2007/01/25

♪ モントレー松の森を守る人—ディヴィッド・ディルワース ♪ - 11分37秒 - 2.7 MB

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サンフランシスコに北上する途中、玄さんの古い友人のディヴィッド・ディルワースさんの住むパシフィックグローブという海岸沿いの小さい町に寄り、彼の築80年(アメリカでは古い方)の立派な家に一泊させてもらいました。

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ゾウアザラシの群れ モントレー郡にて

彼はペブルビーチゴルフから絶滅危惧種のモントレー松を守っている人です。今日はその森に連れて行ってもらいました。このゴルフ場の最大の株主は、日本でも有名な俳優で最近は『硫黄島からの手紙』などの映画監督でもあるクリント・イーストウッドさん。彼はカーメル市の市長でした。市長としての評判は、環境活動家であるディビッドさんによればあまり良くありません。日本もそうですが、ここアメリカでも名の売れたタレントや俳優が政治家になるんですね。

ディビッドさんたちはHOPE (Help Our Peninsula Environment)というNGOを作って、この地域の環境と民主主義を守ることを目標に活動しています。最初、「環境と民主主義」と聞いたときは、なぜ?と思いましたが、市の開発計画が決定する前に広く市民に知らせ、市民を参加させて、その計画を必要があれば止めたり変更したりすることが主な活動と聞くと、なるほど、と思いました。ちょうどグリーンピースなどが日本でもやっていることをローカルに、このモントレー半島に限定してやっているのです。

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森の生態系についてレクチャーする - ディビッドさん

HOPEは訴訟を起こしたり、法案などを作り、地元のメディアを巻き込んで、乱開発からこの地域最後の森を14年に渡ってゴルフ場開発から守ってきました。モントレー松は日本の松よりも背が高く、樹齢200年ぐらい(樹によっていは80−100年ぐらい)で枯れます。樹には3つの段階があり、最初の段階は生きていて立っている樹(0年から100〜200年ぐらい)、次が立ったまま枯れている樹、そして枯れて倒れている樹だそうです。それぞれの段階でそこに生息する生物が違います。

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モントレー松の中でディビッドさんの話を聞く

例えばキツツキは堅い生きて立っている樹より枯れて立っている樹を選んで巣穴を開けるそうです。枯れて倒れた樹には野ネズミやダンゴムシをはじめとした様々な虫が住んでいます。生きている樹にはまた違う野鳥たちの住処です。

森をゆっくり散策しながら、森の生態系やいろいろな共生する植物や動物や野鳥たちのことを教えてもらいました。子どもたちにとっても素晴らしい体験となりました。子どもたちが1時間以上も起伏のある森の中を全く自由に歩き回ったことにディヴィッドさんはとても感心していました。(私たちも毎日森の中で生活していますから、当然かもしれません)。

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子どもに森の生態系について教えるディビッドさん

日本人として、ここの森を守るためにできることがありますか?と聞いたら、クリント・イーストウッドの映画を観にいったら「クリント・イーストウッドさんがモントレーの森を守らないなら、もう彼の映画を観ません」と映画館や関係者に伝えてほしい、とのことでした。

偶然ですが、ここに来るちょっと前に、フランクさんと一緒に『硫黄島からの手紙』をロスで観たばかりでした。このことを知っていたら、映画館に伝えたのに!

ディビッドさん、今度は私たちの築200年の家とその周りの竹林と杉林と雑木林を観に来てくださいね。彼のインタビューは、タイトルをクリックすれば聞けます。

HOPE (日本語)

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