2011/05/31

脱原発・エネルギーシフトをめざす6・4シンポジウム(プレスリリース)

『eシフト』主催シンポジウム
脱原発・エネルギーシフトをめざす6・4シンポジウム
~これからの「未来」の話をしよう! 自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!~

『eシフト』(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)は、2011年3月11日の福島第一原発事故を契機に、脱原発と自然エネルギーを中心とした持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した、団体・個人の集まりとして、この4月に発足しました。その初仕事として、6月4日、標記のシンポジウムを開催いたします。

飯田哲也さん、宮台真司さん、上杉隆さん、おしどりマコ・ケンさん、生田卍&So-So、AQUAさんなど多彩な顔ぶれに加えて、ドイツからは脱原発・エネルギー問題に取り組んできた第一人者のミランダ・シュラーズさんが出演。

福島の最前線で活躍する市民運動のリーダー、また、エネルギー・シフトに本気で取り組む第一人者が本気で語ります。

【日時】2011年6月4日(土) 12:00 開場/12:30 開会/20:00 閉会(予定)
【会場】国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟 大ホール(小田急線参宮橋駅より徒歩7分)
【参加費】1,000円(資料代)

【プログラム】
●セッション1 「福島現地からの訴え」 12時30分~
コーディネーター:満田夏花 (FoE Japan)
パネリスト:中手 聖一(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
     大賀 あや子(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)
      阪上 武(福島老朽原発を考える会代表)
20ミリシーベルト問題の最新情報などを踏まえ、福島の現状を見つめます。

●セッション2 「私たちのエネシフト宣言」 13時35分~
コーディネーター:
 マエキタ ミヤコ 氏(クリエイティブディレクター/サステナ代表)
 エネルギー政策転換の提案。 これまでの原発推進一辺倒から変化が。

●セッション3 「私たちはエネシフト実現にむけて何ができるか」 14時35分~
 孫 正義氏、緊急アピール!(ビデオレター)
 コーディネーター:飯田 哲也(環境エネルギー政策研究所)
 パネリスト: 宮台 真司(首都大学東京教授)
       上杉 隆(ジャーナリスト)
       平田 仁子(気候ネットワーク)
       ミランダ・シュラーズ(ドイツ安全エネルギー倫理委員会)
 ゲンパツのない社会のリアリティ。「自然エネルギー」と「選べる電気」の時代を用意してきたキーパーソンが確かな解決策を提案します。

●エネシフ・ミニコンサート 16時25分~
 生田卍&So-So、AQUA

●セッション4 「エネシフ・素朴な疑問大会」 17時05分~
 コーディネーター:おしどり マコ・ケン(芸人)
 いま抱いている疑問を、思い切りぶつける時間。 放射線のこと、電気のこと、自然エネルギーのこと。 コメンテーターがバッチリ答えます。

●セッション5 「未来にむけての話をしよう」 18時05分~
 コーディネーター:小野寺 愛(ピースボート子どもの家代表)
 パネリスト: 土谷 和之(A SEED JAPAN エコ貯金プロジェクト)
         羽仁 カンタ(FLAT SPACE代表/エネルギーシフトパレード呼びかけ人)
        林 良樹(安房マネー)
 次の時代を担う代表たちのセッション。どんな時代をつくるのかを考えます。
 会場からの意見も募集します!

●エンディング IZANAI踊り 19時45分~終演20時00分

【主催】
脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会(略称:eシフト)ならびにその加盟団体:A SEED JAPAN、環境エネルギー政策研究所、国際環境NGO FoE Japan、気候ネットワーク、原水爆禁止日本国民会議、全国労働安全衛生センター連絡会議、ふぇみん婦人民主クラブ、水源開発問題全国連絡会、大地を守る会、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、ピースボート、ナマケモノ倶楽部、他

【申込み】
会場の関係で事前登録をお願いします。こちらからご登録ください。(パソコンからを推奨)
http://tinyurl.com/42jwd8c

【募集中】セッション4への素朴な疑問、セッション5への提案も、あわせてメールで募集しています。


【問合せ】国際環境NGO FoE Japan (担当:渡辺) tel: 03-6907-7217 fax: 03-6907-7219
URL: http://e-shift.org
http://twitter.com/#!/eshift


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2011/05/30

山下俊一氏は起訴されるか

フランスの話ですが。

(2011.5.10)フィガロ紙「チェルノブイリ野菜・果物への汚染過少評価した仏政府責任者、起訴」
『チェルノブイリ原発事故が起きた1986年4月26日当時、フランス放射線防護中央局(SCPRI)局長をつとめていたピエール・ペルラン教授(88歳)は、チェルノブイリ事故が起きた直後の4月30日から5月5日にかけ、「フランス国内では『死の灰』(放射性物質)による汚染は無く、健康への影響は無い」と発言』
『国民の健康を害したことで、2002年より起訴されている。』

「私たちはぺルラン教授が嘘をついたことに怒っている。チェルノブイリ惨事の後に国民が野菜や果物を食べないようにすべきだったのに」
『3700名の甲状腺がん患者が参加する同協会のガルニエール代表(61歳)は、1987年に甲状腺がんの診断を受け、今日に至る。』

(被ばく食品に対する安全発言をフランス政府も行い、「フランス甲状腺がん患者協会」参加者だけでも3700名が甲状腺がんを発症した。25年後の今、日本政府も同様の対応を取り続けている。)

(フランスで安全宣言を行ったペルラン教授は16年後に野菜・果物への汚染過少評価を理由に起訴されています。当事者が起訴される頃に対処し始めても、もはや手遅れです。今、対処し始めなければ同様被害がもたらされる可能性が高いです。)
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10887570309.html

日本では、長崎大学教授の山下俊一氏が福島の避難所などで、「これぐらいの放射線は大丈夫」「100ミリシーベルト以下なら安全」などと言っていました。避難する必要もない、マスクもいらない、子どもは外で遊んで大丈夫、と。最近、こっそり100ミリを10ミリに訂正したみたいですが。

報道されている通り、その山下俊一氏が福島全県民の被曝・健康調査の座長になりました(ガーン)。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110527-OYT1T00869.htm

山下さん、罪深いですよ。フランスだったら起訴されちゃいますよ。日本だと、どうなんでしょうね?

