私のブログもだいぶにぎやかになってきました。議論が活発なのはいいけど、かなり暴言を吐く人もいますね。異論はいいけど、暴言はお断り。北朝鮮に暮らす人は人間じゃないとでも思っているのですかね。
ボルトンさんの過去歴もぜひ調べてね。私が知っているだけでも彼はホンデュラスで多くの人権侵害(殺害を含む)への関与が疑われている人です。
北朝鮮のように独裁者が支配する国に生きる人々は大変です。自分がもしその国の人だったら、と思いを馳せてみてはいかがでしょう。体制に逆らったら、いのちの保証もない国。情報は政府発表のみ、外のことは何もわからない。そんな中でつましく(貧しく)暮らしている、同じ人間です。
核基地を攻撃したら、多くの無実の人を巻き込むし、放射能汚染は日本にもやってきて、私たちの子どもたちのいのちを蝕みます。流産や死産が増えて、ますます日本で健康な赤ちゃんが生まれなくなります。北朝鮮は追いつめたら、「窮鼠猫を食む」で、何をするかわからないですよ。日本にとってベストなのは、追いつめないこと。
タイムリーな声明を以下に転載します。転送転載歓迎とのこと!
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【北朝鮮のミサイル発射問題に寄せて】
北朝鮮への一切の制裁に反対する
−誰が東アジアの平和の脅威なのか−
2006.7.9日韓民衆連帯全国ネットワーク
(1)軍事行動にお墨付きを与える日米などの「国連制裁決議案」
7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は7発のミサイル発射実験をおこなった。ミサイルは、いずれも日本海(東海)のロシア側公海に落下した。
これに対して日本政府は、直ちに万景峰号の6ヶ月間の入港禁止、北朝鮮当局の職員の入国禁止、日本の国家公務員の渡航自粛と民間に渡航の自粛を求めることなど9項目の「制裁」措置を発動した。さらに追加措置の構えを取るとともに、国連安全保障理事会に米英などと共同して「制裁決議案」を提出した。これに対しては中ロが反対姿勢を示している。
私たちは、この「制裁決議案」に強く反対するとともに、一切の「制裁措置」に反対する。
とりわけ、日本政府が作成したとされる国連「決議案」は、経済制裁や武力行使さえも可能とする国連憲章第7章に基づいて行動することを掲げた、とんでもない代物だ。
国連憲章第7章は、その第42条〔軍事的措置〕で、「安全保障理事会は、第41条(注・非軍事的措置)に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる」と規定している。
まして朝鮮半島では、先制攻撃戦略をとる米軍が「国連軍司令部」のシャッポを被り居座り続けており、依然として「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま今日に至っているのである。
私たちは、このような「制裁決議案」を含む一切の制裁措置に反対する。
(2)誰が「緊張の原因」を作り出しているのか
私たちは、北朝鮮の核開発やミサイル発射実験にも強い憂慮を表明する。
だが、何よりも私たちは、朝鮮半島における南北分断と戦争の脅威の根源である米国の責任をあらためて強調し、強く非難するものである。
日本ではほとんど報道されていないが、この間にも、6月下旬からグァム近海で横須賀を母港とするキティホークをはじめ、ロナルド・レーガン、エイブラハム・リンカーンの3隻の空母機動部隊とB−2戦略爆撃機をはじめとする航空機280機などが参加した大規模軍事演習が行われ、すぐ続いて、6月末から7月末までハワイ沖で、米・日・韓・豪・加・ペルー・チリなどによる環太平洋合同軍事演習「リムパック」が大規模に行われている。「6カ国協議」の枠組みができている今なお、米韓合同軍事演習も繰り返し行われている。
在日米軍の再編、駐韓米軍の再編が、「不安定の弧」と米国が規定した広い範囲をターゲットにした機動性の確保を意図するものであると同時に、依然として対北朝鮮先制攻撃態勢の強化をも含んでいる。横須賀を母港とする米トマホーク艦が、常時ピョンヤンを射程に入れていることなども忘れてはならないだろう。これらが、北朝鮮側にとって大きな脅威として写っているとしても不思議ではない。
この間、米朝ジュネーブ包括合意を一方的に反故(ほご)にし、米朝二国間協議を拒否し続けて問題解決を先送りし、朝鮮半島の核問題の解決をめざす「6カ国協議」で時間稼ぎをして、北朝鮮体制の自動崩壊を目論んできたのが米・ブッシュ政権である。
昨年9月の「6カ国共同声明」は、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すことを確認し、同時に、米朝が「相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る」ことや「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」等でも合意した。そして、これらを「対話対対話、公約対公約」の原則のもと双方が段階的に進めることを確認した。
しかし、この米朝ジュネーブ包括合意の6カ国版ともいうべき内容に内心不満な米・ブッシュ政権が、これを事実上反故にしようとして持ち出してきたのが「偽ドル疑惑」を口実とした金融制裁であった。こうしておきながら米当局は、「これは6カ国協議とは別問題であり、北朝鮮は無条件で6カ国協議に復帰すべき」などと主張している。だが、これ自体が「6カ国共同声明」に反する行為である。
問題は、「6カ国共同声明」を履行するか否かである。これなしには、6カ国協議も有名無実の場となる。そして、その履行の鍵は、まさに対立する当事者である米朝の交渉にある。
現在、米国内ですらブッシュ政権の「米朝直接交渉拒否」という名の無策が、事態をより深刻化させているとしてこれに対する批判が強まっている。
私たちは、何よりも米国が「6カ国共同声明」を履行し、速やかに米朝交渉を行うよう強く要求する。
(3)北朝鮮の「脅威」煽る政府・マスコミ−和解と平和の道をとれ
私たちは、今回日本政府が先頭に立って北朝鮮「脅威」論を煽り、ネオコンの一人である米国連大使・ボルトンらと手を組み、軍事行動まで選択肢とする「国連制裁決議案」を提出したことを強く非難し、その撤回を要求する。
日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化を推し進め、いまや公然と現職閣僚が「ミサイル発射基地を事前に叩くことも自衛の範囲内」と言い放つまでに至っている。
米軍と一体となり戦争国家の道をひた走り、憲法9条改悪にまで至るプロセスを加速しているこうした日本の姿が、ひとり北朝鮮だけではなくアジアの人々に大きな憂慮を与えている。
私たちは日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化と、そのための新たな治安維持法である共謀罪をはじめとする国内の戦争体制作りのための一切の法律・法案、憲法9条改悪の動きに引き続き強く反対する。
私たちは、日本のマスメディアの多くが、日本と朝鮮半島の歴史や朝鮮半島問題の本質は一切抜きにして、北朝鮮に対する一方的なバッシングを繰り返していることを厳しく批判する。
拉致問題を通じてあたかも日本人が一方的な「被害者」であるようにすり替え、ブッシュと同様「ならず者国家」としてのイメージを振りまくことで、「北朝鮮なら叩いて当然」といった雰囲気すら醸成してきた。7月5日、新潟西港に入港した万景峰号から下船した修学旅行生に心無い罵声が浴びせられ、東京・北区の朝鮮高校の塀に誹謗中傷のビラが貼られたとの情報も私たちのもとに寄せられている。
未だ日本が過去の加害の責任すら何らの清算もせず、国交正常化すらしてこなかったことこそが異常なことなのである。拉致問題もまた、日本の侵略・植民地支配と戦後の南北分断という朝鮮半島の不幸な歴史を背景として生み出された。朝鮮半島においては、戦前の日帝時代はもとより、戦後も「守る」べき平和な状態などなかったといっても過言ではない。日本は戦後、朝鮮半島の分断に加担することで、過去の清算を行ってこなかった。
いま何よりも、100年に及ぶ日本と朝鮮半島の不幸な歴史を直視し、その清算を速やかに行うことが必要である。拉致問題の解決も、その100年の歴史の清算の一環として速やかになされるべきだ。こうした立場からの日朝の対話・交渉がなされなければならない。マスメディアもこうした真の和解と平和に資することが求められているのではないだろうか。
私たちは、引き続き朝鮮半島の和解と平和、統一に寄与し、平和を求める韓国民衆、東アジアと世界の民衆と連帯して闘うものである。
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引き続き、タイムズ紙の記事も、紹介します。日本のマスコミとは大違い。
北朝鮮ミサイル実験に関する<英タイムズ紙論説
訳文:岡本三夫(広島修道大学教授)
被害も違法性もないのに、なぜ世界はナーバスになったのか
リチャード・ロイド・パリー(英タイムズ紙論説委員)
Analysis by Richard Lloyd Parry
米国のスパイ衛星がミサイル発射台のテポドン2号を最初に発見してから7週間が過 ぎ、その間、多くの新聞論評と外交交渉がこれにどう対処すべきかについて時間を割 いてきた。
ミサイル自体の発見は5月半ばだった。その直後に、発射台近くの燃料トラックが目 撃され、補助ロケットと補給燃料タンクがミサイルに装着された。それでも、昨日の ミサイル発射が生んだショックと怒りとパニックから判断すると、突然だった印象がぬぐえないようだ。
東京では外交官と軍幹部が小泉純一郎内閣総理大臣の首相官邸に設けられた非常事態 タスクフォースの右往左往ぶりがテレビに映し出された。新聞の見出しは「国際社会 への衝撃」とか「恐怖—それは現実だった」という調子だった。外交官は世界へ飛ん で、事件への対応を模索した。しかし、この危機感を生んだのは、実際はなんだったのか。
昨日の間に6基の中距離ミサイルが北朝鮮から発射され、数百マイル離れた海上に落 下したが、被害はなかった。従来、北朝鮮が繰り返しやってきた実験だ。明らかに長距離ロケットの新しいテポドン2号大陸弾道弾も発射されたようだが、失敗したか、同じく遠い洋上で単独に破壊されたらしい。
