと思われる。ただし、イラクではなくアフガニスタンに派兵しろと言ってくる可能性もあるし、アメリカがイランとの戦争を始めた場合には海上自衛隊をペルシャ湾に派兵しろと言ってくる可能性もある。要するにチェイニー副大統領が来てみなければ「赤紙」「召集令状」の詳細はわからない。
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