2011/04/19

SPEEDIの放射能拡散試算図公表/子どもを放射能から守れ!

311原発震災直後から、私たち(原発の危険性を長年訴えてきた仲間内)の間では「SPEEDIの情報は?」、という言葉が交わされてきました。

SPEEDIとは国の原子力安全委員会が管轄し、原子力安全技術センターに設置されている「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」のこと。原子力災害のとき、気象庁と協力し、風向きや降水量や地形を考慮して放射性物質の拡散を試算するものです。これにより、自治体の避難計画の策定に活用されることになっていました。

SPEEDIの開発と運用には128億円が投じられましたが、今回の原発震災ではSPEEDIはほとんど役立っておらず、私はもっぱら諸外国(ドイツ、ノルウェー、フランス、イギリス、アメリカ)などのシステムに頼ってきました。このブログやツイッターを読んでいる方は、ご存知の通りです。

さて、それが1ヶ月と1週間以上経った今日(4月19日)、やっと試算図2千枚が作成されていたことが新聞記事になり、その内2枚が公表されました。

やった〜! ん? あれ、なんで2枚なの?

安全委の弁明は「放射性物質の放出データが乏しい。試算図は実際の拡散状況と異なり、誤解を招きかねない」とのこと。じゃあ、なんのために128億円もの税金を使って、SPEEDIを開発、運営したのでしょう?本番で役立てないなら、そのお金(税金)は被災者支援に使ったほうがよっぽどましです。

と、ここで怒りをあらわにしても仕方がないので、引き続き、懸命な市民の力を結集して、放射能のモニタリングを続ける必要があります。放射性ヨウ素のレベルが依然高い(半減期8日なので、事故から32日経過した今日、もし核分裂反応が収まっていれば、16分の1になっていないとおかしい)のは、まだ核分裂が続いていることを疑わせます。

1986年のチェルノブイリ原発事故のときにできたR-DANのネットワークが頼もしいです。私の住む鴨川でも市民が自主的に3カ所でガイガーカウンターを使って放射線モニタリングをしています(といってもこれが計れるのはガンマー線だけで、内部被曝したときに最も恐ろしいアルファー線やベーター線は計れません)。

このブログでも伝えましたが、0.6μSV/hというのは国が定める放射線管理区域の値です。この値を越えるところは、放射線管理技術者以外は立ち入れないことが法令で定められています。

今回の原発震災後、福島県が「放射線モニタリング小中学校実施」をした結果、調査対象の小中学校の75.9%が法令で定める管理区域の基準越える放射線が観測されました。また20%の小中学校では、職業人の被曝限度を超えうる「個別被曝管理」が必要な放射線も観測されている、ということです。

国はこの間、子どもも大人と同じように20μSV/hまで基準値を引き上げていますが、子どもは大人より放射線への感受性が高い、ということを無視しています。このままでは福島の子どもたちの将来にわたる健康が心配です。

ということで、福島県内の保護者が中心になって以下のような声を上げ、サポートを求めています。学校、教育関係者、メディアの方も取り上げてくださいますでしょうか。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/svh-652a.html

大人の都合ではなく、子どものいのちや健康を優先するならば、他府県で学校ごとに学童疎開を受け入れることができるはずです。それには、日本中の大人たちが知恵を出し、協力する必要があります。

最後に、東京近辺の方は必見:チェルノブイリ25周年救援キャンペーン
「広河隆一 チェルノブイリ写真展」 入場無料
~チェルノブイリからフクシマヘ~
http://blog.goo.ne.jp/cherno1986jimukyoku/e/98ed11e94fb3f6f99121ba77e621f69a

*今週も『週刊現代』(4/30日号)が素晴らしい。新潮、ポストは「大本営発表」で参考にならない。
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【全編】池田整治氏 「福島原発ではいま?」日本のターニングポイント!
(2時間13分収録)
http://www.youtube.com/watch?v=9zDwj7lKg2M

4月26日(火)【東京】 <第一回・池田整治先生を囲む会>
http://saiwai2525.seesaa.net/article/196612316.html