菊池木乃実さんの新著「Beautiful Life 世界の果てで暮らしてみたら」
久しぶりに木乃実さんからお便りがあり、新著が出たというので早速買って(オンラインでダウンロードして)読みました。
最初の数ページで胸が熱くなり、涙が・・・。
何か純粋なもの、美しいものに触れたときの感動の涙。もしも地球がーというより、人間とそこに生きる生物たちがー生き延びるとしたら、大量消費を続けている私たちがこの二人のような暮らしを選び取ることができたときでしょう。
ポール・コールマンと菊池木乃実さんは、どうやって生きたら地球環境を損なわないか、どんな生活が本当に豊かなのか、人間が地球をより美しくすることに貢献できる生き方の一つのお手本を見せてくれました。
それにしても、木乃実さん、よくポールとの結婚を決意したね。そして、想像を絶するほど過酷で、ときに感動的な地球を歩く旅(中国は本当にハードだったね)をへこたれず、逃げ出さず、よくぞやり遂げたね。私は、ここのところへこたれていたんで、勇気をもらいました。
私もここハワイ島にくる前、千葉県の鴨川で、春は田んぼで泥まみれになり、春夏秋と季節季節の野菜を収穫する暮らしを14年ぐらい体験しました。自給自足まではいかなかったけど、お米だけは100%以上自給できていた。それもいのししが田畑を荒らすようになるまでだったけど・・・。(今振り返ると、鴨川から移住した理由の一つは、いのしし対策がでうまくいかずお米が3年続けてやられてしまい、やる気や希望を失ったことも大きい)
311原発震災の翌日、メルトダウンを確信していた私たち夫婦は子供を連れて、住み慣れた鴨川の家を後にしました。国内で福島から一番遠い沖縄へ着くと、今は亡き金城睦さんや中川角司さん、今は亡き妻のコカさんと共に、福島の妊婦と子供達の疎開や避難をサポートする団体「つなぐ光」を立ち上げました。中川夫妻は仕事をやめてこれに専念してくれ、2年間で264人もに手を差し伸べてくれたのです。
ハワイ島に移住した私たちは「ふくしまキッズハワイ」を立ち上げ、この夏、5回目のプロジェクト(サマースクール)を終えたところです。4年が経過した今も3基のメルトダウン&スルーした福島第一原発から放射能が環境に放出し続け、400基もの原発が動いている(ほとんど北半球にある)この地球で、子供達を本当に健康に安全に育てたいなら、パタゴニアに暮らす、という選択もあるのかもしれません。ポールじゃないけど、核戦争や原発事故が起きても生き延びられる場所は、南半球だけでしょうね。
私にそれができないのは、日本の近くにいたいからなんだろうな。
ハワイを選んだ理由はいくつかあるけど、英語圏であること(子供達を日英バイリンガルに育てたい)、日本に通えること(今も日本でやりたいことがある)、合法的に居住可能なこと(夫が米国永住権をもっていた。私の永住権は3年半かかったけれど取れた)、治安が良いこと、自然が豊かなこと、自給自足が可能なこと、などがあげられます。
でも、この本を読んだら、パタゴニアも魅力的〜。写真が美しい(それもこの本の魅力の一つ)。ハワイじゃなくても自給自足はできるしね!私は今、子供のゲーム中毒(ネットでゲームの動画をみたり、一日中なんだよね〜)に悩んでいるので、ときどき、電気もネットもないようなところで暮らしたい衝動にかられるときがあるのよね。
でも、たぶん、それはうまくいかないだろうな。私がネット環境が必要だから。子供達は思うよね、「ママもパパも一日中、コンピュータばかりやっている、自分がやってて子供にやるなってのは、おかしいんじゃない」、って。確かにその通り。「ママやパパは仕事なんだよ」って言っても通じない、子供には。
私が28歳で米銀勤めをやめたのは、「私は地球だ」って思えたときがあって(木乃実さんの体が消えて地球と一体になってしまう体験を、私もベリーズでしたことがある)、自分の人生を地球を守ることに使いたい、人間が起こした環境問題を解決することににこのいのちを使おう、って決めたから。
その決意のときの清々しさ、魂の底からの湧いてくる喜びを、この本を読んだおかげで今一度、思い出すことができました。
環境問題の深刻さに気づいた当初は、いろんな問題に一つ一つ取り組んでいたんだけど(それにはいろいろ反対したり止める必要があることが多かった)、あるとき、何かに反対するより、解決になる生き方を自分がすればいい、って気づいた。自分がなるべく地球を汚さないことや、自分たちの食べるものを自分たちで育てたり、ゴミやエネエルギー消費を減らして、なるべく自給して暮らす、という選択をしていけば環境問題は解決するはず、と思ったわけ。それ以来、鴨川でもここハワイ島でも食と医療とエネルギーの自給を目指している。
でも、ハワイ島は(コナはとくに)物価が高くて、生活を維持するだけで本当に大変!で、お金がないと何もできないアメリカ社会にいつのまにかまきこまれ、首までどっぷりつかりもがいている感じ。まだ、自分が望むような暮らしができていないのが残念で悲しい。
この本を読んでポールと木乃実ちゃんの大胆さ、不屈さ、本物さ、柔軟さ、愛の深さに心底感動した。それらは自分の中にもあるはずなんで、もう一度、よみがえらせたい。
地球が神さまなら、ポールと木乃実さんは地球の大天使。彼らをお手本にして、初心に返って、私も「今・ここ」でできることから始められるといいな。
菊池木乃実さん、ポールさん、魅力的なお手本と生きる指針を示してくれて、どうもありがとう。勇気をもらい、とてもインスパイアされました。地球に生きる全ての人(って65億人!?これが実現したら空前のベストセラーね)に一読をお勧めします。
*この本を購入したい方はポールと木乃実さんの以下のブログをご参考になさってください: