2006/09/16

平和省構想—戦争の準備より平和の創造を

明日の上越市で行われる「上越9条の会」主催の講演会のテーマが、このタイトル。そう平和省構想です。

Friends of Kucinich JPG

私が平和省という考え方に出会ったのは、2003年にイラク戦争が始まる前にアメリカのデニス・クシニッチ下院議員を知ったときのこと。彼はアメリカに平和省を創ることや、全ての核兵器の廃絶などを公約に掲げて、2004年の大統領選挙の予備選(民主党の中での候補者を決める選挙)に出馬したのでした。

Dennis Kucinich JPG

彼の演説をネットで聴いて感動した私は、すぐに彼に会いにいく決意をします。2003年5月、私はカリフォルニアのスポケーンという郊外の町で初めてデニス・クシニッチに出会い、日本国憲法(の英文)を手渡します。日本からはるばるやってきた私のために、スタッフが私を彼の車に同乗させてくれ、アメリカの圧力で日本の平和憲法が変えられようとしているのだ、と訴えることができました。

するとクシニッチは、「アメリカはイラク戦争で間違いを犯した。イラクに大量破壊兵器はなかったし、アメリカの脅威ではない国を攻撃した。そんなアメリカの言いなりになってはいけない。平和憲法は世界の憲法にすべきだ」と話してくれました。

あれから3年。世界各国に平和省構想は飛び火しています。戦争で解決するのをもうやめよう、平和省を創って非暴力で解決しよう、という世界の市民からのイニシアティブが各国に広がり、今年6月にはカナダのビクトリアで第2回国際平和省会議(ピープルズ・サミット)も開催され、日本からは平和省プロジェクトのメンバー(私を含む6人)が参加してきました。そのあとバンクーバーで開催された世界平和フォーラムには、国際平和省会議のメンバーが合流しました。

平和省というのは、非暴力を政府の外交・国内政策の基本にするための省です。日本だったら、絵に描いた餅になってしまっている平和憲法を実現、実践する省として位置づけることもできるでしょう。自衛隊を緊急救助隊に改編して、日本でも世界でも災害があったら、まっさきに出動して、人命救助をするのも、平和省の仕事にできるでしょう。どこかの国にくっついて、戦争の手助けをするよりも、真の国際貢献となるのではないかしら?

戦争中毒』という本を読むとわかるのですが、戦争(防衛)に予算をつけすぎると、戦争になるのはあたりまえ。武器は使われないと新しく発注できないし、古くなると使えなくなるから、在庫一掃のために戦争が欲しくなってしまうのです。戦争屋さんにとっては、国家間の緊張、国民の不安、テロの脅威などが商売の種です。

戦争を防ぎたかったら、戦争のための予算を減らして、平和のための予算をつけることが肝要です。それには平和省があればいい。平和のために働く人、研究する人、海外にでかけていく人をもっともっと増やさないとね。世界中で活躍する紛争予防や紛争解決のNGOに予算をつけるのも、平和省の仕事でしょう。

ヨハン・ガルトゥング博士(10月来日予定)の「トランセンド」(超越法)というのも、平和省で学び、実践していきたいです。そして、もちろん、ガンジーの非暴力も。明日私を呼んでくれた片山佳代子さんは、ガンジー研究とガンジーの思想の実践(綿を育て、糸を紡ぎ、布を織り、衣類を仕立てる)されている方です。今日お会いしたら、ご自分で紡いだステキなジャケットを着ていました。いいなあ!私も和綿を育てて、世界で一枚しかないお布団を作るのが夢。

来年9月には第3回国際平和省会議が日本で開催される予定です。このときはおそらく20カ国以上の平和省運動に関わる人々が日本に結集します。会議の日程はまだ決定していませんが、2007年23−27日が有力です。2007年9月21日は広島で平和省国際シンポジウムを行う予定です。日本では平和省プロジェクトが立ち上がり、メーリングリストなどで情報交換を始めています。興味のある方は、DMをください。

明日の講演会の日時と場所は:
9月17日(日)午前10時から(お昼まで?)、市民プラザ(上越市土橋)第1会議室野予定です。今、私は三条から新幹線とJRで移動してきて、直江津駅前のホテルでこれを書いています。小さいけど気持ちのよいホテルです。

今日はこどもたちの幼稚園の運動会でしたが、さっき電話で話したら、お姉ちゃんはくつが脱げちゃってかけっこで負けてしまったそうです。一番になると張り切っていたので(練習ではいつも一番だったそうです)、ちょっとかわいそうでした。来年は運動会と講演会が重ならないように、早めに予定を調べて調整しなくっちゃ、と思います。

私としては運動会で一番になるかどうかよりも、優しい子に育ってくれれば、それが一番ですけどね。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして。きくちゆみさんのブログをちょっとしたキッカケで知りましたが、
分かりやすくてとても読みやすいです。
今まで911の事件以降、私には「アメリカの人達は何だか怖いな…」という印象ばかりがついていましたが、ゆみさんのブログで戦争に賛同している人たちばかりではないんだと知り、少し安心しました。
911の真相はわかりませんが、テレビに流れている事ばかりではないんだという事を心に留めておきたいと思いますね。