コロナロックダウンでボストンの大学からハワイの我が家に戻ってきている娘に 、
「ママ、まだブログとか書いているの?」
と聞かれた。
「たまにね、なんで?」と聞くと、
「黒人男性が白人の警官にまた殺されたの。今、アメリカの若い人たちの間でこの話題が持ちきり。ママにも知って欲しいし、日本の人にも知って欲しい。多分、メディアは暴徒化したプロテスターのことしか伝えていないと思うから」
ということで、娘のリクエストでこのブログを書くことにした。
事件とは、5月25日にミネアポリスで白人警官に膝で首を押さえつけられ窒息死したジョージ・フロイドのこと。
たまたま近くにいた複数の人たちがその様子を携帯で撮影したり、FBでライブ中継もされたので、瞬く間にソーシャルメディアで全米、そして全世界にも広がった。(パレスチナで起き続けたことと連動して伝えられてもいる>https://is.gd/10NGHG )
映像では、道路に腹這いに横たわる無抵抗の黒人男性が何度も「助けて」「息ができない」と言っている間、一人の白人警官が黒人男性の首を膝で押さえ続けている様子が映っている。7分ぐらいで黒人は動かなくなった。動かなくなった後も2分ぐらい警官は膝を押さえ続けた。
その生映像を私は娘に見せてもらった。
ここではシェアしない。
911以降の対テロ戦争のとき、アフガニスタンやイラクで一般人が米軍の空爆で殺される映像や、亡くなった子供達の写真を私は講演会で大勢の人に見せてきた。それを観た人のインパクトについて配慮がたらなかった、と今は思う。
同じ人間が殺される場面を見るのは恐ろしく、胃が殴られたような感覚や吐き気がし、悲しく、嫌悪感がし、義憤がわき、無力感や恐怖を感じ、絶望的になる。こういった圧倒的にネガティブな感情が湧いたときに、それをどう扱うか知らなかったら、感情的安心感が損なわれて病気になってしまうかもしれない。あるいは激怒して、暴力的になるかもしれない。
私は、ジョージ・フロイドが「助けて、息がでいない」と言いながらやがて息絶えるまでを、ホ・オポノポノ(ハワイに伝わる癒しの言葉。ネガティブなことを繰り返させないパワーがある)をしながら見た。
いやだ!!
こんなことがまた繰り返されるの!
お腹がむかむかした。
あまりに酷くて、腹が立った。
悲しかった。
無力感も感じた
残酷すぎる、と義憤にかられた。
人間について失望し落胆した。
いのちを大事にすること・されることが必要だった。
希望がほしい。
アメリカでは、こういうことは実は頻繁にある。
(幸い、私の暮らしているハワイでは見聞きしない)
たまにニュースになるし、
ならないことも多い。
例えば、コロナウィルスでロックダウン中に、白人男性が銃を両手に掲げ持って「自由」を叫んでデモをしたとき、警官はスルーした。が、同じことを黒人男性がしたら逮捕され、暴力を受け、最悪、殺されたかもしれない。
有色人種への差別はアメリカでは今も確実にある。
もちろん、人種差別は法律では禁止されているし、平等を謳っている。でも実際は肌の色が黒いほど困難が多い、と思う出来事が多々ある。
(若い)黒人男性は警官を恐れないといけない。
同じように、黒人男性を恐れ、あるいは嫌っている白人男性も多いように見える。
若い黒人男性は、何もしてなくても、もし警官に疑われたら、逮捕されたり暴力をふるわれたりする。最悪、今回のジョージ・フロイドのように殺されることもある。
こんなのは嫌だ。(アンパンマンの歌を思い出す)
この地球に人は生まれ、全員、必ず死ぬ。
私たたちはみな、致死率100%。
だから殺さないでください。
そして死なないでください。
怒りを感じたら一時停止。
ハートに意識を下ろして呼吸する。
自分は何が大切かを思い出し、対話をしてください。
互いの大切なことを聴きあおう。
その方法を私はコネクション・プラクティスで学んだ。
これは練習(プラクティス)すれば、必ずできるようになる。
お母さんはいのちがけで子どもを生む。
誰もが誰かの子ども。
誰も誰の命を奪わないで天寿を全うできる地球にしたい。
いのちが大事だ。
本当に大事。
黒人も、白人も、黄色人も、赤人も、肌の色の違いで暴力が振るわれ、命が奪われるなんて、悲しすぎる。
もう卒業しよう、こんなこと。
もう十分やったよ、人間は。
私が今選んでいる道は、コヒーランス(脳と心臓を同期させること)ができる人を増やすこと。そして、コネクション・プラクティス(共感と洞察でつながりをもたらすスキル)を実践できる人を一人でも増やすこと。
この道は、私がこの世に生まれ、今も生きている目的に直結している。
その情熱は枯れることはない。
昨日も朝から晩までコネプラを教えて、本当に充実していて幸せだった。オンラインで始めて出会った人たちが、心を開いてわかちあえる場がそこにある。
人は自分のハートにつながると
無限の(愛や平和の)エネルギーと繋がりやすくなる。
一方、頭は恐れと繋がりやすい、という経験を私は頻繁にしてきた。だから、脳(頭、マインド)と心臓(ハート)を同期させてコヒーランスにすることが重要なのだ。
マインドとハートは、互いに互いを必要としている。
脳と心臓が同期すると(コヒーランス状態になると)、脳機能が向上して明晰さが得やすくなることがわかっている。
心臓(ハート)と脳が同期してつながると最高の叡智にアクセスできる。
ーーーーーーーー
注記:あなたの脳と心臓が同期しているかどうかは、ハートマス研究所のインナーバランスやエムウエーブと言うソフトウエアで計測可能。日本ではラスールジャパンが会員向けに割引販売している。
ーーーーーーーー
コヒーランス状態にいるとき、人は自分の生まれてきた意味や目的を明確に知れることがある。
コネプラを学んだ人たちが、どんどん自分の喜びにつながって生き生きしてくるのを何度も見た。
コネプラを伝える度に、「このスキルは本物だ、人々がこれを実践できるようになったら世界は変わる」と確信している。
だから私はコネプラを教えている。
311で福島第一原発の3基がメルトダウンした時、私はそれまでの信念が崩れた。なぜなら、日本の原発過酷事故をなんとか食い止めようと、なりふり構わず(家族や周囲への影響は顧みず)できることはなんでも全力でやってきた人生だったから。
原発が爆発してすぐ、ハワイに移住した。
子どもたちを被曝させないためだ。
ハワイに来たばかりの頃は、ただ生きるために必死だった。あの頃の私は魂の目的から離れて、生きる屍みたいだったと思う。
そんな私が再び命を吹き返したのは、コネプラ創始者のリタマリー に「ゆみ、そろそろラスール(コネプラ認定トレーナー)にならない?」と声をかけてもらったおかげだ。
2014年にようやく ラスール認定コースを受けて、日本人初のコネプラ認定トレーナー「ラスール」になった。そして日本でコネプラを教え始めて、受講生の変化(日本で私からコネプラを学び、最初に認定トレーナーになったのは川口久美子さん。彼女の変化には今もインスパイアされ続けている)を目の当たりにして初めて、私の情熱の火が再び灯った。
リタマリーとコネプラは、私の命の恩人だ。
2018年の4月26日、チェルノブイリ原発が爆発してから32年目の日、川口久美子さんの洞察に触発されて、「デイリーコヒーランス」を玄さんと始めた。あれから2年以上、毎日デイリーコヒーランスを続けている。
日々、世界ではいろいろ悲しいことが起きている。
そのことを私はすぐには変えられない。
でも、私は自分の心の中に平和を創ることはできる。
今、米国ではコロナパンデミックの最中にジョージ・フロイド事件が起きた。そして全米で毎日、警官とデモ隊の衝突の様子がニュースで流れている。
ざわざわして、胸がムカムカすると
すぐハートに集中する。
ハートからゆっくり呼吸をする。
ハートを感謝で満たす。
そして自分が実現したいこと(愛と平和と健やかさ)のエネルギーにつながる。
自分をそのエネルギーで十分満たしてから、それを周りに広げる(イメージする)。
それを日々、日本時間の朝6時から練習している。
なるべく、その状態で1日を過ごしてみる(実践する)。
ジョージ・フロイドの死を無駄にしないため、
私が選択した「今、私にできること」がこれ。
でも、どうしても頭から離れない疑問が1つだけある。
ジョージ・フロイドは、
「助けて」「息ができない」と
命が果てるまで言い続けた。
あの言葉以外に、ジョージが何を言ったら、
あの白人警官は膝を緩めたのだろうか。
NVC(非暴力コミュニケーション)で「What you say next will change your world(あなたが次に何をいうかが、あなたの世界を変える)」と教わった。この言葉は、我が家の冷蔵庫にも貼ってある。
私のお気に入りの言葉。
ジョージは死ぬまで「息ができない」
って言い続けたが、彼は世界を変えることができなかった。
「息をしたい」(I need air)
って言ったら、警官は膝を緩めただろうか?
