2007/12/04

大阪の充実した一日

12月3日は「感動塾」で講演するために大阪入りが決まっていましたが、奈良の「虹のまつり」でたまたまブースが隣だった「地球村」の江端さんから、高木善之さんとの対談をもちかけられ、講演の前に地球村の事務所で対談をすることになりました。

高木善さんの JPG

高木さんはわたしがOLを辞めて環境問題の解決をライフワークとした頃からずっとわたしのことを知っている数少ない人のひとりですが、このように対談するのは始めてです。

前日の東京ピースフィルム倶楽部のイベントが終わって一旦鴨川まで戻っていたので、新幹線ではとても間に合わないので、飛行機で伊丹空港へ。そして約束の時間の30分前に大阪駅到着。「おっちょこちょい」ぶりでは誰にも負けない(?)わたしですが、この日も地球村への地図を家に忘れて、結局事務局の江幡さんに新阪急ホテルまでお迎えにきてもらいました。

地球村の事務所では10名以上のスタッフが忙しく働いていました。これだけの大きな事務所とスタッフを維持できる環境NGOは多くありません。高木さんの非対立(非暴力をさらに越える概念だそう)の姿勢が多くの人に共感されているからなのででしょう。

対談の2時間はあっという間に過ぎ、有意義で楽しい時間でした。彼から学んだことで、誰にでも役立つことを一つ共有しておきます。(対談は後日、「地球村通信」に載るので、お楽しみに)

虹の天使』という小冊子(一冊250円で地球村出版で購入できます)にも掲載されている『あなたはカメラを何台持っていますか?』というものです。以下、要点のみ引用します。
ーーー

あなたはカメラを何台もっていますか?
カメラとは視点のこと。

たとえば、テレビ局では3台のカメラがあり、映像に変化を持たせ、死角を作らないために、正面と左右から撮影します。そのことを参考にして、読んでください。

高木善さんの JPG

1カメは自分の視点。自分の目では自分の思い込みが邪魔をして、事実をあるがままに見ることができません。殆どの人は1カメしか持っていません。思い過ごし、勘違い、トラブルの原因になります。

2カメは相手の視点。相手の立場にたって自分を眺めてみると、驚く程相手の気持ちがわかるようになります。2カメでトラブルのほとんどは避けられます。

3カメは第3者の客観的視点。距離をとってながめてみると、つまらないことで争っていることがわかります。全体がよく見えて、問題が解決します。

4カメは過去から見るカメラ。過去はどうだったか、伝統的知恵、歴史観、自然界はどうなっているか、という視点。この視点があると、現状の不自然さやおかしさがわかります。

5カメは未来から見るカメラ。このまま進めばどうなるか、未来はどうあるべきか、という科学者の視点。5カメで未来予測の力がつき、最悪の事態を予測することで、問題解決ができます。

世の中のトラブルのほとんどは、1カメしかないことが原因です。2カメがあればトラブルは大幅に減り、3カメがあれば問題解決がしやすくなります。多くの人に影響を与える立場の人は、4カメ、5カメが欠かせません。

さあ、あなたにカメラはいくつ?
ーーーーーーーーーーーー
高木さんとの対談を終えてから、江端さんと岡田さん(『戦争中毒』翻訳者のひとり)と田北さんと4人で虹のまつりの主催者の南ぬ風人(パイヌカジピトゥ)まーちゃんを訪ねました。

Osaka JPG


思えば、わたしが高木さんと対談することになったのも、まーちゃんが『虹のまつり』でトークライブをするように声をかけてくれたから。虹のまつりでは本当に素晴らしい出合いをたくさんいただき、平和の種がたくさんまかれました。まーちゃん、ありがとうね。

遅いランチは田北ますみさんご推薦の「レコッコレ」という自然食ワインバーへ。

Osaka JPG


ここは30歳になったばかりの横田朋美さんがシェフ&経営者なのですが、使っているお野菜のほとんどを彼女の弟とその仲間たちが無農薬で育てていて、その新鮮さと美味しさは格別。

この日いただいたのは、水菜とキクイモのサラダ、ごぼうとにんじんのきんぴら、紫芋と金時芋とひよこ豆の味噌マヨ和え、玄米カッパ寿司(まんまるのかわゆいお寿司)、里芋の煮物、大根とタマネギの炒め煮、穀物コーヒー。どれもシンプルなお料理なのですが、おいしくておいしくて、全身が喜んでいるのがわかりました。

「レコッコレ」はフランス語で「かわいがる」とか「(赤ちゃんなどを)あやす」、という意味だとか。若い女将はフランスに1年半住んた経験があり、料理のセンスの良さはそのあたりにも秘密がありそう。このお店がたくさんの人に愛されますように。

場所は地下鉄の本町駅16番出口をでてすぐの船場センタービル10号館地下1階。ランチとディナーの営業で、午後3時から5時と日曜日はクローズ。電話番号06-6245-5566。あなたもわたしも地球の一部。オーガニックベジタリアンの食事はからだの中も外(肌とか)もきれいにするし、心も安らかになるし(ジャンクを食べると荒れて、キレル)、地球の環境や平和を守ることにもつながっています。せっかく外食をするのなら、こういう場所を選びたいですね。

