2016/07/31

ふくしまキッズ、コナ到着/カナダでNVCファミリーキャンプ:教えないで伝える

速報:本日、ハワイ時間午前11時47分、第6回ふくしまキッズハワイプロジェクトに参加する子どもたち総勢7名が無事コナに到着しました。

みんな旅の疲れも見せず元気そうで、ご飯もおかわりしてよく食べました。今日は身近なサポーターのみなさんを招いてランチ歓迎会をし、その後はバレーボールなどをして遊びました(私も久しぶりにバレーボールをやったら腕が真っ赤になって痛い)。彼らがここを去る8月15日まで、なるべく頻繁に報告を書くつもりです。私のFBでも写真などを投稿しますね!


   <カナダのNVCファミリーキャンプ:教えないで伝える>

日本から戻って10日も経たない7月20日、バンクーバーへ飛びました。そこから電車とバスとフェリーとタクシーともう一つフェリーを6時間かけて乗り継ぎ、ガブリオラ島で行われた3泊4日のNVCファミリーキャンプに参加してきました。

このキャンプを始めたのはカナダ人のミッチとアンジェラ夫妻。彼らとはNVCの別の合宿で出会ったのですが、とても素敵な夫婦でどんな子育てをしているか学びたかったので、思い切って参加しました。(もう一組モデルにしたい夫婦はやはりNVCトレーナーのジムとジョリです)

もう我が家の高校生になった子どもたちが親元で暮らすのもあと数年、というのも参加の動機です。私が子どもが巣立つまでにしっかり伝えたいことは、自分の体を健やかに保つ方法(ハーモニクスヒーリング)と人間関係を豊かにするNVC(非暴力コミュニケーション:マーシャル・ローゼンバーグ博士が体系化した「観察」「感情」「ニーズ」「リクエスト」を使った共感的なコミュニケーション法)やコネクションプラクティス。これらのスキルが身についていれば、人生なんとかやっていけると思っています。(後、食べ物を育てる方法も知っていた方がいいですが!)

ファミリーキャンプにはスタッフを含めてカナダやアメリカ、ドイツ、そして日本人の3家族を含む総勢50名弱が参加しました。都会の便利な暮らしを離れ、大人も子どもも森の中でテントで暮らし、その中で午前と午後3時間ずつのNVCの学びと遊びもあり、盛りだくさんで刺激と興味と学びと成長とつながりと発見が満たされたキャンプでした。我が家の二人を含むティーン7名が自主的に行動し楽しんでいるのも、嬉しかった。

ミッチとアンジェラの子どもは男の子二人なのですが、仲がよくて、互いにジャッジすることなく「観察」の言葉で話し、実に落ち着いて伸び伸びしています。「どうやってNVCを教えたの」と聞くと、「NVCを教えたことはないよ」との返事でびっくり。日々の親のあり方から、自然にNVC意識も言葉づかいも身についているんですね〜。感動しました。

私は子どもたちに対し「共感ではない」ことをついやってしまいます。NVCを学ぶと共感と共感ではない会話を最初に練習するのですが、共感ではないもの(ごく普通の会話)には以下があります:

1:アドバイスする 
2:同意する 
3:元気づける 
4:競い合う 
5:慰める 
6:正す 
7:教育する 
8:説明する 
9:調べる 
10:正当化する 
11:矮小化する 
12:お決まりのことを言う 
13:良いことを指摘する 
14:物語を語る 
15:同情する 
16:理屈づける

私は子供達に対して、ついアドバイスしたり、教育したり(相手が興味ないのに教え込もうとしたり)、正したり、自分の信じることから「こうあるべき」「こうするべき」と言うことが多いです。別にそれが悪いわけではないけど、つながりを深めたいならば「共感」(ここでは自分や相手の感情とニーズを探ること)の方が効果的です。

さすがに最近は自分の「共感ではない」言動に気づくようになりましたが、長年の習慣を変えるのは難しいです。まず気づくことが第一歩なので、その小さな進歩をお祝いしよう!

私はまた来年もこのファミリーキャンプに参加したいですが、我が家のティーンたちはどうかしら?(参加してくれたら、本当に嬉しいなあ)

もう一つ嬉しかったことは、今回久しぶりにバンクーバーに行ったおかげで、以前NVCをシェアした人たちと再会できたこと。コネクションプラクティスの入門も伝えることができて、興味を持ってもらえました。またバンクーバーに行くチャンスが増えるかもしれません。

旧交を温められるって幸せなことですね。そのありがたさをかみしめています。



2016/07/22

もうすぐふくしまキッズがコナにやってきます

今年も常夏のハワイに一段と暑い夏がやってきました。間もなく福島から子ども達がやってきて、私たちにとって一年で一番忙しい時期となります。

この夏は、参加してくれる高校生の予定に合わせて例年より短い19日間のプログラムですが、パーマカルチャー(永続可能な自然農法)やコネクションプラクティス(つながりの練習と実践)、自然食と自然療法などを学んだり、海や山でなるべくたくさん遊んだりして過ごす予定です。

アメリカ人のご家庭にホームステイも2泊3日したり、いつもふくしまキッズをサポートしてくれるハワイ島日系人の教会や、美味しくてヘルシーなバーベキューをしてくれるデヴィッドとキム、石窯手作りピザを作って焼いて食べさせてくれるチャーさんを訪問したりします。

滞在先は昨年に引き続き広大な牧場と農園を持つフエフエランチ。ロジャーズご夫妻のご好意で、子ども達は素晴らしい体験が今年もできるでしょう。

8月7日(日)の午後3時から、フエフエランチでふくしまキッズを歓迎するポットラックをやります。ハワイ島在住のご縁の方はぜひいらしてください。人数を把握したいので、メールでお申し込みくださいね。RSVPです!

