素晴らしかった教育基本法(内容を知らない人は、『11の約束』のご一読をおすすめします)が、与党の強行採決で変えられてしまいました。一番大きな変化は、子どものためだった教育が国家のための教育に書き換えられたこと。中には愛国心を評価の対象にする恐ろしい内容が盛り込まれています。戦前に逆戻りしている日本!千葉県の高校の先生たちの抗議声明を、このブログの後半に転載します。
防衛庁も防衛省になってしまい、これからは海外へ自衛隊(おっと、自衛軍、あるいは日本軍か!)が米軍の手足となってどんどん出て行くでしょう。イラクのような事態が恒久化していくのです。そう国内向けには「復興支援」と説明されますが、もちろん米軍支援です。
それで、とってもがっくり来ていたのですが、そんな私を元気づける1冊の本が届きました。私も20人の著者の1人です。タイトルは『どうして勉強するの、お母さん?』(ほんの木、税込み1365円)。(DMをくだされば送料込み1500円で送りますよ)。
子どもをお持ちの人なら、「どきり」とするこんな質問を受けたことがあるかもしれないですね。なかなかうまく答えられなかったり・・・。私も迷いながら原稿を書きました。正解はもちろんないと思います。
でも、各界で活躍する20人の執筆者のそれぞれの答えは、読みごたえがありました。教育書でもありますが、人生の指針やヒントといえる言葉がびっしりの本です。
私の友人たちも、沢山でてきます。著者陣は、イルカさん、大村祐子さん、鎌田みのるさん、神田香織さん、きくちゆみ、草柳孝好さん、熊谷博子さん、斎藤貴男さん、汐見稔幸さん、下村健一さん、はせくらみゆきさん、秦理絵子さん、日野雄策さん、藤村亜希さん、古川明男さん、星川淳さん、南研子さん、宮本延春さん、柳田耕一さん、リリヒテルズ直子さんの20人。なんと、この中で12人はお友達や知り合いです。世界は狭い?、いや、私の交友関係は広い?というべきかな。
もちろん、学校は勉強のためにだけあるんじゃない。でも、あなたならどう答えますか?あなたの人生をより豊かにするために、この本を役立ててほしいです。
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千葉高教組メール速報No.58 2005/12/18
千葉高教組抗議声明
12月15日、参議院本会議において改悪教育基本法が強行採決されてしまいました。当日、千葉高教組は、座り込み行動から20人近くが参加し、国会前での闘いに奮闘しました。採決が報じられた直後の国会前集会は、怒りの抗議集会となりました。共謀罪に反対する闘いからずっと国会前でハンガーストライキで闘ってきた高退教のSさんは、集会の中で「ファッショ的な手法は許されない。安倍の祖父の岸も60年安保の時に同じことをやった。安倍に言っておきたいことが2つある。第一は、岸内閣はその後倒れた。第二に、当時私は国会前にいた。そして今も私はこうして国会前で闘っている。闘いは継続される」。大いに励まされる発言でした。私たちの闘いは確かに継続する。
以下、抗議声明です。
教育基本法「改正」法案の強行採決に抗議する(声明)
本日(12月15日)、自民・公明両党は、国民世論を踏みにじり、生徒・教職員の悲痛な叫びを無視して、参議院本会議において、教育基本法「改正」法案を強行採決しました。私たちは、この自民・公明両党による憲法違反の暴挙を断じて認めません。
この「改正」法案は、タウンミーティングで、「やらせ」質問をさせ、あたかも世論が支持しているかのような偽装をした上で、国会で審議されていました。政府自身も認めている「世論誘導」をした上での政府法案は、法案としての資格もないものです。「世論誘導」を認めた時点で撤回するべき法案でした。こうした法案を撤回もせず、強行採決したことは、国民を愚弄するものです。
そもそも教育基本法は憲法と一体の理念法であり、国会議員の数のみによって変えられる性質のものではありません。教育を支える基本的な理念を謳った法律であり、広く国民・市民、教育関係者、学者・研究者の意見を聞き、教育に関する学問研究を踏まえて議論するべきものです。政治の課題として国会で議論し、国会議員の数の力で変えてよいものではありません。政府、国会がするべきことは、教育基本法第10条に基づき、教育条件の整備をいかにすすめるのかを論じ、具体的に実践するべきなのです。今回の強行採決はまさしく憲法違反の暴挙といえます。
今、学校では生徒・教職員が競争に駆り立てられ、評価にがんじがらめに縛られ、協力・協調の人間関係を断ち切られる事態が生まれています。そうした中で、いじめ・自死、未履修問題が表面化してきています。今回の教育基本法政府法案は、こうした事態を改善するものではなく、教育の場に一層の競争を持ち込み、教育の格差を拡大するものであり、教育の矛盾を一層深刻化させるものです。また、政府法案では、20項目もの徳目を国家的な教育目標として設定し、この中に「国を愛する態度」を定めています。「国を愛する態度」を目標として設定し、これを評価することが、子どもたちの叫びに応えることにならないことは明らかです。
教育基本法は、戦前の教育勅語に基づく「お国のために命を捧げる」教育が、悲惨で無謀な太平洋戦争を引き起こした反省にたって制定されたものです。国のための教育から子ども一人ひとりのための教育に大きく転換させたものです。今回の「改正」法案は、これを再び逆転させて時の政府が教育に介入する道筋を作るものです。
各種世論調査の結果においても、今、教育基本法を変えることに賛成する意見は、極めて少数にすぎません。国会議員の数で強行することは、世論がけっして許しません。
私たちは参議院本会議での強行採決に強く抗議すると共に、今後とも「教え子を再び戦場に送らない」ために、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を愛し、平和的な国家及び社会の形成者の育成をめざして、民主教育の伸張をはかり、日本国憲法を守りぬく決意を明らかにします。
2006年12月15日
千葉県高等学校教職員組合
中央執行委員長 佐久間美弥子
千葉高教組
1 件のコメント:
教基法改悪反対運動の「総括」をメモしてみました.よろしければ・・・.
転進? ─ 教基法敗北に際して ─
http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2006-12-17-1
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