2011/06/08

プルトニウムの毒性と人体実験/あなたが政府を選べたら?

岡山の友人の仙田典子さんからのメールは重要な内容が満載なので、より多くの人の目に触れるようブログに転載します。私の最も好きな本の一つであるティク・ナット・ハンの『ウォーキング・メディテーション』は彼女の翻訳です。

ちなみに、7月7日、私は岡山の吉備津彦神社で開催される〝平和の灯火〟イベントでお話をします。お近くの方はお出かけください。

ーーーーここから転載:

大橋弘忠・東大教授が「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と主張するのに対し、小出裕章・京大原子炉実験所助教(助手の別名)が的確に反論します。これは2005年の公開討論会の動画ですが、いま大橋教授はどこで何を言ってるのかな?(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=6byKIUiuBcg&feature=youtu.be

折しも6月5日のETV特集では、福島原発の敷地外でも、事故由来のプルトニウムが検出されたと報じられました。国内でも「想定外」の汚染が広がっている可能性は高いと思われます。一説には米国でも福島からのプルトニウムが見つかったとか・・・?

プルトニウムの毒性については、「とても安全」という説と「とても危険」とする説が、鋭く対立しているように見えます。しかしよく聞いてみると、「安全だ」とする説は、服や体に付着したり(短期の外部被曝)、口から取りこんだ場合(短~長期の内部被曝を引き起こすが比較的排出されやすい)についてのみ言っていることがわかります。

一方「危険」とする説は、肺に取りこんだ場合(排出されにくく長期の内部被曝を引き起こす)について言っています。後者を考えれば、プルトニウムが「とても危険」だということは明白です。(上記の動画を見ると、タバコが、プルトニウムによる肺ガン罹患率を恐ろしいほど高めることがわかります。タバコを吸わなくても、プルトニウムは十分危険なのですが)

最近、『プルトニウム・ファイル』上・下(アイリーン・ウェルサム、翔泳社、2000)という本を読んで、震撼させられました。1940年代の半ば以降、米国は秘密裏に大規模な放射能人体実験を行なっていた、というのです。さまざまな病気の患者にプルトニウムを注射したり、妊婦に放射性の鉄を飲ませたり、囚人の睾丸に放射線を照射したり、ガン患者に大量の全身照射を行なったりと、もうやり放題…。

当時はまだ、人体への放射線の影響がよくわかっていなかった時代です。ソ連との核競争・核戦争に勝ち抜くためにも、米国の軍人・政治家・学者たちは、放射線の影響をくわしく知りたがっていました。そのために、ほとんどの人が十分な説明も受けずに(あるいはまったく何も知らされないまま)、人体実験を受けさせられたのです。

90年代の半ばにこれらの歴史が掘り起こされ、50年ぶりに事実が明らかになりました。驚いたことに、被験者の中には明らかに短命だった人もいれば、長寿だった人もいます(全身照射をされた人は、ほとんどがすぐに亡くなりましたが)。人によって放射線への感受性が非常に違うことが実証されたわけです。

しかしその後の研究で、放射線には「しきい値」(これ以下なら無害という値)はなく、放射線の量に比例して必ず生体に害を及ぼすことがわかってきました。ですから、この人体実験を生き延びた人がいるということをもって、実験を指導・実施した人間を免罪することはできないのです。(米政府はのちに、この実験の事実を認め、被験者とその遺族に正式に謝罪・補償しました)

ちなみに『プルトニウム人体実験』(アルバカーキー・トリビューン編、広瀬隆訳・解説、1994)は、上記の『プルトニウム・ファイル』の「プルトニウム注射」の部分を主に扱ったものです。実は『プルトニウム・ファイル』の著者アイリーン・ウェルサムは、『プルトニウム人体実験』の編者アルバカーキー・トリビューン紙の記者で、放射能人体実験の報道の中心人物です。彼女はその功績によりピュリッツァー賞を受賞しています。

