彼女はフロリダでFit for Birthというビジネスを経営しています。
イルカと癒しの関係については、数多くの研究や実践者がいますので、ここでは触れませんが、健康なお産を推進することがライフワークのキムは、自分が妊娠26週目のときに、「イルカと水中出産する」ことを決意しました。そしていろいろ調べた上で、アメリカの中で一番イルカと遭遇する確率の高いハワイ島をその場所に選びました。そして、大きなお腹で、フロリダからハワイ島へ2歳の息子を連れて飛びました。
ハワイ島にはイルカはたくさんいますが、自然出産が稀なアメリカ社会の影響をもちろん受けていて、実際に海でイルカとともに出産した例は1937年を最後に一例もありません(また、ハワイ人の間ではそれはタブーであることは後述)。もう74年も前の話では、参考にできません。
だから彼女が頼れる人は誰もいません。誰もやったことのないことを、キムは一人でやろうとしていたのです。もちろん周囲のサポートはありましたが、とても勇樹のある女性です。
彼女は瞑想し、ひたすら自分の内なる声を聞き、それに従い、出産日を待ちます。
そして26週からその日がくるまで、雨の日も肌寒い日も暑い日も、一日も欠かさず海に入り、イルカとなるべくたくさんコンタクトし、イルカと共に泳ぎます。その様子が映像に録られているのですが、海の中の妊婦はまるで人魚のようです。本当に美しい。神々しいと言ってもいいかもしれません。
そして、いよいよ時が満ち、陣痛が始まります。その日、海にいくと、この3ヶ月間出会ったイルカたちがみんな集まってきました。イルカたちが出産を祝福してくれているのでしょうか。でも夕日が沈んでも赤ちゃんは降りてこなかったので、結局分娩は家のお風呂の中でしました。
女性が子どもを産むという行為は、もっとも美しく神聖かもしれません。
私自身、子どもたちを自宅で水中出産していますので、なんだか自分の出産を思い出し、胸が熱くなりました。
彼女の仕事は「Fit for Birth」という妊婦さんのためのフィットネスや健康管理です。今回のハワイ島での特別な体験を通して、彼女の仕事は今後ますます脚光を浴びるでしょう。キムの出産の記録は映画になる予定なので、楽しみにしています。(私はすでにその映画のクリップを観せていただきましたが、感動で涙が出ました)
いのちが自然に生まれ、自然に育まれ、自然に死ぬことができる社会を作りたいです。また、自分自身がそのように生きたいです。
あとで彼女のインタビュー(日本語逐語訳)ポッドキャストをアップしまうので、タイトルをクリックして聞いてください。
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このインタビューをアップしたあと、ハワイ先住民の方から「ハワイ人は海での水中出産をさせない。また僕はイルカと泳ぐことに厳しい規制をかけるために20年間努力してきた」と教えてもらいました。海はハワイ人にとって神聖な場所なので、出血を「穢れ」と観る彼(ら)の考えでは出産は海ではなく、「バース・ストーン」という巨大な石の上でするのが伝統だそうです。また、癒しブームでハワイに白人や日本人がイルカと泳ぐために殺到した結果、イルカの個体数が減っているという20年間に及ぶ調査が明らかになり、ハワイではイルカと泳ぐことに関する規制が厳しくなる予定です(これに関しては私も賛同します)。
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1 件のコメント:
4日前にハワイ島から帰国しました♪
私も妊婦の時にイルカと泳いでハワイ島で自然出産がしたいと思っています。ハワイ島に惚れてから5年・・・インスピレーションをもらっているので実現できるとおもいます。
来年ハワイ島で出産予定です☆まだ子供はできていませんが・・・。
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