さて、このことを、友人の仙田典子さんが、金子みすゞの「こだまでしょうか」をパロって書いてくれました。
ーーーーーー
「100ミリシーベルトでも大丈夫?」っていうと、「100ミリシーベルトでも大丈夫」っていう。「マスクはいらない?」っていうと、「マスクはいらない」っていう。「避難しなくていい?」っていうと、「避難しなくていい」っていう。そうして、あとで心配になって、「30キロ圏外でも必要なら避難すべきでは?」っていうと、「避難すべきだ」っていう。こだまでしょうか、いいえ、山下俊一です。

http://togetter.com/li/112883からもう2つ、金子みすゞの「こだまでしょうか」のパロディを・・・

「放射能漏れはない?」っていうと、「放射能漏れはない」っていう。「避難しなくていい?」っていうと、「避難しなくていい」っていう。そうして、あとで心配になって、「国民を騙してる?」っていうと、「国民を騙してる」っていう。こだまでしょうか、いいえ、菅直人です。

「原発は危険」っていうと、「原発は安全」っていう。「放射線漏れた」っていうと、「健康には影響ない」っていう。 そうして、あとで大変になって、「病気になった」っていうと、「関係ない」っていう。 夢でしょうか、いいえ、現実です。
ーーーーーー

夢じゃない。
現実です。

311から何度自分の頬をつねったことか。
夢ならさめてほしい、と。

明日は食品汚染について、書きます。日本の食べもの、かなりヤバイです。子どもは牛乳、卵はやめておいたほうがいいですよ(アレルギー対策と同じですね)。


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2011/05/27

東京平和映画祭のチケット、発売開始直後に200枚

今年の東京平和映画祭はチケットがすごい売れ行きです。発売開始数日で、200枚以上でました。このブログの読者でチケットご希望の方は、私に直接メールでお申し込みください。

映画祭のテーマはずばり「原発のない世界はつくれる」。

25歳以下の方はたったの1500円(映画1本より安いですね)で6本の映画と、今引っ張りだこの話題の人たち(飯田哲也さん、藤田祐幸さん、上杉隆さん、柴野徹夫さんなど)のお話も聞けます。

もしかして、26歳以上ですか?それでも大丈夫!!チケットは2000円(今年は満席に!、というスタッフの意気込みで、チケット代を大幅に下げました)なのです。


現在進行形の311原発震災は、私たちに生き方や暮らし方の根本的変革を迫っています。

どんな風に?

よりシンプルな生き方を楽しみ(節約をゲームにしたりね)、食べ物やエネルギー、医療や教育なども、なるべく地域で自給することです。そんな暮らしに方向転換しながらも、被曝、とくに子どもの被曝を防がないといけません。

そもそも、地震国に原発は無理なのです。
日本は無理しすぎたのです。

そしてそのつけを、子どもたちにまわしています。

大人の責任で原発を止めましょう!

6月26日、東京平和映画祭@オリンピックセンター(大ホール)でお会いしましょう。私は最初から最後まで会場におりますし、最後のパネルトークでのファシリテーターをさせていただきます。
ーーーーー
一つ、助けてください。以下の文面を、お友達に広めていただけませんか?(転送・転載歓迎)

  第8回東京平和映画祭
「原発のない世界はつくれる!」
~子供が笑顔で暮らせる未来に~

原発のない世界へ進む道筋を示す、選りすぐりの映画と講演、パネルセッション。一日が終わったとき、きっと未来への希望が生まれます。

日時:6月26日(日)10:00~17:30
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター
映画:「源八おじさんとタマ」「隠された被曝労働」
   「チェルノブイリの真実」「原発導入のシナリオ」
   「わしも死の海におった」「幸せの経済学」
講演:柴野徹夫、藤田祐幸、飯田哲也
パネルセッション:藤田祐幸+飯田哲也+上杉隆
★託児(2歳から)あり。要予約
詳しくは→http://www.peacefilm.net/

お問い合わせ
東京ピースフィルム倶楽部事務局 担当:平野
Tel:090-8038-3012
Fax:03-6411-6792
e-mail:こちら
 

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2011/05/24

国会(参議院)証言:小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義

東京平和映画祭「原発のない世界はつくれる」のチケット、完成!私もたくさん持っています。メールで枚数とご住所、電話番号、年齢(会場の規定で必要)を送ってくだされば、すぐに発送します(お支払いはチケット同封の郵便振替用紙で後からどうぞ)。
ーーーー
参議院行政監視委員会は素晴らしい証言者を集めましたね。ここで発言している人たちはそれぞれ科学者、技術者、実業家として、311以降、市民の側に立って発言し行動されている方たちだと私は思います。感謝。

お時間のある方はぜひすべてを、ない方はせめて小出さんだけでも聞いていただければ、と思います。

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」小出裕章氏 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=GASMdrWqUOY

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」小出裕章氏 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=jygNyahW1UM

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」後藤政志氏 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=ra2_pqrFqL8

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」後藤政志氏 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=S7INkuS5k6o

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」 石橋克彦 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=dvwOIwR99rE

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」 石橋克彦氏 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=PnRcymz-SDQ

参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」 孫正義
http://www.youtube.com/watch?v=QZQS8yUhYi8

小出さんの証言の概要を、以下にまとめました。
ーーーー
原子力に夢を持ち原子核工学科に入ったが、実は貧弱なエネルギーであることがわかった。枯渇性のエネルギー源で一番多いのは石炭で800年、次は天然ガス、石油は60〜70年、オイルシェールもある。化石燃料の枯渇を心配していたら、ウランは石油の数分の一で、石炭の数十分の一しかない。

私はここで核分裂性のウランのことを言っている。ウランを掘って加工し燃やす原子力は、エネルギー資源にならない。しかし推進派はプルトニウムを使い、核燃料サイクルを利用したらいいという。それには高レベル廃棄物処理が必要になる。プルトニウムは地球上にないので、普通の原子炉でプルトニウムを作り、核燃料を再処理して高速増殖炉に引き渡すという計画。