もうひとつ、今読んでいるのが『がんと環境』(サンドラ・スタイングラーバー、藤原書店、2000)。ガンを患ったことがある身としては、こういう全体的なガン原因論はもっと早く読んでおくべきだったと、改めて思わされます。この本では、詩的な文章をはさみながら、ガンと農薬・化学物質・放射線等の関係が、総合的に追究されています。

もうひとつ、こんなときだからこそ、『怒り 心の炎の静め方』(ティク・ナット・ハン、サンガ、2011)をご紹介しますね。怒りと絶望を抑えるのではなく、やさしく見つめ抱きしめることで、それらを理解と慈愛に変容できる・・・。3・11以後を生きるための1つの手引書として、お手元にどうぞ。

フクシマの「これから」に向けて、上記の動画と本が力と支えになりますように・・・。

ーーーーーここまで

そして、今日また、面白いのを送ってくれました。これはまあ、あなたがもし政府を選べたら、と考えて遊んでください。(たまには遊ばないと、出るのはため息ばかり…)小出裕章さんの本は、もちろん私もおすすめです。

ーーーーーここから転載:

◎小出裕章さんの最新著『原発のウソ』(扶桑社新書)

「原発のすべて」が簡潔かつやさしく書かれていて、これ1冊読めばだれでも脱原発派にならざるをえない!と思える本です(笑)。各書店の原発本のコーナーに、「いの一番に読む原発の本!」というポップを立てて置いてほしいな~。小出さんのお話はYoutube やUstreemでも簡単に見られますから、あわせてどうぞ。

◎これからの「政府」の話をしよう

昨今の政治のドタバタ劇を見るにつけ、わたしたちが本当に持ちたい政府を、ネット選挙で選んでみては?と思いつきました。みんなで意見を集めて、「わたしたちの内閣」を作っちゃおう! 以下はわたしの案です。(*以下は極私的コメント、敬称略)

内閣総理大臣・・・福島瑞穂  *弱小政党の党首、ついに夢の最高権力者に!
原子力安全委員会委員長・・・小出裕章 *40年にわたって脱原発を訴え続ける不遇不屈の原子力研究者(いまだに京大助教=助手)。

内閣官房長官・・・辻本清美 *言わずと知れたピースボートの元代表。同じ市民活動家といっても、菅直人などとは格が違いまっせ~。
 内閣官房参与・・・広瀬隆、藤田祐幸 *ともに脱原発の啓蒙家で、盟友どうし。

経済産業大臣・・・河野太郎 *自民党きっての脱原発の論客。
 資源エネルギー庁長官・・・飯田哲也(てつなり) *環境エネルギー政策研究所所長。エネルギーシフトの第一人者。
 原子力安全・保安院院長・・・後藤政志 *元東芝原子炉設計士。原子力資料情報室でおなじみに。

厚生労働・財務大臣(兼任)・・・田中優 *元労組専従。原発・エネルギーシフト・金融の専門家。『どうして郵貯がいけないの』著者。 
文部科学大臣・・・岡野眞治 *放射能計測の第一人者。詳細な福島汚染地図をNHKと共同で作成。
 原子力安全課課長・・・木村真三 *岡野眞治と福島汚染地図を作成。そのために放射線医学研究所を辞任。

法務大臣・・・宇都宮健児 *日本弁護士連合会会長。消費者金融が専門。反貧困ネットワーク代表など。
 人権擁護局長・・・海渡雄一 *日本弁護士連合会事務総長、監獄人権センター事務局長。多くの原発訴訟で原告側弁護人を務める。福島瑞穂と事実婚。

まだまだあると思います。転載・拡散しつつ、あなたの人選をぜひ教えてください!



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2 件のコメント:

福田 さんのコメント...

平和大臣 きくちゆみ

チハラ@KYOTO さんのコメント...

この組閣、いま考えられる最高の布陣ですね!
平和大臣も含めて、です!

こうなれば…と、本当に夢見ます。