2014/06/03

NVCリーダーシッププログラム2日目:調停のワーク

今朝は8時45分にテニスコートに集まり、子どもと参加者全員でゲームをしました。まずグループをつくって手をつなぎ、下を向いて顔を上げたときに目が誰かと合ったら叫ぶ「スクリームゲーム」で盛り上がりました。目が合った2人は手をつないで別のグループに移動する、というシンプルなルールなのですが、グループに7〜8人ぐらいいるので2人の目が合う確率は低くなり、目が合ったときは本当に驚いて「キャー」っと叫びます。

それから大きな輪を創って朝の挨拶をして、家族ごとに(家族がいない人は、その場で家族を創って)人間彫刻をするゲームをしました。素敵な彫刻がいっぱいできたので、写真を撮れなかったのが残念。

9:15分からバーンという大部屋でコミュニティタイム。今日のスケジュールを確認して共感グループ分けなどをしてから、リメンバリング(思い出すこと。「初心に戻ること」という意味で使っていると思う)はISHという絵本の朗読。正確に描くことではなく、自分の心のままに描くことを喜ぶ、自分の不完全さを許すことの大切さを描いていました。「不完全さを許す」は私の課題でもあります。

最初のは調停(mediation: 紛争解決)の専門家であるジョン・ケニオンの講座。彼はミキ・カシュタンとともにBay NVCを創設したメンバーの一人です。

まずは誘導瞑想で今この瞬間の考え、気持ち、ニーズの順にゆっくり呼吸をしながら探り、頭ではなく心と体にフォーカスしていきます。途中で目を開けて、解釈なしにただ眺める、というのが新鮮でした。

彼にとってNVCは言葉を要するので頭(思考)に傾きがちなので、それと自分自身の今の存在や今起きていることに気づいていること(awareness。言葉にしづらい「ありよう」や「存在そのもの」)のバランスをどうとるか、が大切であることをシェアしてくれました。

11:10分から12時半まで(ランチ)の2時間目は、フランソワの「怒りのワーク(怒りとどうつきあうか)」に出ました。

フランソワの怒りに関するセッションでは、自分が誰かに対して怒っているときと、誰かが自分に対して怒っているときの二つの状況でそれぞれワークをしました。自分が誰かに怒っているときというのは、その問題で何か自分に対して「こうすべき」と腹立たしく思っていることが多いそうです。怒りはその満たされていないニーズ、その人が何を大事にしているか(情熱)を教えてくれます。怒りの中には、過去に自分に起きた経験の中で癒しを必要としていることがあるので、それを探します。

フランソワはワークの後半で「もしあなたに障壁(行動を妨げているのは恐れであり、人は安全と感じるまで行動しない)が何もなかったら何をしますか。安全と感じるためには何が必要ですか、どれぐらい早くそれを得ることができますか」と質問しました。2人組でそれぞれの答を探求して終わりました。

フランソワの「怒り」のセッションの後、自分の怒りと友達になる、自分に対して怒っている人にも思いやりを持てる(かもしれない)と少し希望が持てました。

平行して行われたロクシーのセッションは、ボディNVCというインバル・キャスタンが開発した方法でした。ワークは2人組で、トレーナーの誘導で行います。一人はサイレントエンパシーを送りながらワークをする人を見守ります。何か争った相手を思い出し、そのときの怒りとつながり、それを声に出し、カラダの動きで表現します。それに対する判断とか考えを探り、その背後にあるニーズとつながります。今度は怒りを抱いた相手のカラダに中に自分が入り、相手の感情とニーズにつながります。そのとき変容が起こるようです(すごく落ち着き、静かになった、という体験者からの声あり)。

私は今回は参加できなかったので、あとで参加した人にリードしてもらって、静寂が訪れる瞬間を味わいたいです。

食後は共感グループの時間。これはLPの間、毎日違う人とやります。私は今日はブライアンとソフィーと3人で。それぞれNVCの経験を沢山持っていたので、とても深い時間になりました。ありがとう。

4時半からのセッションは、ジョン・ケニオンの調停(仲裁)の入門クラス。調停は私がNVCを使ってやっていきたいことの一つなので、とても楽しみでした。

まず、イスを3脚用意します。中央が調停者、一つのイスに争っている当事者2人(AとB)が座ります。練習ではAが解決したい問題を抱えている当事者、Bは相手にロールプレイをしてもらいます。Aが起きたことを短く話します。そしてその中で聞いてほしいことを調停者がリフレクションし、その中から出てくるニーズを探ります。そしてニーズをBからAに言ってもらいます。次にBの話を聞き、調整者がリフレクションし、ニーズをさぐり、AからBにニーズを伝えてもらいます。私たちのグループはそこまでで終わってしまったのですが、5つのステップがあり、最後はそれぞれのニーズを満たす解決のリクエストをみつけ、合意ができたら終了です。(実際の紛争でこれができるかチャレンジ!)

夜はフランソワとジョンと平行してセッションが行われるはずでしたが、ジョンの声がでなくなってしまったので、明日の朝行われる予定だったロクシーの「悼み、癒し、和解のプロセス」が行われました。ボランティアしてもらうのは争いごとを抱えているAで、トレーナー(ロクシー)が争っている相手(Aの嫁)の役を「キリン(=NVCの意識を持ち、NVCの言葉を話す人のこと)」になりきって演じます。

まずは十分にAのストーリーをキリンの耳で聞きます。十分に話を聞いてもらえたとAが感じたところで、この話を聞いてどんなインパクトがあったか聞きたいかどうか確かめて、イエスの場合にシェアします(このときロールプレイをしている人は、相手をサポートする助けになるニーズだけをシェアします。罪や恥、正当化、謝罪、弁解は避ける)。

次のステップは、なぜ(そんなことをしたのか)を新しいストーリーで(Aの嫁の人間性を理解できるような話)伝えます。その行動の背後にある気持ちとニーズにAがつながれるだけで、怒りが静まっていきました。

最後のステップは、「次に本当に会ったときにお嫁さんはキリンの耳では現れないけれど、あなたが子どものケアしてくれることを嫁は本当は感謝していることを思い出して」という言葉で終わりました。Aさんは自分が大切であること(I matter)を自覚し、それを持って次の嫁との面会に望むことができる、と清々しい笑顔を見せてくれました。

平行して行われたフランソワのビジネスDNAのセッションは何が行われたか情報を集められなかったので、またの機会に!

今日も豊かで実り多い日でした。おやすみなさい。


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