高速増殖炉がいつ実用化するかを書くと、1968年の計画で80年代全般に実用化といい、しばらくしたら90年前後と後退し、5年経ったら2000年前後と書き換え、次の改訂では2010年。それも実用化できない。次は実用化をあきらめ、2020年、2030年に技術体系を確定といい、次の長期計画では年度すら示せなかった。

今は、2050年に1基目の高速増殖炉を作りたいという計画。これをみなさんは、どうご覧になるか?目標がどんどん逃げていく。10年たつと、目標が20年先に逃げる。永遠にたどり着けないことをわからなくてはならない。こういう長期計画を作ってきた原子力委員会他は、責任を取らずに今日まできた。

日本はもんじゅだけで1兆円も使った。現在の裁判制度では1億の詐欺で1年の実刑。では、1兆円の詐欺なら、1万年の実刑。「もんじゅ」に責任のある人がもし100人いるなら一人100年の実刑だ。誰も、責任を取っていない。

原子力の世界というのは大変異常な場だ、と私には思える。

原発は膨大な放射能を取り扱う技術。広島原爆のウランは800gで広島壊滅だが、原発にはウランは一つの原子炉で1年で1トン燃やす。それだけの核分裂生成物を作りながら、やっている。

原発は機械で、故障するのは当たり前。人間が動かしているので、事故は起きる。どんなに事故が起きて欲しくなくても、破局的な事故はいつか起こる。推進側の対策は「破局的な事故は起こらない」、つまり「想定不適当」と言って無視することだった。たくさんの壁があると言う事で。重要なものは第4の壁の原子炉格納容器で、これがいついかなる時も放射能を閉じ込めるという考え方にした。「格納容器は絶対に壊れない」ので、放射能が漏れるはずがないから安全だ、としてきた。

ところが実際、今破局的な事故が進行中。

これにどうやって行政が向き合ってきたか、不適切な対応だったと思う。防災は危険を大きく評価して住民を守らないといけないのに、日本政府は過小評価して、楽観的に行動してきた。最初はレベル4そして5、最後にレベル7とした。避難区域も「万一」のために3kmだったのが、しばらくしたら「万一」と10kmにして、そして次は20kmにした、どんどん後手後手の対策だった。

パニックを避けるの唯一の手段は、正確な情報を常に公開することだと私は思う。正確な情報を出せば政府が信頼を受けるのに、日本の行政は危機的な情報を隠してきた。SPEEDIという100億円、25年以上もかけたものすら、住民に隠していた。

現在も誰の責任か明確化せずに、労働者と住民に犠牲を強制している。労働者の被爆の限度を引き上げてしまったり、強制避難させる基準を現在の立法府が決めたことさえ変えて、引き上げてしまう。本当にこんなことをやっていていいのかと思う。

福島の原発事故の本当の被害を考えると、途方に暮れる。失われる土地は、もし日本の現在の法律を厳密に適用すれば、福島全域を放棄しないといけないかもしれない。それをさけようとするなら、被爆限度引き上げるしかなく、住民への被爆の強制に。一次産業はこれからものすごい苦難になる。商品が売れない。住民はふるさとを奪われる。東電がいくら賠償しても足りない、何度倒産してもたぶん足りない、日本国が倒産してもあがないきれない被害なのだ。本当に賠償するのなら。

最後に、ガンジーの7つの社会的な罪について。これは彼のお墓に碑文で残っています。理念なき政治(ここにいるみなさんに)、労働なき富、良心なき快楽、人格なき知識、道徳なき商業(東電など電力会社にこれが当てはまる)、人間性なき科学(原子力に加担してきたアカデミズムに問いたい)、献身なき崇拝(宗教をお持ちの方はこれを)、それぞれの立場で、この言葉をかみしめてほしい。
ーーーーーー
小出さん、どうもありがとうございます。
本当に、こんなことをやっていていいのか?
いいはずがないのです。
変えていきましょう。
日本のエネルギーの選択。
地震国に原発は無理です。止めましょう。

私が今最優先したいのは、次の世代=子ども、妊婦さん、これから子どもを作る世代(20〜30代以下の人)のいのちと健康を守ること。次世代の健康がそこなわれたら、いのちが奪われたら、後悔してもしきれません。

いのちがあれば、健康なら、やりなおしができます。どんなに大変でもなんとかなります。広島や長崎で孤児になった人びとも、歯を食いしばって生き延びています

妊婦と子ども連れ家族を、原発と地震のない沖縄に。「つなぐ光」を、応援してください(応援=情報を広める、寄付する、空き部屋を提供する、など)。



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2011/05/19

それでも地球は美しい

山本太郎さん、ありがとう。


フクイヨシカズさんがTwitterのダイレクトメッセージで送ってくれた映像。
http://vimeo.com/22439234
たった3分ですが、あまりに美しいので、分かち合いたくなりました。

ここ数日、福島原発のことの進展に落ち込んでいます。

3月11日に最初に「外部電源喪失」の報に接したときから、電源が回復して冷却できないかぎり、数時間で炉心がむき出しになり、溶融し、やがてメルトダウンすることはわかってはいました。

私が落ち込むのは、そんなところで今日も生身の人間が働いていることです。作業員とその家族のことです。「自分たちがやるしかない」と過酷な現場で作業を続けている人が、ついにいのちを落としました。

まだ始まったばかりです。9ヶ月ではとても収束しないでしょう。その間、どれだけの作業員がどれほど被曝するのでしょうか。

ある作業員は、たった14分の作業で3〜4ミリシーベルトもの被曝をしました。それほどの高レベル放射能汚染の中で毎日作業を続ける人の健康はどうなってしまうのでしょう。彼らはスーパーマンではなく人間で、誰かの夫であり、父親であり、息子です。

胸がつぶれそう・・・。

地震国で原発を動かし続けるという選択は、こういうことを許すことです。菅首相、安全が確認できたらまた原発を動かす、って、冗談じゃないです。地震がなくなるまで安全は確認できませんよ。

