2009/01/16

桑山紀彦さんの勇気にありがとう!日本人医師ガザへ/高岩監督の偉業

「これまでいろんな国で多くの「交渉の場面」がありました。でもほとんど笑顔と、ソフトな態度と、“やるんだ”という気迫で乗り切ってきた自負があったのに、今回はそれが失われてしまったんでしょう。
 それが「戦争」なんだと思います。
 人間が本来持っているはずの勇気や、誇りや、愛や、優しさをすべて一瞬で吹き飛ばしてしまうもの。だから恐ろしい。戦争は心の中に大きな闇を広げて、内側から人間を侵食していくものだ、と改めて思いました。」

ラファの検問所でガザ入りを断られた直後の日本人医師、桑山紀彦さんの言葉。

その後、再トライして、ガザ入りに成功。「笑顔、優しい態度、強いまなざし」で突破したとのこと。涙がでます。

明日からラファ市立病院で仕事をする予定。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。

亡くなってしまった人のいのちは戻って来ないけど、今怪我をしたり、病気をしている人たちの手当はできる。それにしてもガザはもう食糧も医薬品も底をついているでしょう。停戦が一日も早く実現しますように。

さて、お知らせが遅れてしまいましたが『教えられなかった戦争シリーズ』の高岩監督(2008年1月29日ご逝去)の作品をご縁のゲストスピーカーと共に観賞する上映会が都内で2つ行われます。1月18日と1月29日です。両方行くと、代表作品はほぼすべて観ることができますので、まだ観たことがないという方はぜひ。
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      高岩仁監督 追悼上映会

   「資本主義は戦争を必要としている」

 高岩仁監督の映画『教えられなかった戦争』シリーズの製作意図は、悲惨な戦争、侵略行為を明らかにすることにととまらず、現在のアジアにおける日本の経済侵略や人権侵害、環境破壊、そして何より戦争が起こる原因を追求し、皆が豊かに暮らせる社会の実現を目指すものでした。

 高岩さんが映画をとおして伝えたかったことを多くの方々と共に心に刻みたいと思います。(略歴・作品紹介は末尾に)

■日 時:2009年1月18日(日) 10:00〜16:30
                 (開場 9:30)

■上映作品・講演:
  『江戸時代の朝鮮通信使』         10:05〜
  『教えられなかった戦争 沖縄編』     11:00〜
  【講演】高嶋伸欣 (琉球大学名誉教授)   13:30〜
  『教えられなかった戦争 侵略マレー編』  14:30〜

■入場料: 2000円(前売り1800円)

■場 所:明治大学リバティタワー1001 (地下1階)
     JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線
                 御茶ノ水駅 下車徒歩3分
     東京メトロ千代田線   新御茶ノ水駅 下車徒歩5分
     都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線
                 神保町駅 下車徒歩5分
■地図:http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
■主 催:教えられなかった戦争製作上映実行委員会
     現代史研究会

■連絡先:03−5974−1333 (琉球センター気付)

【監督略歴・作品紹介】
●高岩仁(記録映像作家)
 1935年福岡県生まれ。東映勤務を経て、1969年にフリーカメラマンとなる。
 1980年代、ベルトルト・ブレヒトの『戦争の存在を人々に伝えることも重要だが、なぜ起こるのか、誰が戦争を必要としているのか、根絶するにはどうしたらよいのか、それがないと真実を伝えたことにならない』という戦争の見方を知り、それ以来、日本の侵略戦争をこの観点で描くことをテーマとする。
 1992年『教えられなかった戦争』シリーズ第1作・マレー編。その後、フィリピン編、沖縄編、第二の侵略、中国編を製作。
 2008年1月29日急逝。72歳。『教えられなかった戦争・朝鮮編』を準備中だった。
 撮影・監督作品の主なものとして、「どぶ川学級」「公害原論」「水俣一揆」「解放の日まで」「アジアとの友好のために」「土地の日」「ユンカーさん」「日の丸・君が代」「戦争案内」他。

●『江戸時代の朝鮮通信使』
 江戸時代、徳川政権が「通信使の国」として外交関係を結んでいたのは朝鮮と琉球だけでした。その朝鮮から江戸時代に12回、大規模な文化使節団が、日本を訪れて活発な文化交流をを行っていました。この使節団には多くの優れた学者や文化人が加わっていて、日本に数多くの先進的文化をもたらしました。江戸時代のアジアとの友好関係の象徴です。(50分)

●『教えられなかった戦争 沖縄編』
 「私たちの平和運動は、沖縄の米軍基地撤去させるだけでなく、日本の平和憲法を世界に広めて、地球上から戦争をなくす。そして、世界中で作り出される富を、すべての人々が、平等に分け合えるようになるまで続けるのです」と語る阿波根昌鴻さんの、思想形成史を、沖縄の歴史と重ね合わせながらたどる。1998年キネマ旬報・文化映画部門1位受賞作品。(1時間52分)

●『教えられなかった戦争 — 侵略マレー半島 —』
 明治以来、日本が度々引き起こしてきた戦争。それはなぜ起きたのか。戦争を必要としたのは誰か。マレー半島を舞台に追及。ここでも行われていた日本軍による大量住民虐殺。そして50年たった現在も、マレーの人々の生活を脅かす日本企業による核公害や経済侵略。PKO・海外派兵の真のねらいは?(1時間52分)

なお、1月29日開催の東京ピースフィルム倶楽部主催「高岩監督ありがとう!映画祭」については、東京平和映画祭のHPをご覧下さいね。なんと、あの安部芳裕さん緊急トークをしてくれますのでお楽しみに!わたしは進行役をする予定です。
http://www.peacefilm.net

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

読者です。
桑山紀彦氏は,自らの売名目的でガザへ行ったのだと私は思います。
これまでの彼の行動や発言からそう思います。
きくちさんのような方が,彼のような人物を持ち上げられ,がっかりしました。
↓参考
http://www26.tok2.com/home/yamagatanp/

Yumi Kikuchi さんのコメント...

匿名さん、彼が売名のためにガザにいったとして、彼はいのちの危険をおかしてまで売名をしたいですかね?それに「売名行為」とは何を指しているのでしょう。彼の活動が多くの人に知られるようになり、ガザに関心を持つ人が増えることはガザの人にとっていいことではありませんか。あなた自身は、おそらくガザのことに対して何かをされているのだと思います(だからこそ、こんなことを言ってきているのですよね?)。そのことこそ、もっとも大切です。そして、それがガザの人たちの力になっているのでしたら、それで十分じゃないですか。脚光を浴びる浴びないは関係ないです。

私自身、これまで本当に環境や平和のボランティア活動でいろいろなことをしてきましたが、何をやってもメディアなどに登場するたびに、「きくちゆみは売名行為で○○している」と言う人が必ず現れます。森林保護であれ、ビーチクリーンアップであれ、ハワイの先住民の文化を守るための訴訟であれ、米国紙に全面広告を出すグローバルピースキャンペーンの活動であれ、911真相究明であれ、自給自足のための田植えであれ、です。なので、そういう話はうんざり。人のことを批判するより、自分がやるべきこと、やりたいことをやりましょう。大事なのは、あなたが何者で、何をしに生まれてきた人で、それをどう実行に移しているのか、今どう生きているののかです。

桑山さんがイスラエルが攻撃しているガザに行ったことだけでも、私自身は勇気をもらいました。こんな日本人がいてよかった、ありがとう、と素直に思いましたよ。