これらの発射は物理的損害を与えることもなく、国際法にも違反しなかった。国際法は主権国家がミサイル実験をすることを認めている。ではなぜ、世界中の軍隊がルーティンでやっている軍事演習ごときにあのような激怒が起きたのだろうか。北朝鮮とその指導者の金正日があのような行動をとった動機は何だったのか。そして、世界はどのような対策を—もしあるとしたら—講じることができるのだろうか。
月並みの答は、金正日は極めて危険な指導者であり、彼の予測不可能性は狂気に近く、合理的な理由はないというものだ。安全で、豊かで、快適な日本の視点からするならば、まさにそう感じられるのだ。昨日の読売新聞は評論家の意見を書いている。
「多くの日本人は7月4日(米独立記念日)のスペースシャトル打ち上げに期待しながら就寝したが、朝になってテレビをつけたら、空を飛んでいたのは北朝鮮のミサイルだった。北朝鮮の指導者の馬鹿さ加減には言葉もない。頭がおかしくなったのではないか」。
小泉首相は似たような見解を表明した。「その意図が何であれ、北朝鮮にとってこれらのミサイルを発射するメリットは何もない」、と。
しかし、平壌から見ると世界はまったく違って見えるのだ。金正日は残酷な独裁者からも知れないが、狂人ではない。昨日のミサイル発射は北朝鮮とその指導者の不適合性だけでなく、主要国の不適合性を暴露している。
北朝鮮が北日本の空を超えて長距離ミサイルを発射してからほぼ8年になる。それ以来、北朝鮮を囲む環境は劇的に変化した。あの国は破局的な飢饉を経験し、西側とのかつてない純粋な和解の一歩手前まで漕ぎ着けた。2000年に、金正日は韓国の金大中前大統領とも、クリントン米大統領の国務長官マドレーヌ・オルブライトとも、初めて握手を交わした。しかし、いわゆる「太陽政策」という寛大なかかわりかたはブッシュ大統領の当選によって突然の終焉を迎えた。
ブッシュ大統領は有名な2002年の施政方針演説で北朝鮮を「悪の枢軸」の一味と呼んだ。1年後、金正日は「枢軸」の一員であるサダム・フセインが侵攻され、退位させられるのを目撃した。一方で、米国は北朝鮮が不法なウラン濃縮プログラムを実行し、核兵器製造能力を開発していると非難して、北朝鮮の現存する原子炉を買い取る約束を迫った。これに対する北朝鮮の反応は核不拡散条約からの離脱とプルトニウム生産の開始であり、すでに10数の核弾頭を製造したかも知れない。
北朝鮮は直接米国としか協議しないと宣言している。これに対して、米国はそれは北朝鮮のわがままを認めることであり、あらゆる協議は多国間でなければならないと突っぱねている。中国、韓国、ロシア、日本を含むいわゆる六ヵ国協議が何回か開催されたが、北朝鮮は譲歩していない。そして次第に明らかになってきたことは、米国がどれほど強く直接協議という考えに反対しても、米国には厄介者の金氏に決定的な影響を及ぼすことはほとんどできないということだ。
軍事力行使は論外である—すくなくとも現時点では—というのは、北朝鮮のミサイル攻撃が韓国に与え得る甚大な被害があるからだ。北朝鮮の唯一の同盟国である中国はこれまで北朝鮮に強力な圧力をかける選択をしていない。しかし、今年はじめ、米国は北朝鮮がマネーロンダリングと紙幣捏造をしていることを理由にマカオ銀行が北朝鮮と取引することをやめさせ、北朝鮮に圧力をかけることに成功した。
理性的な見かたからするならば、ミサイル実験は米国の金融的な圧力に対するリベンジの域を出ていないのかも知れない(7月4日の米独立記念日とほとんど同時のスペースシャトル発射というタイミングに合わせたミサイル実験は米国へのダブルパンチのようにさえ思われる)。
実験が北朝鮮の強力で自尊心の強い軍部—その支持なしに金氏の存続はあり得ない —を喜ばせることは疑いようもない。そして、さらには、実験は混乱と警戒を撒き散らすことによって金氏に利益を与え、彼の敵たちをたじろがさせている。
実験はまた、世界にはほとんどなす術のないことも裏書している。昨日のショックウェーブが広がると、日本は「制裁」の音頭とりを始めた。制裁の内容は北朝鮮の官僚の訪日禁止と貨客船の6ヶ月入港禁止である。しかし、この貨客船は帰国する修学旅行生を乗せて停泊していることが判明し、結局、入港許可になった。
これからの数日間、小泉政権は東京から平壌への銀行送金を停止させる措置をとるかも知れないが、送金は間接的なルートで可能になるだけの話である。米国は北朝鮮との商取引禁止措置に踏み切るかも知れないが、この措置には限界がある。何年も前に経済が破綻した国に経済的制裁を加えるのは容易なことではないからだ。
出入港禁止などのような付帯的措置に対しては中国が確実に反対するだろう。国連安保理大使たちがこれからの数日間この問題を討議するだろうが、中国の態度がカギとなるだろう。しかし、北朝鮮のサイズの小ささ、極端な隔離、経済危機の深刻さを考えるならば、選択肢がほとんどないことは驚くほどである。
おそらく、このことは昨日のミサイル実験が惹き起こしたパニックを説明してくれるかも知れない—それは、実験自体が脅威だということよりも、誰にもほとんど何をする手立てもないということだ。