ここ数日は、twitterで他の人の発信を伝えるのが精一杯でした。

BE THE MEDIA(あなたが伝える人になる)、がモットーで、みんなにもそれを勧めてきたのに、自分の言葉でブログを書くことができませんでした。

昨日は福島から沖縄に避難したお母さんたちと話をしました。福島にいても、遠くに疎開しても、どこにいても、子どもにただ健康に幸せに育ってほしいと願うお母さんたち。

どういう選択をしても、心配と悲しみは、あまりに大きすぎます。

なんで地震国にこんなにたくさんの原発を作っちゃったのかな?狭い地震国で原発を作り、動かすことは、どう考えても合理的でさえないけれど。

日本に原発を持ち込んだ人が一番いけないよね。正力松太郎さんとか中曽根康弘さんとか。アメリカからの売り込みを、日本の政治家は止めなくてはいけなかったんだ。地震国で原発を動かせば、いつかはこうなることはわかっているじゃないか(『放射能で首都圏消滅』に詳しい)。

でも、その人たちはとっくに他界しているか、責任とれる立場にはない。だから、今、311を体験している大人たちが本気で止めよう。省エネもエネルギーシフトも進めてね。→おすすめイベント2つ(6月4日と26日@オリセン大ホール

それでも、こんなに美しい星に私たちは住んでいるんですね。

美しいものを見たり、美しい音楽を聞くと、固まっていた心がほぐれて、微笑みが戻ります。人間がつくったものの中にも、美しいものはたくさんあります。

でも、人間の中でも特に「先進国」と呼ばれる国々で大量消費をして生きている私たちは、海と空と大地をいろいろな化学物質と放射性物質でたくさん汚します。生物は化学物質や放射性物質をなかなか分解できません。放射性物質がほぼ無毒になるには、半減期の10倍の時を待てばいいのです。

でも私たちはせいぜい80年のいのち。何万年も待てません(プルトニウムの半減期は2万4千年)。

日本は今、海と空を放射性物質で汚しています。空にも海にも国境はありません。

この美しい地球に生きとし生けるものたち、すべての子どもたちに、これから生まれようとするいのちに、本当にごめんなさい。「ごめんなさい。許してください。ありがとう。愛している」のホ・オポノポノで放射性物質も消せたらいいのに。

もうこれ以上、地球を汚さない生き方をしたいです。私が生きるているところから、大地とのつながり、自然への畏敬が取り戻せるような生き方をしたいです。一番大量消費をしている国・アメリカで、そんなモデルをつくるのが次なる目標。

この土にも放射性物質が入っているかもしれないけれど、種を蒔き、苗を植え、収穫し、自然循環しないものは使わずに、いのちをつなぎたい。そんな生き方をしている日本と世界中の先駆者から学び、伝えていきたいです。

福島から西へ流れ続けている放射性物質は、ハワイも、北米西海岸も、東海岸も、ヨーロッパも、アジアも汚染し、もう地球を何度も巡りました。ハワイの牛乳からは基準値の400倍から2000倍の放射性物質が検出されました。でもみんな知らないので、気にせず飲んでいます。学校給食でも出ています。

海に放射性物質が流れ続けているので、太平洋の海産物にも徐々に放射性物質が生物濃縮していくでしょう。でもみんな知らないので、気にせず食べています。

年齢が高ければ、それほど影響はないでしょう。でも、子どもたちや胎児は大丈夫なのか、私は心配します。このまま放射性物質の漏洩が止まらなければ、福島のお母さんの心配は、やがて世界のお母さんの心配になるでしょう。

それでも地球は美しいです。
汚してしまって、本当にごめんなさい。

でも、今こうして生きている。無数のいのちのおかげで生かされているのだから、生きている間はやれることをやるだけですね。

『絶望こそが希望である』、と大好きなジョアンナ・メイシーが言いました。
絶望を希望に変えるのは、まず自分の心の中から。

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2011/05/14

大募集!東京平和映画祭のボランティア(5/18発送、6/26当日)

<速報>第8回東京平和映画祭の情報が公式HPに掲載されました。
http://www.peacefilm.net/home.html
ーーーーーー
2001年6月26日に第8回東京平和映画祭が開催されます。テーマは「原発のない世界はつくれる」です。第7回まで東京平和映画祭では911事件を取り上げてきましたが、今回は311原発震災にフォーカスです。
フライヤーはここをクリック(PDF 5.6 MB)すればダウンロードできます。

素敵なチラシが完成し東京ピースフィルム倶楽部の会員と関係者に発送を行いますが、人手が足りません。この日一日(そして、もし楽しかったらぜひ当日も!)でもいいので、ボランティアしませんか?

<チラシの発送作業>
日時:5月18日(水)13:00~18:00
場所:神楽坂SCAT

発送が終わったら、同じ場所で東京平和映画祭の会議もあります。もしボランティアとして映画祭にも参加してくださる方は、こちらへもどうぞ!
日時:5月18日(水)18:30~21:30
場所:神楽坂SCAT

参加希望者はメールでご連絡ください。追ってSCATの詳しい場所をお知らせします(このブログでボランティア募集の案内を観た、と書いてください)。
info@peacefilm.net

福島原発、白や灰色の煙がモクモク。
http://leakspinner.wordpress.com/2011/05/12/video-of-fukushima-daiichi-nuclear-power-plant-recorded-today-12-05-11/
放射能は海へ空へと広がり、呼吸や食物連鎖を通じてやがて私たちの体内に。この状況で私たちに何ができるのか、どう生きればいいのか、良いアイデアや出会いがたくさんある映画祭になると思います。

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2011/05/12

311から2ヶ月

最近の私への問合せが多いのは、食べ物の安全性について。もちろん産地によっても違う(原発に近いほど基本的には放射能汚染があるが、同心円ではない)けれど、基本的なことは「食物連鎖の上位のものほど、放射性物質(や化学物質)が濃縮されている」ということです。

ですから、子どもたちにはなるべく海草と野菜と米や雑穀などの穀物中心の食生活を心がけます。同時に濃い緑の野菜を増やしましょう。葉緑素には放射性物質を取り込んでも、それによって受ける害を小さくする働きがあるからです。この地球上で植物がみな緑なのはどうしてかご存知でしょう?あの色が太陽の強烈な放射線から植物自身を守っているのです。植物のそんなパワーをいただいて、私たちも内部被曝の影響を小さくしてしまいましょう。

ガイガーカウンターについてもお問い合わせをいただきました。私も今買おうとしていますが、どれも高いですね。安くて手頃なのがないかな、と捜していましたら、食品と暮らしの安全が推奨しているキーホルダー型のものをアマゾンで見つけました。

我が家のある南房総では3カ所(海側2カ所、山1カ所)で測定が行われ、安房マネーの間で情報が共有されています。このような活動と情報共有を地域ごとにやり、それをネットワークして全国マップなどを作る作業は今とても重要です。自分たちでできることは分担してやって、目に見えない放射能というものを目に見える(数値化する)ようにする、ということが。

それにしても、なんていう時代になってしまったのでしょう。明日は娘の誕生日ですが、出るのはため息ばかり。

それでも、私は生きているし、子どもたちも元気です。生きていて、住む場所があるだけでもありがたいですね。これが明日にも続くように、今できる対策はなんでもやっていこうと思います。

一番の対策は、地震国にある原発を古いものから順番に止める、ということです。偏西風が吹く日本では、西側から順番に止めないと、事故のときには意味がないですが。

全国の食品の放射線量については、ここに詳しいです。このサイトを管理している方に心から感謝いたします。

ハワイの牛乳に高濃度(400倍から2000倍)の放射能汚染が見つかり、オーガニックの牛乳の生産者たちが困難を強いられています。

日本と世界中の子どもたちよ、未来世代よ、ごめんなさい。


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2011/05/10

やっぱり「想定外」ではなかった福島原発の事故

これ、スクープもののニュースかも?!長年にわたって原発問題に取り組む「たんぽぽ舎」の山﨑久隆さんの情報です。

屋久島の星川淳さんがこのようにツイートしてくれています。
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これで東電「想定外」の言い訳は100%崩壊!http://bit.ly/jqbLxU原子力安全基盤機構報告書(H22年12月)要点→「(福島第一)津波が7mを超えれば100%の確率で炉心損傷へ」(図3.1、3.2など参照)
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<福島第一原発は「PSA報告」の想定通りに壊れました>
           
             山﨑久隆・たんぽぽ舎

 これまで東電社長などは「想定外の津波に襲われたから」とかなんとか言い逃れに汲々とし、なんとか賠償額を抑えようと必死の様子ですが、そう世の中甘くはありません。
 ちょうど米国のニューレグ1150と同様の確率論的安全評価(PSA)の手法を使った津波の影響評価がされており、とっくに一定の確立で炉心損傷することは分かっていたのです。

 福島第一原発の津波被災については、「平成21年度地震に係る確率論的安全評価手法の改良=BWRの事故シーケンスの試解析=」という表題の報告書に、地震や津波により原子炉炉心損傷が起きる確率の解析が載っています。
http://www.jnes.go.jp/content/000117490.pdf

 この中の「3.津波PSA の試解析」という部分が、今読んでも背筋が凍り付くことが書いてあります。

特に3-11にある「図3.2 津波時のイベントツリー」を見ると、海水ポンプの破壊でもう炉心損傷が起こりえることが示され、海水ポンプが機能しても全交流電源喪失が回復しなければRCIC(原子炉隔離時冷却系統)継続運転不能により炉心損傷に至ることが書かれています。まさに福島第一で起きたことがそのままです。

さらに3-8、3-9ページを見ると、「8時間以内の外部電源復帰」は津波波高が13メートルを超えたら「0.0」すなわち復帰の可能性ゼロと書かれています。

「図3.1 津波時の解析シナリオ」3-10ページは、今回の福島第一原発の運命を正確に記述していました。津波が海水ポンプを破壊し、さらに外部電源喪失に至った場合、もはや望みは絶たれていたと言うことを。

もうちょっと詳しく引用します。

「本解析条件のもとでは、津波の波高が一定値以上(防波堤の効果を考慮しない場合には約7m、考慮した場合には約15m)の場合に条件付炉心損傷確率がほぼ1.0 となり、炉心損傷頻度(相対値)は津波発生頻度(相対値)とほぼ同一となる。これは、それぞれのケースでこの波高を超えた場合に海水ポンプが機能喪失すると仮定していることによる。」

解析はたった一つの、実に簡単なことを書いています。津波波高が7メートルに達したら福島第一原発に望みは無かったのだと。そして実際に津波が来てしまったこと、そして波高が7メートルを超えていたこと。それが全てだったのです。防波堤の効果は、期待は出来ません。なぜならば福島第一の防波堤は5.7メートルしかなかったからです。7メートルを超えれば全て同じということになります。

この後、どのようにしすれば最悪のシナリオを脱することが出来るのかについては、この報告書には一切書かれていません。なぜならば、この報告書の任務では無かったからです。

東電は知っていました。このような事態になることを。そして最悪の事態を回避したいのであれば、別に外部電源を引き入れて、冷却ポンプを動かせば良いことも。そうしていればもしかしたら炉心は破壊されても大量の放射能放出は回避できたかもしれないのです。TMI(スリーマイル島)レベルで回避できたかもしれなかったのです。海や大地をこれほどまでに汚染せずに済んだかもしれないのです。

報告書が作成されたのは昨年12月でした。
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このブログでも書いてきましたが、今起きていることは決して想定外ではありません。地震学者の石橋教授も指摘していたし、『放射能で首都圏消滅』にも詳しく書かれています。

そして、浜岡原発を大地震が襲うのも想定外ではありません。止めてもすぐに止まらないのが原発です。電気を生まなくなったあとも、原発は外部の電気を使ってず〜と冷やし続けなくてはならないのです。これってスゴイ無駄で、しかも危険。

日本は自然エネルギーで国際競争力をつけられるよう社会の合意ができるといいな!



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2011/05/08

広瀬隆「日本と世界を滅ぼす原発震災~巨大地震におびえる日本列島」

以下は米国の政治ニュースサイト「Counter Punch」で既に発表された広瀬隆さんの記事です。日本語では本邦初公開!かもしれません。

ご本人からここで発表する許可を頂きましたので、私のブログの読者にいち早くお届けします。

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◆日本と世界を滅ぼす原発震災~巨大地震におびえる日本列島

  広瀬隆

○地震による原子力プラント破壊の危険性

 すでに深刻なまでに老朽化が進行している原子炉が、あたかもサイボーグのように部品を取り替えて運転を強行しているが、地震の活動期に入った日本で、いつ大事故を起こすかも知れないと、全国の人が大きな不安を抱きながら生活している。

多くの人がなぜ大事故をおそれるか。事故の可能性を最も高めると感じるのは、地震大国・日本における大地震の脅威である。

地震学者・地質学者たちが異口同音に語っているように、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)から、日本は戦後ほぼ半世紀にわたる地震の静穏期を終えて、地震の活動期に入っている。二〇〇四年には、新潟県の山古志村に大被害を与えた中越地震が起こった。三年後の二〇〇七年の中越沖地震では、ついに柏崎刈羽原発が大打撃を受けた。二〇〇八年には岩手・宮城内陸地震が起こり、山がまるごとひとつ消えるというおそろしいことが起こった。さらに二〇〇九年の駿河湾地震で、静岡県の浜岡原発が緊急事態となった。そして今回、二〇一一年の東北地方三陸沖地震……。しかもこの活動期は、これから数十年続くと見られている。地質学的に見れば十数年というのは、ほんの一瞬といっていい時間である。

私は、地球を覆っているプレートの中で最大の太平洋プレートが大きく動いているので、世界的に地震が続発するのではないかと予測していた。

巨大地震のJPG

その予感の通り、2009年8月に駿河湾地震が三つ子地震として起こると、翌9月~10月にかけて、サモア諸島沖地震、スマトラ島沖地震、バヌアツ近海地震がいずれもマグニチュード7・6~8・0の規模で起こった。兵庫県南部地震の3倍~11倍の大地震である。これらは図に示したように、いずれも太平洋プレートの動きが中心にあって、どれもがその作用を受けたプレート境界で発生した。翌2010年1月には、太平洋プレート~ココスプレートに押されたカリブプレート境界線上でハイチ地震が発生し、2月にチリ沖で発生した地震はマグニチュード8・8という、巨大なものであった。この地球的な連続地震がおさまってくれるよう祈っていたが、太平洋プレートの動きは、やみそうもなく、2011年3月11日の東北地方三陸沖地震が福島原発メルトダウンを招いた。

○六ヶ所再処理工場は大丈夫か

 日本全国すべての原発と六ヶ所再処理工場で、マグニチュード7から時には8クラスの巨大地震を起こす大断層が至近の距離に走っている。マグニチュード8の衝撃を受ければ、原子力プラントが無事であることは、ほとんどあり得ないことも分っている。

不幸にして、その代表が、目の前の海底大断層が六ヶ所村に上陸していることが明らかになった六ヶ所再処理工場である。日本全国から高レベル放射性廃棄物=死の灰を集めている青森県は、この太平洋プレートに直面して存在する北米プレート上の陸土である。つまり六ヶ所再処理工場にとって一番こわい目の前の海底プレートが、日本列島の下に深くもぐりこんで激動しているわけである。

六ヶ所再処理工場は、建設時に375ガルという低い耐震性しかなかった。現在でも、六ヶ所再処理工場の耐震性はいまだに450ガルにしか上げられていないが、最近の日本の

巨大地震のJPG

地震では、2000ガルを超えるような大地震が続発している。。さらに悪いことに、下北半島は、ほんの5000年前の縄文海進時代に、完全に海の底に水没していた超軟弱地帯であるから、地震が来れば一発でやられる危ない地帯である。(注記:ガル、あるいはガリレオは地震の際の加速度の単位で、人間や建物にかかる瞬間的な力の事。 地震動の加速度で一秒間にどれだけ速度が変化したか表す単位で、震度同様、同じ地震でも観測地点の位置によって違う値を示す。)
 
再処理工場は、全国から集めた使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出して、高レベル放射性廃液を分離する世界で最も危険な化学工場である。
 

巨大地震のJPG

しかもすでに高レベル放射性廃液が240立方メートルも貯蔵されてしまった。脅威となっているのは、この液体の管理に失敗すると、原子炉の大事故を上回る巨大カタストロフィーになるという危険性である。この廃液は、崩壊熱を出し続けるので、冷却し続けなければならない。しかし、大地震で冷却用の配管が破断して、あるいは電源系統が切断されて停電となり、冷却装置が完全に停止すると、液体が沸騰し始める。最後には爆発によって工場の周囲100キロメートルの範囲で、全住民が致死量の10倍から200倍の放射能を浴びて即死することが、西ドイツの原子力産業の解析で明らかになっている。

さらに2011年の東北地方三陸沖地震からほぼ一ヶ月後の4月7日に、大震災後で最大の余震が起こり、六ヶ所再処理工場でも、外部電源が遮断され、非常用電源でかろうじて核燃料貯蔵プールや高レベル放射性廃液の冷却を続けることができたという、日本消滅の一歩手前まで行った。 ところが日本のマスメディアは、その後も、平然として、以前と変らない。

○年々迫る東海大地震と、浜岡原発の危機

 静岡県の浜岡原発は、駿河湾でマグニチュード8クラスの巨大地震が起こると警告されていながら、とてつもない巨大地震の危険性と同居しながら、綱渡りの原子炉運転を続けてきた。

巨大地震のJPG

太平洋を中心にプレートの配置を見ると、「フィリピン海プレート」、巨大な「太平洋プレート」、「北米プレート」、「ユーラシアプレート」がこみあっているところ、上図の左上に日本がある。このプレート4枚がひしめき合う中心こそ、下図の静岡県御前崎で、だからこそ周期的に大地震が起こる場所だということがよく分る。

巨大地震のJPG

浜岡原発で最もおそれられているのは、下図のように、巨大地震の東海地震と南海地震がほぼ100~250年周期で起こってきた歴史の必然性を知っているからである。2011年現在は、安政東海大地震からすでに157年後にあたり、次の大地震の発生を「今か今か」と待っている不安な状態にある。

巨大地震のJPG

そして予測されている次の東海地震の想定震源域の中心(図中の×印)に、信じがたいことに浜岡原発がある。しかも海底の音波探査の図を見ると、もう30年前からユーラシア・プレートが大きくたわんで、今にもはねかえりそうな状態になっている。

巨大地震のJPG

巨大地震のJPG

今回のような津波が、日本の原発を襲った場合は、グラフのように日本全土の原発は すべて壊滅することが分っている。

「日本と世界を滅ぼす原発震災~巨大地震におびえる日本列島」v.2 - MS Word .doc フォマート 2.6 MB

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2011/05/04

もし「政治家の使命が国民の生命と財産を守ること」なら

「地震国に原子力発電所は無理」、ということはこのブログで何度も書いてきたし、発言してきました。311でそれが証明されてしまって、今の気持ちを表現する言葉をうまくみつけることができません。悲しみと忸怩たる思いと、それでも生きて行くしかない(子どもをなるべく被曝させずに育てて行くための方法を模索中)という現実と。

私の元には赤ちゃんを持つお母さんたちから相談のメールが届きます。母乳をあげながら毎日泣いている、というお母さん。何も知らないことで子どもを被曝させてしまったことに対する罪悪感を持つお母さん。避難をしたいけど家族や地域での責任があって離れられないと悩むお母さん。

どうか、田中優さんの講演を聴いてください。過酷な現実でもしっかり見つめれば、解決の糸口が見えてきます。現実から目をそらしていたら対策を間違えます。

確か菅首相も、歴代の首相も「政治家の使命は国民の生命と財産を守ること」と公言しています。もしそうなら、政治家のみなさん(国会議員だろうと都道府県や市町村議会の議員だろうと)は田中優さんの講演を聴いてください。
http://www.ustream.tv/recorded/14428383

そして、母乳をあげながら泣いているお母さんたち。ぜひ本当のことを知って、お母さん仲間に伝えてください。放射能のこと、原子力発電所のこと、自然エネルギーのこと。

311という未曾有の困難をきっかけに、日本は生まれ変わるのです。それができるかどうかは、私たち次第です。

もし「政治家の使命が国民の生命と財産を守ること」なら、地震国の原発を止めてください。子どものいのちを守るのが大人の責任なら、私たちが力を合わせて、地震国の原発を止めましょう。

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2011/05/03

速報:「子どもに“年20ミリシーベルト”」に世界中から抗議(プレスリリース)

詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.foejapan.org/infomation/news/110502.html
世界が日本の子どもたちのことを心配して観ています!

ガンダーセン博士の「3号機は核爆発だった」は日本のメディアはまだ取り上げていないのでは?



オーストラリアの小児科医のヘレン・カルディコットのNYタイムズへのop-edも秀逸です。
http://www.nytimes.com/2011/05/01/opinion/01caldicott.html?nl=todaysheadlines&emc=tha212

河野太郎議員は「戦時中に、子供たちは大勢、疎開した。つらいこともあったかもしれないが、命を考えれば、やむを得なかった。今回のことも、たしかに精神的につらいこともあるかもしれないが、将来の健康に被害が出かねないことを考えれば、疎開もやむを得ないのではないか。」と言っており、私も同感です。
ーーーーーー

【プレスリリース】
「子どもに“年20ミリシーベルト”」に世界中から抗議

1,074団体および53,193人(61カ国以上)からの撤回を求める声を提出
グリーン・アクション
グリーンピース・ジャパン
原子力資料情報室
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
国際環境NGO FoE Japan

本日、グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japanの6団体は、文部科学省が、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の暫定的目安として示した年20ミリシーベルトという基準を撤回するように求める緊急要請を、菅首相、髙木文部科学大臣等宛に提出した。本要請には、61カ国から、1,074団体および53,193人の電子署名が寄せられた。

要請は、本基準設定に当たって政府が示した「屋外で3.8マイクロシーベルト/時」とは、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量であること、年20ミリシーベルトは、ドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当することを指摘したうえで、これに強く抗議、①子どもに対する「年20ミリシーベルト」という基準を撤回すること、②子どもに対する「20ミリシーベルト」という基準で安全とした専門家の氏名を公表すること――を要請。市民団体グループは、政府に対し「この2項目の可否とともに、その理由を明らかにすること」を求めた。

この「20ミリシーベルト」に関しては、国際的にも強い懸念の声が上がっている。ノーベル賞も受賞した国際的な医師の団体Physicians for Social Responsibility(本部:ワシントン)は会見を開き、20ミリシーベルトという基準を日本政府が採用したことに憂慮を表明、許容される被曝量の基準を引き下げるように要請した(>別紙)。

また、ドイツのオットーハーグ放射線研究所のエドムント・レンクフェルダー氏は「明らかにがん発症の確率が高まる。基準設定により政府は法的には責任を逃れるが、道徳的には全くそうではない」とコメントしている(4月21日付ドイツシュピーゲル誌)。さらに、豪メルボルン大准教授 ティルマン・ラフ氏は、広く認められた科学的知見として健康への放射線のリスクは線量に比例することを指摘した上で、「親として、また医師として、福島の子供たちに、このような有害なレベルの放射線被ばくをさせることを許す決定は、われわれの子供と将来の世代を守る責任の放棄であり、受け入れられない」としている(共同通信4月26日付 ‘OPINION: Children of Fukushima need our protection’、>別紙)。

文部科学省によれば、「20ミリシーベルト」の根拠は、国際放射線防護委員会(ICRP)の「事故収束後の基準」としての1~20mSvを採用したもの。

今回要請をおこなった市民団体グループは、4月21日に文部科学省および原子力安全委員会、5月2日にはこれに加え厚生労働省と会合を持ったが、政府側からは、基準設定にあたり、子どもの感受性や内部被曝が考慮されなかった理由は示されなかったばかりか、原子力安全委員会におけるきわめてずさんな検討手続きも浮き彫りになった。
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私はもちろん、これを読んでいるみなさんも署名してくださったと思います。まだの方は、こちらで受け付けていますので、ぜひ!
http://www.foejapan.org/infomation/news/110425.html

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2011/05/02

911から311へ

CNNが突然「緊急ニュース」。何かと思いきや、オバマ大統領が出て来て、「米軍の特殊チームがオサマ・ビンラディンを殺し遺体を押収した」と発表。今、ニューヨークは「アメリカは対テロ戦争についに勝利した!」という戦勝気分で、多くの若者たちがグランドゼロに集まっています。

時事のニュースはこれ→http://bit.ly/ipkDPq

このブログを読んでいる方はご存知の通り、私はそもそも911事件の米国政府発表を信じていません。アメリカ人は本当に今までビンラディンが生きていて、たった今、米軍により殺され、これでテロがなくなる(親分がいなくなったから)とでも本気で思っているのでしょうか?

このニュースに接した私の感想は「そのビンラディンは本物なのか?」です。

ビンラディンが本物かどうか、という点については映画『ZERO:9/11』でも取り上げていますので、各自が考えてくださればいいと思います。アメリカでは勧善懲悪的な物語が好まれる傾向があるのですが、それはこの国の危ういところだと思います。

私は暴力はするのもされるもイヤだし、まして暴力でいのちを奪うのは許容できません。テロも戦争もなくしていきたいです。暴力に頼らなくても、いろいろな紛争が解決できるようになりたいので、平和省をつくる取り組みや、NVC(非暴力コミュニケーション)や東京平和映画祭など、いろいろ試行錯誤中です。

仮に「オサマが死んだ」ことで唯一良いことがあるとすれば、これで、米軍が堂々と撤退できることです。オサマを殺して、対テロ戦争を「勝利」に導いたオバマ大統領は、きっとまた人気が復活するでしょうし、この状態で米軍が撤退することは、多くのアメリカ人に受け入れられるでしょう。

さて、私の心・体・頭はすでに911から311へとシフトしています。空気や水や大地や食べ物や母乳に望んでもいない放射性物質が入っているということは、いのちへの暴力です。

311は私や子どもたちと北半球に暮らす人々のいのちに直結していて、悠長なことは言ってられません。今年は911の10周年なので、いろいろな計画はあったのですが、今は自分たちの身に差し迫った地震と原発(放射能)、子どもたちにできるだけ被曝をさせないことに全力投球です。

一つみなさんにお願い&ご相談があります。

「原発は電気エネルギーの30%を賄っている(から原発を止めるわけにはいかない)」と聞いたことがあるでしょう?(本当は18%ぐらいなのですが)

電力会社の言うことを聞いて仮に30%だとして、じゃあ、私たちが30%の節約をしたら、電力会社は原発を止めてくれるでしょうか?「電気もたくさん使いたい、でも原発はいや」では、電力会社も困ってしまうと思います。だから、私たちは今から30%節約をして、その上で、電力会社に脱原発をお願いするという、私やあなたの意思表示のキャンペーンをこの夏のピーク時(真夏の午後が電力消費量のピーク)に向けてやりたいな、と思っています。

何かいいスローガン、方法などがありましたら、コメントで投稿してください。

ちなみに我が家は15アンペアで暮らしています(ので、使用電力は既に節約が難しいほど少ない)。普通の家庭は30〜100アンペアぐらいなので、契約アンペアを下げるだけで節電になります。15アンペアはさすがに少なすぎるかもしれませんが、20アンペアなら結構やっていけますし、ぐんと電気代も下がるのでおすすめです。

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2011/05/01

低レベル放射線と健康

先日、岡山に行ったときにロビン&ソフィアご夫妻(といっても日本人夫婦)を訪ねたのですが、そのとき、ロビンが撮ってくれたインタビューがYou Tubeにアップされました。10分ずつになっていますので、お時間と興味のある方はどうぞ〜

~子供たちを守りたい~どうなってる!? 福島原発と放射能汚染




さて、文科省が福島県内の小中学校の放射線の基準値を「年間20ミリシーベルト」というこれまでの20倍という高い放射線量にしたことで、さまざまな団体や個人が政府や関係者に撤回させるように声を上げています。

でも、今、この瞬間も福島にいる子どもたちは被曝し続けています。子どもたちは、保護者たちは、先生たちは、教育委員会の人たちは、どんな気持ちでいるのでしょう。

「20ミリシーベルト/年」の被曝は子どもには過酷すぎます。このことに抗議して辞任した内閣官房参与・小佐古敏荘氏の会見を観て、資料を読んでください。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20110430-00000450-fnn-pol
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html

私の元にも、子どもの健康を心配するお母さんたちから、たくさんのメールが届いています。

「幼いものほど放射線の感受性が高い」、という原則に照らして、自分の良心と直感に従って行動してください。「精神的感受性」(ほんの微量の放射能でも不安な人もいるし、かなり高い線量でも気にしない人もいます)は人によって違うし、実際の体(健康)への感受性も個体差があります。

放射線の影響は「これだけ浴びたら、必ずこうなる」、というのではなく、あくまで確率的影響しか言えないし、しかも実際病気になったとしても、それが福島原発からの放射能が原因である、と証明することはまず不可能です。

この前のブログでは「チェルノブイリ25年目」の映像を紹介しましたが、チェルノブイリ20年目にもこんな番組がありました。







この番組の5年後に、日本がこんなことになるとは・・・。

目に見えない、ニオイもしない、痛くも痒くもない放射能について体感するのは、本当に難しい。だからこそ、私たちはチェルノブイリの教訓に学ぶ必要があります。

地震国である日本に、こんなにたくさん原発が建設され、311以降も稼働しているのは、放射線のこの性質(見えない、におわない、痛くもかゆくもない)の影響が大きいと思います。もし、放射線が突き刺さるように痛かったら、あるいは臭かったら、原発はすぐに止まっていたでしょう。

今、私たちは他人の痛みを自分のものにできるかどうか、その想像力がどれぐらいあるのか、試されていると思います。私がもし神さまだったら、放射性物質を一瞬で無害化してしまいたいです。それができないので、脱原発/自然エネルギー推進をしながら、少しでも免疫をあげ、元気に生き抜く方法をご縁の方に分かち合っていくつもりです。

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