今後、「国防軍」創設をうたう安倍総裁の自民党が過半数の議席を獲得し、日本維新の会なども含めた改憲派が衆議院の3分の2以上を占めるので、改憲の是非を問う国民投票の発議ができるようになります。9条改憲が現実化してくる可能性が高いです(もちろん、私は平和憲法の実現とそれを世界に広めたいので、そのための活動をしますが)。
原発を再稼働したり、原発を推進する政策も心配です。
これまでの首相官邸前の抗議行動は継続するだけではなく、その他の反原発・脱原発運動を強化する必要があります。私たち一人一人の小さい声を、大きな声に結集する知恵と工夫がほしいところです。
私は以前から民意を反映しない小選挙区制には反対でした。北欧のような完全比例代表制のほうが死票が少なく民意を忠実に反映し、少数意見が尊重されます。たとえば、今回8%の得票率だった共産党は、比例制ならば38議席ぐらいとれたはずです。
自民党大勝の主要因は小選挙区における当選です。「政権が安定する」ということで導入された小選挙区制が前回は民主党を圧勝させ、今回は自民党を圧勝させたのです。
小選挙区制は政権が安定するのではなく、むしろ、選挙の度に議席配分や政権がガラリと変わることが証明されました。
それにしても、今日の読売新聞の社説は、興味深いです。
保守的な読売が「選挙制度改革は急務だ」と言っているのです。(以下、一部転載)
「それにしても郵政解散の2005年衆院選、政権交代が起きた09年、そして今回と、獲得議席に振れの大きさに驚かせる。政党の得票率以上に議席数に差が出るのが小選挙区制の特徴だとしても、このままの制度でよいのかという思いを禁じえない。
毎回大量の議員が入れ替わるようでは政治が不安定になり、政治主導も発揮しにくい。外交力が弱まるという弊害もある。
今回の衆院選は、最高裁が指摘した「違憲状態」のまま実施された
ことも、忘れてはならない。
民自公3党は、来年の通常国会で衆院選挙制度の抜本的見直しと定数削減について、必要な法整備を行うことを合意している。
現行の小選挙区比例代表並立制の問題点を洗い出し、中選挙区制の復活も含めて、抜本改革に踏み切る必要がある。それが日本の政治を立て直す道であろう。」
ーーー転載ここまで。
ただ「定数削減」は要注意です。経費削減を言うならば、議員歳費を削減すれば良いのです。議員定数を削減することは民意の反映を損ない、大政党、現職有利に働きますし、少数政党や市民の政治参加の機会を狭めます。
それにしても、今回一番喜んでいるのは、霞ヶ関の官僚たちではないでしょうか。ますます日本は官僚支配が強まるでしょうね。
「定数削減」の名の下に、比例定数を削減し、民意をゆがめる小選挙区制をより強化しようとすることを許さないように、しっかり見て、発言する必要があります。
こんなときに、とてもタイムリーな企画「ダブル選挙後の政局はどうなるのか?」と題する政治討論集会が、今週木曜日に開催されます。
政治討論集会「ダブル選挙後の政局はどうなるのか?」
「ダブル選挙後の政局はどうなるか」協賛メッセージ 2012/12/20 『週刊金曜日』発行人 北村 肇
小選挙区制さえ導入すれば二大政党制になる。そうなれば政治は安定する――。
結果はどうだったのでしょう。皮肉にも少数議員の政党が次々と誕生。政治は安定化
どころか混迷を極めるばかり。もともと、ポピュリズム政治家が横行したのも小選挙区 制のなせるわざと言われます。日々、次の選挙のことを考えざるをえず、長い目と深
い思索で社会の未来を見極めることが不可能だからです。 来年もまた「選挙の年」になります。「中選挙区に戻したい」と願っている国会議員は
かなりいるはずです。永田町が混乱すればするほど、私たち有権者の活動により小選挙区制を葬る道が開けます。来年が勝負の年ではないでしょうか。 シンポジウムの成功を祈念いたします。
|
0 件のコメント:
コメントを投稿