今年で広島・長崎に原爆が落ちてから60年になります。その後、戦争はなくなっていないし、湾岸戦争以来、劣化ウラン弾という新しい放射能兵器が使われるようになってしまいました。ウラン238の45億年という半減期は絶望的な長さです。放射能は弱くても、燃えて微粒子になったときに呼吸や飲食で体内に入ります。体内被曝をしたときは周辺の細胞を傷つけ続けるので、大変危険な物質です。とくに子どもや赤ちゃんや胎児(妊婦)には。
それでこの夏に向けて、広島・長崎と劣化ウランをテーマにした本を出すために、今もう一度広島と長崎の被爆者の方の声を取材しにいきました。広島と長崎には何度か行っているし、関連の本や証言集などは読んできましたが、やはり一人ひとりに向き合って生の声を聞くことは、これまでの体験をはるかに超えました。とても重たくて、悲しくて、やりきれなくて、切なくて、憎くて、恐ろしくて・・でも今生きていてくださること、最後には夢や希望まで語ってくれたことがうれしくて・・・。この3日間でなんといういろいろな感情を体験したことでしょう。
東京平和映画祭まであと6日。会場をいっぱいにして、少しでも平和の声を広げていきたいです。事実を知ることからはじめること、そして希望を持ち続けること。どんなにつらくても、生を選び、私たちに思い出したくない体験を話をしてくださった広島と長崎の方々に心からの感謝をこめて。
この本は写真が中心の子ども(小学生の高学年)から大人向けのものです。『湾岸戦争のこどもたち』の森住卓さんが写真をとってくださるので、身が引き締まります。
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