飛行機が故障して、ホノルル空港に戻って来ました。残念ながら今日の福岡のイベントには間に合いません(瞬間空間移動でもできない限り)。それで主催者の関根さんに以下のメッセージを託しました。これを送ったあと、機体が修理不能なため、フライトが欠航になり、明日の出発ということにました。あああ・・・
なんとか今日中に日本に行こうとハワイアン航空と交渉中ですが、東京行きはどれも満席。16日の東京のイベントにはどうしても間に合わなくてはいけませんから、交渉続行中です。ドキドキ・・
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「サバイビング・プログレス」プレミア上映会にいらした福岡の皆さんへのメッセージ 2013年1月14日、15:20分 ホノルルにて
アローハ。今、ホノルル空港の待合室でこれを書いています。
これも「進歩の罠」ですかね。私の乗っていたハワイアン航空福岡空港行きが離陸直前に故障が見つかり、ホノルル空港に引き返しました。
故障したまま飛ぶよりはいいですが(いのちが危ないですからね)、みなさまと直接お会いして、お話できないのが残念です。12時45分出発だったのが、現時点で2時間半遅れ、一番速くてあと1時間待ち、とのことです。
冷静に計算すると、まず今日のイベントには間に合いません。
残念!!
でも福岡空港から会場までは行きますので、もし残ったみなさまとお茶か食事ができたら、うれしいです。
さて、今日私が『サバイビング・プログレス』を観たあと、関根さんとお話ししたかったこと、みなさんに一番お伝えしたかったことをここに書いて、関根さんに託します。
人間———とくに私たち20世紀後半以降の先進国の人間———は、やり過ぎた、ということです。自然を壊し過ぎ、資源を使い過ぎ、消費をし過ぎ、武器をつくり過ぎ、戦争しすぎ、体に悪い食べものをつくり、食べ過ぎ、種を遺伝子組み換えまでしていじくり過ぎ、競争や殺し合いし過ぎ、他の生命を絶滅に追い込み過ぎです。多くの人は、働き過ぎ、で体を大事にしなすぎ!でもありますね。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という諺にある通り、その結果は、もちろん「自分たちの首を絞める」帰結になります。
311原発震災を現在進行形で体験中の私たちが、もしかしたら世界に先駆けて、そのことを証明することになるのかもしれません。地震国に54基も原発を建てたことだけでもかなり「やりすぎ」ですが、福島第一原発の現在進行中の深刻な体験をしてもなお、福島周辺の人々の苦しみを理解せず、また原発を動かそうとする政権の誕生を私たちは許してしまいました。
これは、私たち、そして私たちの子どもたちにとって何を意味するのでしょう?「日本人の絶滅」「日本という国の消滅」を意味しないことを祈るばかりです。
一つだけお願いがあります。
福岡の皆さん、どうか、放射能瓦礫の焼却を許さないで下さい。放射能は子どもたち、赤ちゃん、胎児を襲うのです。子どもが親より先に死んでしまうような世の中を創りたくないなら、放射能を拡散するようなことは一切止めなくてはいけません。チェルノブイリの苦しみは今も続いています。福島の悲劇はまだこれからです。悲劇を食い止めなくてはいけません。これは大人の責任でやりきらなくてはならないことです。子どもたちには何の責任もないのに、一番被害を受けますからね。
お母さん、頑張りましょう。一緒に声を挙げましょう!