ふくしまキッズハワイプロジェクトは今回で6回目のグループを受け入れますが、継続ができているのは数え切れない人たちのサポートのおかげです。ご寄付をくださった方、ボランティアの方、音楽イベントのファンドレイズで貢献してくれている音楽家のみなさん、ホームステイで子ども達を受け入れてくださる方、ガレージセールに寄付をくれたり、そこで買い物をして資金集めに協力してくれる方などなど。目に見える、目に見えない様々なサポートのおかげで今年も子ども達を迎えられることをありがたく思います。


2016/07/15

日本初!コネクションプラクティスのファミリーキャンプ

昨日、5週間の日本ツアーからハワイに戻って、引越し荷物で雑然とした中で何とか一息ついたところです。

今回は、福岡、長崎、熊本、岡山、京都、清里、東京、名古屋の各地でコネクションプラクティス(元BePeaceプラクティス)を教えてきたのですが、初チャレンジしたのが子どもたちにこのプラクティスを伝える「ファミリーキャンプ」でした。

東京と京都の2カ所で5家族、8名の子ども達が参加し、私も彼らもスタッフの誰もが初体験の中、ワクワク&ドキドキで開催しました。できたてほやほやの子ども用の気持ちとニーズのカードを使ったり(すっごく可愛いです。デザイナーさんの力作です。ありがとう!)、ハートを縫ったり、つながりのプロセスゲームなどをしました。

私たち家族は2014年にカリフォルニアのBePeaceファミリーキャンプに参加したのですが、私は大部分を大人グループで過ごしていたので、子ども達が実際に何をやったのかは見ていないのです。友人と自分の子ども達の話と、ラスールインターナショナルから購入した教材(英語)を頼りに、日本語版を試作しながらのまさに「試行錯誤」の初キャンプでした。(私自身は、教育課程のトレーニングを英語で受けています)

驚いたのは、5歳から14歳までの参加した子ども達の誰もが、共感力があったことです。カードを使ったゲームでは誰もが相手の気持ちとニーズを推測することができて、感動しました。「そうか、子どもはもともと共感的な存在なんだ」というのが私の気づき。もし、これがすべての子どもにも当てはまるのだとしたら、いつ、私たちはその共感力(ここでは、相手の気持ちと大切なこと=ニーズを推測する力のこと)を失ってしまうのでしょう。

もちろん、大人になっても共感力がある人はいますが、これまで教えてきた経験では、自分の気持ちを簡単に表現できない大人の方が多いです。どちらかというと、感情を表現することは日本では推奨されず、感情豊かな人は「大人気ない」とか「女々しい」とか言われたりしますから当然ですね。

子どもの頃、自分はどうだっただろう?
そういえば、「今どんな気持ち?」なんてあまり聞かれなかったな。
その代わり「あなたの意見は?」とか「あなたの考えは?」と聞かれた。
すると、自分の思っていることを話していました。

ある時、キャンプの中で、子ども達に私が共感してもらいました。

「私が日本にいる時、ハワイにいる娘から電話がかかってきました。彼女は電話の向こうで、ママ、いつ帰ってくるの?と言いながら泣いています。その時、私はどんな気持ちだったかな?」
「心配だった?」
「怖かった?」
「悲しかった?」と子どもたちは、次々に私の気持ちを推測してくれました。

次に「私は何が大事だったと思う?」と聞くと、
「安全」
「わかること」
などと答えてくれ、私はすっかり感動。

じゃあ、私の娘はどんな気持ちだったかな?
「悲しい」「寂しい」と子どもたち。
彼女は何が大切かな?
「助け」「大切にされること」「わかること」「つながり」
などと答えてくれました。

それから一緒にコヒーランスをして、私が洞察を得るのを一緒に助けてもらいました。

娘は実は右手を骨折していたのです。怪我をしてすぐに試験があり、右手が使えなくて途方に暮れて、電話をしてきました。

いつもの私ならあれこれアドバイスをするのですが、この時はただ彼女の話を聞いて共感していました。やがて泣き止み、電話を切る頃にはいつもの明るさが戻っていました。最後に、「骨は折れているけど、頭は壊れてないから大丈夫よ」というと笑ってくれました。その後、気持ちを切り替えて勉強し、試験もなんとか切り抜けることができました。

ラスールジャパンは子ども向けの教育課程をRFI(ラスールファンデーションインターナショナル)と提携し、日本語の教育課程を提供しています。まだ教えられる先生が少ないのですが、「つながりのスキルを次世代に」がモットーである私たちは、年に一度はこのキャンプをやっていこうと決めました。

コネクションプラクティスについて:www.rasurjapan.com
お問い合わせ:rasur.japan@gmail.com

p。s。ラスールジャパンの川口久美子さんと名古屋の仲間たちが、名古屋で子どもキャンプを計画しているようですよ。お楽しみに〜