2005/03/10

東京大空襲から60年

3月10日。60年前の今日、真夜中の0:07~2時間半の間にに、東京下町を中心に10万人も焼夷弾で焼き殺された東京大空襲の日。私の父はそのときの生き残り。死体だらけの川を泳いで渡って、なんとか生き延びたときのことを何度か話してくれたことがあります。もう二度と戦争はいやだ、が口癖だったな。その父も亡くなり、当時やはり東京から疎開していた母も今は入院中。あまり親子で戦争の話はしません。でも母は私がやっていることは理解してくれていて、「『戦争中毒』が売れてよかったね」なんてときどき言ってくれます。15年前、米銀を辞めるときは猛反対した母だったけれど。

今日から9月11日まで全国各地で「ピースリレー」が展開します。私も参加者の一人として、映画『911ボーイングを捜せ』をリレーして全国各地を歩きます。どこにいても、誰でも参加できるピースリレーについてはこちらから:
PEACE RELAY/ピースリレー 100本の道 : www.peacerelay.net

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今、沖縄にいてなんともいえない悲しみを感じています。今日はおもろまち(「おもろ」は神の歌、という意味の沖縄の言葉)というところに、千葉県知事選挙の不在者投票をしに行ってきたのですが、そこはかつて米軍住宅だった広大な敷地です。そこに那覇の新都心か建設され、新しいマンションやショッピングモールなどの開発ラッシュで、どんどんコンクリートの塊がアメーバーのように増殖していっています。沖縄には豊かな森があったでしょう。豊かな海があったでしょう。でも今はコンクリートジャングル。那覇は大都会で緑が少ないです。渋滞と車の排気ガスが酷くて私の住んでいる首里のあたりでは、歩いていると息が苦しい。東京の環七沿いに住んでいたときも、こんなに空気は悪くなかったかも。本当に朝早くから夜まで一日中渋滞していますから。

公共工事にみんなが群がって、なんとか仕事をもらって生きている、でも他にどうすればいいんだ、というような・・・・それが痛々しくて、悲しみを感じます。アメリカが第三世界に対してやってきたことを、日本はこうやって地方にやっているんだ。結局儲かるのは一部の建設会社だけで、ふるさとの自然は失われ、地方に残される巨大な負債。今読んでいる本“Economic Hit Man”(日本語訳が出てますか?)には、この経済仕掛け人(Economic Hit Man) が、どうやって第三世界に無理やり金を貸し、巨大公共事業をやらせて、絶対に返済できない巨額の借金を負わせて財政破綻させ、その国を米国の支配下に置くかが描かれています。これで殆どの第三世界の政府はアメリカや多国籍企業のいいなりになります。

それでもいいなりにならないときはCIAを送って政権を覆し(映画『テロリストは誰?』に描かれている)、それでもだめなときには戦争(いまのアフガニスタンやイラクが良い例)、というわけです。日本でもアジアに対して同じようなことをしているし、中央政府は地方に同じようなことをやっている。経済的に弱いところは強いところの言いなりになるしかない、という構図。

お金の流れを変えればいい、とずっと思ってきたけれど、その前に人々の価値観や意識が変わらないことには、やはり何も変わらないですね。そして人の価値観を変えるのは難しい。変えることができるのは結局自分自身だけ。人に気づくチャンスを与えることができる場合はあるけれど。私たちはいつも人と関係しあい、影響しあって生きていますからね。

私もそうだったけど、自分が自ら気づいたときに初めて変わることができます。そして気づきは大きな感動(やショックもだ)があったときに起こりやすい。だから、感動的な体験を重ねることが一番変革への近道なんだなあ、結局。だから、わくわくすることをどんどんやろう、みんな!

昨日とおとといは今帰仁(なきじん)村にて、「島プロジェクト」という活動を通して、全国各地から集まった若者たちと今帰仁村の女性たち25人ぐらいに『911ボーイングを捜せ』を観てもらいました。そこでは若者たちがまったく新しいコミュニティーを創りはじめていました。殆どモノを持たずに、それぞれの才能を生かしあい、支えあい、畑で作物を育て、満天の星空の下で夢を語らいながら、共同生活を送っていました。「島プロジェクト」に興味のある人は彼らのサイトを見てください。私が若くて独身だったら、迷わず参加していただろうな。http://www.shimapro.com

ここに私を呼んでくれた斉藤真紀さんとのつながりは、沖縄・地球村の辻さんから。真紀さんが持っていた本がどれもおもしろく、特にアメリカで無料の病院をやっていた医者・パッチ・アダムスの本は滞在中に一気に読ませてもらいました。パッチの魅力がいっぱいで、彼のメッセージにはたくさんの生きるヒントがありました。

心に残った言葉は(本がここにないので正確ではありませんが)
「批判じゃ何も変わらない。それよりまったく違ったやり方で何かを始めよう。建設的提案だけを言おうう」
「あなたが戦争や暴力に反対だったら、愛と思いやりを常に実践する」
「まずあなたが喜びいっぱいに、幸せに生きよう。喜びであふれている人は暴力なんてふるわない」
「与えつくす、そして見返りは求めない」
「死ぬまでは生きているんだから、やりたいことをやろう」

ガンジーやマザー・テレサにも通じるものがあります。本のタイトルは(たぶん)『パッチ・アダムス 今あなたに伝えたいこと』主婦の友社だったと思います。私も買おう。枕元に置いて、いつでも読み返す本になりそう。

今日はこれから沖縄の「ゆいまーる」というグループで上映会です。映画『チベットチベット』の金森太郎監督と一緒にいってきます。毎晩上映会が入っているのはとてもうれしいのだけど、なかなか夜の街で米兵たちに会う時間がとれないなあ。

驚いたことに、森田ゆりさんがもうすぐ沖縄にやってくるのを発見。NPO法人のおきなわCAPセンターが「森田ゆり 子育て・人権講演会」を企画しているの。何とうれしい偶然(はないのだけど)!CAP(子どもへの暴力防止)を教えるためだって。さあ、また彼女といろんな作戦を練らなくっちゃ。

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