2011/04/27

チェルノブイリと福島は違う

1色フライヤーのJPG

使い慣れないコンピュータからの投稿です。今回は、ハードディスク交換という大修理になりました!今しばらくかかります。

第8回東京平和映画祭のテーマは「原発のない世界はつくれる こどもたちが笑顔で暮らせる未来に」に決定。ダウンロード用のフライヤーのPDF 5.6 MB ができました。カラーチラシは5月初旬に完成予定です。原発やエネルギー関連の映画6本と話題の講師の3講演をお見逃しなく!

4月26日は、チェルノブイリ原発事故が起きた日。あれから25年の月日が経ちました。

あのとき被曝した子どもたちはどうなったのか、労働者たちは今どうしているのか、生きているのか、もし生きているのなら健康なのかどうか。チェルノブイリ原発事故の被ばくが原因で亡くなった方も多い(一節には100万人以上)という市民の情報と、ほとんど死亡してない、というIAEAの情報には大きな乖離があります。

テレビに出ている人たちは盛んに「チェルノブイリと福島は違う」といいます。その意味は、漏洩した放射能の量が福島は10分の1以下だからまし、という意味です。私もチェルノブイリと福島は違うと思いますが、その意味は逆です。

チェルノブイリは原発1基の事故でした。福島は4基同時に事故を起こしており、より修復が困難です。仮にその内の1基でも再臨界を起こして爆発してしまったら、誰も近づけなくなるでしょう。その結果、残りの原子炉も制御できなくなり、暴走する可能性があり、最悪、4基ともメルトダウンという事態に到る可能性すらあるのです。

311から今日まで45日間に渡って、それが起きないように文字通り「必死」の作業が続けられているわけです。バラエティー番組をやっている場合じゃありません。

放射能で首都圏消滅のJPG

チェルノブイリは放射能漏れは1週間でほぼ収束しました。福島は1ヶ月半たった今も、放射能が環境(大気や海)に漏れ続けています。そして東電の発表でも事故の収束に6〜9ヶ月はかかる、ということです。しかし工程表が発表されてすぐ、それさえも楽観的すぎることが露呈しました(汚染水の深さが20センチと想定したら、5メートルもあった、とか)。【放射能で首都圏消滅―誰も知らない震災対策

チェルノブイリでは放射能漏れは主に大気中と周辺の土壌でしたが、福島はそれに加え、海に直接放射能汚染水を流しています。「薄まるから大丈夫」という人は、放射性物質が生物濃縮することを知らないのでしょう。太平洋のすべての魚が汚染される可能性があります。

いったいこの6〜9ヶ月の間に何人の労働者がどれぐらい被曝するのでしょうか。その一人ひとりは、誰かの家族です。残された家族は、毎日、過酷な労働に携わる夫や父、あるいは妻や母のことが心配でたまらないだろうと想像します。

NukeTextのJPG
原子力教育を考える会 : http://www.nuketext.org

そして、福島に住む子どもたち。安全基準が緩められた結果「安全」になった牛乳や野菜や肉や魚を「地産地消」の奨励で給食で食べさせられます。子どもと大人は放射能に対する感受性が違いますから、大人と同じ基準でいいはずがないのに。牛乳は300ベクレルまで、その他の食品は2000ベクレルまで「安全」で、本当にいいのでしょうか。いわき市の小学校の牛乳に、福島県産のものが出されるということを知り、複雑な気持です。

福島の農家に何の罪もありません。問題は地震国に原発をつくり、動かしてきたこと。もっと安全なエネルギー選択をしないと、福島の悲劇は繰り返されるでしょう。

元福島県知事の佐藤栄佐久さんは、プルサーマルの導入に反対でした。彼が冤罪で知事職を追われていなければ、少なくともプルトニウムを環境にまき散らすことは起きなかったのかもしれません。

歴史を巻き戻すことはできませんが、彼に対する東京地検の汚職捜査は、今回の原発事故の遠因のひとつだと私は思います。詳しくは彼の著書『知事抹殺』に譲りますが、一人の検事の欲が、反原発の姿勢を明確にしていた当時の知事の無実の罪をデッチあげて、公職から追いやったのです。

今回の事故では「想定外」という言葉が繰り返し出てきますが、本当にそうでしょうか。この
4年前のロイターの記事を読む限り、決して想定外ではありあせん。東京電力自身が想定していたのですから。

私は最近、放射線チェッカー(アプリ)を携帯にインストールして、毎日、環境、水、雨の放射線量(最新)をチェックしています。悲しい習慣ですが、311以降に生きるためには仕方ありません。

5人の子を育てた福島のおかあさんの訴えを聞いてください。涙なしには聴けません。北半球の子どもたち(そして大人も)は程度の差こそあれ、みんなうっすら被曝しています。
文部科学省・原子力安全委員会交渉のビデオ(4月21日)

チェルノブイリの労働者がどのような犠牲を払ったか、この映画が参考になります。IAEAは所詮、原発業界の親分なのだと思います。
映画「サクリファイス」


そして、最後に首都圏と関西圏のみなさまへ。

浜岡原発を止めましょう。いつ来てもおかしくない東海大地震の震央にある浜岡原発。5重の防護は役に立たないことがわかった今、地震の前にこの原発を止める必要があります。 被害が大きすぎます。

市民による中部電力への申し入れの映像はこちらでご覧になれます。


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2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ゆみさん、島根のあらきです。
大変参考になる情報をありがとうございます!!! 風評被害についても、ツボでした。ゆみさんのメルアドをなくしてしまい、こちらからメッセージを送っています。
4月に、ナチュラルとして独立しました。翻訳、英語の個人指導、セミナー、つぶつぶサークルの4つの軸で展開します。

ナチュラル始動にともなって、HPとブログを始めました。さきほど、ブログでゆみさんのブログを紹介させていただきました。

http://ameblo.jp/natural-e/
http://natural-e.jimdo.com/

昨日のブログにも書きましたが、今わたしがこうして活動できるのは、ゆみさん、枝廣さん、ゆみこさん、てんつくマン、そしてほかにもたくさん出会った方たちのおかげなんです。ゆみさんにはご挨拶が遅くなってしまったんですが、ご縁に感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします!

バッハ さんのコメント...

具体的に浜岡原発を止めるにはどうすればいいののでしょうか?