お腹いっぱい、幸せな気分で中之島公会堂へ。いよいよ感動塾での講演です。

Osaka JPG


最初プロジェクターの使い方がよくわからずに助っ人ダミアンに電話。いつもながら的確なアドバイスで、開会時間30秒前に準備ができました。ありがとう。

この日は、わたしが米銀を辞めるきっかけとなったベリーズの熱帯林との出会いからお話をしました。わたしが熱帯林問題に目覚めた当初は、本を読んで知識ばかり詰め込み、何も実践しないし、行動も変えない人でした。職場から戻るともう夜遅くて疲れているし、何をしていいかもわからなかったのです。

それを変えたのが、アースデイを提唱したデニス・ヘイズさんとの出会いでした。「環境問題は考えていてもだめ、行動から」、と言われたときは頭を殴られた感じがしました。

彼の講演を聞いたその晩、わたしは初めて「ベリーズの森を守るために自分ができることをする。まずは自分の不要品をガレージセールで売って、そのお金で森を買い取り、自然保護区を作る」という決意を手紙にかいて、友人たちに送りました。最後に「あなたが不要品をお持ちでしたら送ってください」と書き添えて。

するとまもなく、最初は友人たち、しまいには日本全国から不要品の段ボールが届き、さらには現金書留まで届きはじめたのです。週末には狭い我が家でガレージセールをして不要品を売り、その売り上げと多くの人の寄付が、やがてベリーズにモンキーベイ自然保護区を誕生させます。同時にキャリアウーマンを目指していたわたしを「環境活動家」、さらには「環境平和活動家」へと変身させました。

17年経って振り返ると、わたしのしてきたことは小さなことの積み重ねの連続でした。いいと思ったらすぐ実行する(間違いに気付いたらすぐやめる)、誠実に対応する、ベストを尽くす、など、そのときそのとき、できることを続けてきただけです。心をこめて一歩一歩歩いて、ずいぶん遠くまできました。

結婚して4人の子どもを授かったわたしには、彼らが生きていける地球を手渡す責任があります。戦争と環境破壊でズタズタの地球を手渡したくありません。だから、今日も地球の一部である自分自身を大切にしながら、自分にできることをひとつ、またひとつと重ねていきます。

「感動塾」の参加者の中には、ショッキングな現実や映像で驚かれた方もいるかもしれませんが、今わたしが一番伝えたいことは、一人一人が伝い手(メディア)になることの大切さです。今人類は「進歩や快適や経済成長」を目指すベルトコンベアに乗せられて破滅へまっしぐらです。有限の地球で無限の経済成長はできません。

方向を変えましょう。ベルトコンベアから降りて、食べ物やエネルギーを少しでも自給しましょう。今ならまだできることは、たくさんあります。

環境を守ることと平和を創ることは車の両輪です。戦争をしながら環境は守れません。911事件の真相究明も含め、事実を知る勇気を持ち、そしてこれからもずっとこの地球で多種多様ないのちが続いていくように、より賢明な選択をしていきたいですね。

わたしを大阪に呼んでくださった感動塾の重藤さん、ありがとうございました。おかげさまで充実した一日でした。
(東京へ向かう新幹線の中で)

*あなたの応援が私に勇気をくれます。クリックをありがとう。


ーーーーーーーーーーーーー
さっき東京から岡山に着いたら、高木さんからメールが入っていたので、紹介します。

きくちゆみさん
『地球村』の高木善之です。
ブログ拝見しました。
きのうは、『地球村』の事務局に来ていただいてありがとう。
『地球村通信』のスペシャル対談をさせていただきました。
来年3月掲載予定です。

初対面はリオサミットでしたから15年前。
あのとき野球帽のようなサンバイザーをかぶった
「やんちゃなお嬢さん」だったあなたが、
いまは平和の分野でこんなに大きな活躍をされていて感動しました。

自然の暮らし、未来の食事、自然分娩、アメリカ大統領選挙、
「9.11の真相」「テロリストを探せ」「安全な食とは」
いろんな切り口で、あなたは平和を訴えていますね。

私がこの26年間やってきたことと多くの共通点があります。
いま、あなたはすべての国に「国防省」「防衛省」ではなく、
「平和省」を作ろうということに力を入れているんだね。
私は、『地球市民連合』を作りたいと思っています。
ぜひ、力を合わせていきましょう。

きのうは、久々に中央公会堂であなたの講演を拝聴しました。
とてもよかったです。

「9.11」について、知らない方が驚いていましたね。
交流会は、いかがでしたか。
私は、本書きの宿題があって参加できませんでした・・・(^_^;)
また、お会いしましょう。いつも応援しています。

*あなたの応援が私に勇気をくれます。クリックをありがとう。

0 件のコメント: