2007/12/14

沼津で初講演/わたしの夢と大庭里美さんの遺作

朝、早起きして新幹線で東京へ向か車中でこれを書いています。今朝は雲一つない青空の中に雪化粧した富士山がくっきり。沼津の人はいつもこんな近くで見ているのですね。千葉からはたまに遠く霞む富士山を見ることができますが、こんな近くで接することができるのはいいなあ。富士山って、何度見ても惚れ惚れします。

昨夜は沼津で「オリーブジャム」の平和の集いがありました。命名したのは弁護士の萩原繁之さん。平和の象徴オリーブと、ジャムセッションのジャム。毎年12月8日のパールハーバーの日にあわせて、二度と戦争を繰り返さないために、音楽とお話の集いを持っているそうです。

会場の沼津市民文化会館は、とても立派なホールでした。わたしが到着するともう大勢のスタッフが手慣れた様子で受付や物販の準備をしていました。

日本大学の国際関係学部所属のビッグバンドのJPG

日大のビッグバンド


前半は日本大学の国際関係学部所属のビッグバンド。久しぶりの生演奏を堪能しました。トランペットやトロンボーンの金管楽器に女性が多いので、時代は変わったなあ(わたしの頃は、金管は男性、女性は木管と決まっていた)、としみじみ。演奏が終わると思わずアンコール!と叫んでいました。アンコールを用意してなかったので、最初に演奏した曲をもう一度やってくれました。わたしは中学のときはブラスバンド、高校・大学ではオーケストラでフルートを演奏していたので、なつかしかったなあ。

後半はわたしの講演で、主催者の高安さんが用意してくれた演題は「平和の創り方」。メディアが伝えないことを知ることの大切さ(特に戦争している国の政府とメディアは「不都合な真実」を隠す傾向有り)を中心に伝えました。「マスコミが悪いと批判をするより、自分がメディアになろう」と、わたしがグローバルピースキャンペーンの仲間たちと911事件以降やってきたことを、映像を交えてシェアしました。

講演が終わると質問が相次ぎ、書籍販売コーナーでも若者達から「具体的に何をやたらいいの?」「わたし(ぼく)に何ができる?」という質問をうけました。うれしかった。

ビッグバンドの学生たちは総勢35名。彼らは若くて20代前後。彼らは音楽を楽しみ、青春まっただ中ですが、同じ年頃の米兵たちは、何のために戦っているのかよくわからないまま戦場で命令通りに人を殺したり、あるいは自分自身や仲間が怪我をしたり、殺されたりしているわけです。

生まれた国が違うだけで、あるいは金持ちに生まれたかどうかで(アメリカでは金持ちの子息はまず軍隊には行かない)人生がまったく変わってしまう。この地球のどこに生まれても、どの子も安心して育つことができ、自分の本当にやりたいことを見つけて、天寿を全うできるようになることがわたしの夢。今の日本や世界の現状とはだいぶ隔たりがありますが、まずは自分のできることを積み重ねていきます。

この日本でも、もし違う時代に生まれていたら、わたし自身も子どもを抱えて爆弾の下を逃げ回らなくてはならなかったでしょう。もしこれが1930年代だったら(今、だんだんその頃に似て来ているかも・・・)、わたしはとっくの昔に特高警察につかまり、拷問され、殺されていたかもしれません。わたしが広めているDVDや本も没収されていたことでしょう。あ、1930年代にはDVDどころか、ビデオもテレビもありませんね^^。

それが今は自由に講演ができ、本を出し、映画を翻訳し、DVDを制作して広めることができるのです。何て素敵なこと!時代は長いスパンで見れば、確実に良くなっています。

お陰様でわたしへの講演依頼は数多く、来年はもっと増えそうな感じです。幾多の講演者の中からわたしを選んでくださって、高安さん、島田さん、ありがとうございます。今度はあの会場をいっぱいにしたいですね。

確かに今は戦争のことでも環境破壊の拡大でも、危機的な時代です。でも、わたしは2003年のイラク戦争開戦前に誕生した国境を越えた地球市民の連帯を信頼しています。いたるところで、あらゆる工夫と試みが、暴力と殺戮を終わらせ、あるいは紛争が戦闘に発展するのを防ぐために行われています。平和省設立への世界的動きも、その一つです。

我が家に頻繁にやってくるボランティアの若者達は、普通に就職することを考えていません。食とエネルギーの自給ができれば、あとは好きなことをやって生きられる、ということを知っています。それを確認しに、我が家を訪ねてくれるのでしょう。

道中読んでいる本が素晴らしいので紹介します。まだ74ページしか読んでいないのに、何度も目頭が熱くなりました。オリジナルは英語で「Peace Is Possible (平和は可能)」、国際平和ビューロー(1892年設立の世界最古の国際平和団体)が2000年に平和の実現に尽力した31人の傑出した人々のそれぞれの「平和は可能」という物語を収録しています。編者は、ノルウェー平和連盟会長、国際平和ビューローおよび国際反核法律家協会副会長のフレドリック・ヘッファメール。

ダライラマ、ゴルバチョフ、ネルソン・マンデラなどの著名人だけでなく、普通の市民の想いと行動が世界を動かした例など、読んでいるだけで勇気がでてきます。

日本語版のタイトルは『あなたの手で平和を!』。訳してくれたのは、大庭里美さんと阿部純子さん。先日、愛媛でお会いした阿部さんから手渡されました。彼女とは来年、劣化ウランに被爆した兵士のデニス・カインさんの講演会で一緒に仕事をする予定です。

この作品は大庭里美さんの遺作となりました。入稿は終えていましたが、本の完成を見る前に急逝された大庭さん。最後まで素晴らしい仕事をありがとうございました。あなたの遺志を少しでも受け継ぎたいです。

「ひとりの夢は夢でしかない。けれど大勢が一緒に見る夢は、新たな現実の始まり」(フレドリック・ヘッファメール/『あなたの手で平和を!』編者)

本は平和の書店で買っていただくと、平和省プロジェクトのサポートになります。

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