自分の愛する人が暴力的に殺されたときに、それに対して暴力で対応しないことを選択できるでしょうか?私がその立場に置かれたときに、暴力を選ばない自信があるか、と聞かれたら「わからない」としか答えられません。でも、暴力で対応することを選ばない人間になりたい、とは思います。
今回のニューヨーク訪問ではたくさんの人に出会い、いろいろな立場のアメリカ人のお話を聞かせていただきましたが、もっとも心の奥深くに希望と愛の種を植えてくれたのは、ディビッド・ポトーティーさん(Democracy Nowの10周年パーティーでお会いしました)、コリー・ケリーさんとウィリアム・ロドリゲスさんでした。今日はコリー・ケリーさんのお話をポッドキャストでお届けします。
コリーさんは弟のビルさんを世界貿易センタービルで亡くしました。金融機関で働いていたビルさんは、たまたまあの日、世界貿易センタービルで行われていた会議に参加していたために、911事件に巻き込まれ、帰らぬ人となりました。遺品も遺体も戻ってきませんでした。
しかし、ケリーさんとその家族は、「ビルの死を理由に報復をして、さらに悲しみを増やさないで」と声をあげたのです。アメリカ全体が熱狂して報復の戦争に向かう最中のことです。どれだけ勇気がいったことでしょう。「報復の戦争をする」という政府の方針に反対の声をあげた途端に、犠牲者に同情的だった世論がバッシングに変化します。
しかしケリーさんは静かに声をあげ続け、同じように家族や愛する人を亡くした家族で、報復を望まない人々と出会い、やがて彼らは「ピースフルトゥモローズ」というグループを立ち上げます。その声は911から5年経った今、200を越える家族に広がっています。
対テロ戦争が始まり、アフガニスタン、イラクが攻撃されると、ピースフルトゥモローズのメンバーは現地を訪れ、米軍の攻撃で子どもを亡くした母親たちに出会い、交流をします。悲しみは国境を越えて同じなのだ、この暴力の連鎖を断ち切ることが自分たちのミッションなのだ、と想いを新たにします。
彼らはこの911の5周年に世界中のテロや戦争や原爆の犠牲になった家族を持つ同じ想いの人々と交流をし(日本からは長崎の被爆者が参加したそうです)、彼らの悲しみを平和と愛に昇華させようと努力を続けています。
こういう人たちがこの世に存在する限り、まだ世界は大丈夫、という希望と勇気をもらいました。ピースフルトゥモローズと、彼らのミッションに賛同して世界各地から集ったジョー・ベリー(イギリスのテロで閣僚だった父親を亡くした女性で、私の友人。偶然NYで再会した)を始めとする勇気ある人々に心から、どうもありがとうございます。
グランドゼロに集まった911真相究明を求めるひとたちのこの写真をみてください。
これを主要メディアは伝えないのです。
1 件のコメント:
きくちゆみさん 本当にご苦労様です。
911から始まった 日本の右傾化
そして 小泉安倍へのバトンタッチ
決して人事ではない テロ
今こそ 勇気をもって 一般市民がこの流れを食い止めねばならないと思っています。
きくちさんのお姿は 国会の院内集会等で お見受けしておりました。やっと合致して 今や 応援しています。
日本に戻られたら どんどん 集会など 企画していただけたら 一般人の私も どんどん参加したい。
とにかく 血に飢えた アメリカ軍産と それに付き従う 安倍自民党だけは 金輪際 のさばらすわけには行かない
くれぐれも 体にお気をつけて お帰りください。
貴重な 情報 を 本当にありがとうございました。
今後にぜひ生かさねばと思います。
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