私たちはチンパンジーとほとんど変わらない脳を持ちながら、自分たちの便利さや欲望を満たすために、自分たちの生存に書かせない水や空気や土を汚し、自然環境を破壊し、幾多の生物を絶滅させてしまいました。
もう十分です。
ここに来ている方はみんな、それに気づいていますよね。
じゃあ、どうするか。
私たちは実は小さな土地で食べものを育てて、地域にふさわしい自然エネルギーを使えば、幸せに豊かに永続可能に生きていけるのです。
そうです。できるのです。地域で食べものもエネルギーもお金も循環させれば、現在社会の問題のほとんどは解決します。
ユナイテッドピープルが配給している『幸せの経済学』にはそのことが見事に描かれています。実は、明日、この作品を私は東京で上映します。まだの方は、関根さんからぜひDVDを入手して観て下さい。
私は東京から千葉県鴨川の山間地に1998年に移住して、生まれて初めて野菜や米や茸や果物を育てはじめました。数年したら、わずか2反(=600坪)弱の田畑で自給自足が可能であることを体験しました。山の間伐材(この辺りは杉林です)を使って、冬は暖を取り、お風呂は薪でわかして、築200年の廃屋を改築して、14年間暮らしました。それはそれは、豊かで楽しかったです。若い人たちがたくさん学びにきてくれました。笑いと健康が溢れる場となりました。
311以降、同じことをハワイ島でやろうと決意して家族で移住してきました。この日本以上の大量消費社会のアメリカの一角で、もしたった2反(600坪)で自給できることを証明できたら、すごいことになります。
こちらでは普通の家の庭でも600坪から1200坪ぐらいあるからです。でも、ほとんどの人は、食べものはスーパーで買い、庭はキレイな芝生と観葉植物になっています。
ハワイ島の私たちの家は町中の瀟灑な住宅街にあり、敷地は450坪ぐらいです。そこに植わっていた芝生や観葉植物をすべて果樹やパイナップルや野菜に植え替えて、そこからとれたものを収穫して暮らし始めました。
一年経って気づいたら、近所の人たちも野菜を育て始め、今では作物を時々交換できるようになりました。
こうしたことが自然に少しずつ広がっていけば、コミュニティごとに食べものの一部を自給できるようになります。遠くの国からポストハーベスト農薬をかけた野菜や果物でなく、自分の庭、ご近所さんの庭でとれた新鮮で安全な野菜や果物を中心とした食生活にすると、なんと、体も健康になります。
我が家はこの15年間医療費がゼロなので、これは本当ですよ!
肉や魚はそんなに食べなくても、人間は十分元気に生きていけます(この世にはたくさんベジタリアンがいますよね)。ハワイ島は日本と同じく海に囲まれているので、ときどき地元のお魚をいただいていますが、基本的には果物と野菜、そしてわずかですが、庭でとれたお米、近くのファーマーズマーケットで買った野菜と果物、芋類、種類、ナッツ類だけで、おいしくて健康的なローフードと発酵食を中心とした食事を毎日いただいて、元気にハッピーに暮らしています。
福岡はまだ自然に恵まれているし、ちょっと郊外に出ればまだまだ土があります。どうぞ、みなさんもこの映画をお友達や家族に教えてあげてください。そして、映画を広めることと同時に、「持続可能な生き方、暮らし方」を小さくてもいいので始めて見て下さい。プランターにネギやハーブを植えることから始めたっていいのです。いのちを育てること、その育てたいのちが自分の肉体的、精神的健康を育んでくれることに感動するでしょう。
今日はみなさんに会えなくて、本当に残念です。お約束が果たせなくてごめんなさい。福岡にはまた来ます(実は1月24、25日に戻ってきます)ので、もう一度、アンコール上映会か何かイベントが関根さんと一緒にできたらうれしいです。(関根さんにお願いしてみます!)
今日はお会いすることは叶いませんでしたが、こうして私のメッセージを聞いてくださったみなさんと、小さいご縁ができました。
どうぞいつかハワイ島にも遊びに来て下さい。自然療法のトリート、ローフードのワークショップなどをカイルアコナという町で開催しています。
詳細は「きくちゆみのブログ」とツイッッターでご覧下さい。
ハーモニクスライフセンター・ハワイ きくちゆみ/
東京平和映画祭プロデューサー(2013年は9月にオリンピックセンターで開催予定です。ユナイテッドピープルの作品は毎年、候補作品にあがっていますが、この「サバイビング・プログレス」も候補作品に推薦するつもりです。映画は実行委員会全員で選んでいます)
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