2005/05/17

ロスでデニス・クシニッチと再会

もともとは私のパートナーが私用で一人で渡米するはずでした。が、偶然同じ時期にデニス・クシニッチがロサンゼルスに来ていることがわかり、私も一日前にチケットを購入して、急遽家族全員でロスへ飛びました。クシニッチは、ロス郊外のサンペドロにある市民グループからアプトン・シンクレア表現の自由賞(Upton Sinclair Freedom of ExpressionAward www.LivingNewspaper.org)を受賞し、その授与式に呼ばれていました。

『戦争中毒』の出版人であり『テロリストは誰?』の編集者でもあるフランク・ドリルが私のことを主催者に紹介してくれたおかげで、私はその式典でクシニッチを紹介する大役を仰せつかりました。

日本出発は5 月13日の金曜日。午後3時に発ち、同日朝にロス到着。フランクが空港まで迎えにきてくれました。夕飯は彼の家の新しいキッチンで私がイタリアン料理の腕を振るいました。

翌日はロス在住の日本人グループにミニ講演と上映(『テロリストは誰?』のダイジェスト版と『戦争中毒』のプレビュー)会をさせてもらいました。このご縁は冬の間我が家の留守番をしてくれていたアコちゃんがくれました。彼のお兄さんの村川博史さんがロス在住で、彼が友人に声をかけてくれたおかげで20数人の日本人と日系人の方々にお話ができました。
 
翌日は、朝早くアーリントン・ウエストを見にサンタモニカの海岸へ。これは米兵のイラクでの死者を弔うために平和のための退役軍人会が毎週日曜日に海岸で行っています。詳しくはここからArlington Westをクリックしてください。
www.addictedtowar.com
 
サンタモニカはロス一番の観光スポットのひとつ。海岸にずらりと十字架がならぶすぐ横にボードウォークがあり、日曜日は多くの人でごったがえします。ここに来る人は戦争に反対でも賛成でもみな立ち止まり、イラクでの米兵の死者数、名前、亡くなった年齢と場所、家族や友人からのメッセージを読み、まだ若すぎる死を迎えた兵士たちの写真をみて、多くの人が泣き始めます。そして、このメッセージにはっとするのです。
「もしイラク人の死者も弔らったなら、この海岸全体が墓標で埋め尽くされるだろう」

この模様をドキュメンタリー映画にした『アーリントン・ウエスト(Arlington West)』が、今ロスを中心に高校や大学などで上映され、米軍に志願しようとしていた若者たちに米政府とは別の角度の情報を提供するのに役立っています。この映画と全米各地に広がりつつあるアーリントン・ウエストのムーブメントについては、どこかに記事を書くつもりです。

午後はサンペドロの歴史あるワーナー劇場(www.warnergrand.org)で行われた「アプトン・シンクレア表現の自由賞(Upton Sinclair Freedom of Expression Award)」の会場へ。この賞は今から82年前に米国憲法の修正第1条項を劇場の前で音読して投獄された有名な作家アプトン・シンクレアにちなんで、表現の自由に貢献した人に毎年授与されているものです。

デニス・クシニッチのほか、著名な物理学者のカク・ミチオ(日系アメリカ人)も受賞しました。会場に着くと、物理学者でスターウォーズ計画に反対しているカク・ミチオ博士が講演をしていました。それからまもなくデニス・クシニッチが到着しました。私がそこにいることにたいそう驚いた彼は「会えてうれしい」といいながら、ハグしてくれました。

大勢がデニスを目当てにきていましたので、私は自分の用件(来日の打診)を早めに済ませ、彼の本のサイン会に参加し、それに続いて、クシニッチの講演と4人のパネルディスカッションを聞きました。

私はロスでカメラクルーを雇っていたので、クシニッチに日本の憲法改正の動きについて短いインタビューをしました。インタビューはここです

彼はきっぱりと「憲法9条は日本だけではなく平和を願う世界のすべての人の宝。日本が平和の文化を保つことができているのは憲法9条のおかげです。日本のみなさん、憲法9条を変えてはいけません。ましてや米国政府の圧力で変えるのはもってのほか。米国政府の一員としてはっきりいいましょう。米国政府は大きな間違いを犯しました。アメリカを攻撃してない国に先制攻撃をし、占領を続けています。イラク戦争と占領は違法です。米兵はすぐに撤退すべきです。」と話してくれました。このビデオは希望者にダビングして実費で差し上げます。
 
式典でクシニッチを紹介したときはドキドキでしたが、400人の聴衆から歓声があがり、しばしば話を中断しなくてはならないほどでした。終わってからたくさんの人が私に握手をもとめてきたので、驚きました。私は911事件以降、クシニッチに出会うまでにやってきたことを話し、クシニッチとの出会いがどれほど私に希望と勇気を与えてくれたかを話して、紹介に変えました。

メモを用意していったのですが(英語のブログにそのメモをアップしました)、暗くて見えなかったので、結局その場でアドリブで話しました。それがかえってよかったのかもしれません。
http://yumikikuchi.blogspot.com/2005/05/introducing-dennis-kucinich.html

帰国の前日にはフランクが友達を彼の家に呼んでパーティーをしてくれました。『戦争中毒』に出会い、アメリカの平和運動にかかわったおかげで、この国に新しい友達がたくさんできました。友達をいろいろな国につくるのが、平和を創る遠くて近い道かもしれません。

5月22日は、辻元清美さんの講演会とピースマニフェストを作るパネルディスカッションに天木直人さんと共に私も参加します。DMをくだされば前売りチケットをご用意できます。辻元さんの話はとてもおもしろく、ためになるので、今から楽しみ。
また、天木直人さんの発言には共感することが多いです。

天木直人の「メディアを創る」http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0065
①私は澤地久枝ファン。澤地久枝は曽野綾子の対極にある女流作家。
②イラク自衛隊派遣違憲訴訟の判決下る
③核廃絶を願う被爆者たちのむなしい願い
④民主党(の一部)は自民党よりタカ派だ

日時:5月22日(日) 13時会場、13時半開演 18時半終了予定
会場:文京シビックホール 小ホール
参加費:前売り千円、当日1500円
懇親会参加費(出演者も参加します):3千円
主催:地球平和公共ネットワーク 担当:浅野(t・f:043-290-3028)
*21日中にDMをくれれば前売り券を受付に置いておきます。 
yumik@fine.ocn.ne.jp

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