ジョージのいのちはもう戻ってこない。
彼の言葉が木霊する。
「息ができない。殺さないで」
そして息絶えた。
胸が潰れる。
ジョージ・フロイドは46歳。
6歳と22歳の娘がいた。
お父さんがこんな風に殺された子どもたちへのインパクトを思うとやり切れない。
今、この事件がきっかけとなり全米で
Black Lives Matter(黒人の命は大事)
という運動に発展している。
平和なデモが多いが、中には暴徒化する人たちがいて、テレビのニュースでは商店のガラスを割ったり、焼き討ちしたり、物が盗まれたりなどの映像が流れる。
ほとんどのデモは平和に行われていることや、このようなデモがなぜ起きているのかを知ってほしい。
そして自分ができることを心に訊ねて、それぞれ行動しよう。
私はかつてジャーナリストに憧れ、若い頃それを目指していた。人々に知ってもらうことで、暴力や戦争や不正義や理不尽なことをなくせるのだ、そう、「ペンは剣よりも強し」を信じていた。
でもテレビやラジオや新聞や雑誌などで言論活動を始めてすぐ、マスコミのタブーがあることを何度も思い知る。
私が一番興味があるのは、昔も今も地球環境や人の命を守ること。例えば原発の放射性廃棄物のこと、原発の配管の地震に対する脆弱性と事故の危険性(については記事を311前に書いていたが、現実を変える「ペンの力」はなかった)、合成洗剤の生物への害、シャンプー・リンス・化粧品の動物実験のことなど、広く知ってもらって、変えていきたいことがたくさんあるけど、広告主の都合に合わないことは報道できないことが多い。
それでフリージャーナリストの道を選んだ。自由な発言ができるのは、マスメディアではなくミニメディアだった。やがて私は「(環境・平和)活動家」と呼ばれるようになり、自分ができるありとあらゆることを20年以上やった。
そして311で夢破れた。
「私のやり方では私が望んでいる結果は手に入らない」と気づいた。福島第一原発が爆発したとき、それまで信じてきたことが音を立てて崩れた。
それまでの活動に私は意味を見出せなくなり、やる気が失せて抜け殻のようになった。
1986/4/26:チェルノブイリ原発事故
2001/9/11:米国同時多発テロ(と対テロ戦争の始まり)
2011/3/11:東日本大震災(と福島第一原発の3基同時メルトダウン)
は私の記憶から一生消えることのない日。
それに多分、
2020/5/25:ジョージ・フロイドの死
が加わるのかもしれない。
私の夢は今も昔も同じ。
平和な美しい地球を創って、子どもたちに手渡すこと。
今はもう、以前のやり方は選ばない。
新しいワクワクするようなやり方を、リタマリーから学んだ。
「空の稲妻に指図する前に、
自分のこころにある嵐を
鎮める必要がある」
コスタリカの「ラスール」の物語の中で村人が最後に残したセリフが、コネプラのモットーになっている。この言葉はコネプラ講座の中でも最後に必ず伝えるし、自分がイラッとしてそのまま行動しそうなとき、自分自身に言い聞かせる。
この言葉を思い出せば、コネプラを使うことを選択できるから。
具体的には、
私の心がざわざわしたら(ジョージ・フロイドの死とその後、今、アメリカで起きていることは私をざわざわさせるのに十分だ)、自分の感情とニーズを探して、主なニーズを特定して、コヒーランスをしてハートに洞察を聴く。
何度でも同じことを繰り返す。
私のハートは言う。
「コヒーランスを続けなさい」と。
毎日、毎日、コヒーランスをみんなと続けることで
人が肌の色や宗教や主義の違いで人が人を殺すという行為をこの地球からなくせる、と希望を持っている。
だから私は、
「この心臓が止まる日まで、
デイリーコヒーランスをやる」
って改めて決意した。
ジョージ・フロイドの死を悼みながら
きくちゆみ
ーーーーーーー
P.S. 日本時間の毎朝6時から、あなたも参加できます。
デイリーコヒーランスZOOM Link :
Password: 369
6月21日(日本時間10AM)
広島グローバルピースコヒーランス: