2009/07/06

「憲法9条を守って」という二人のアメリカ人——アレン・ネルソンとアッシュ・ウールソン

今日は伝えたいことが溢れて・・・。それぞれ違う話題なので、3本のブログを書くことになりそう。この記事を読んで、ボロボロ泣いてしまった。今日の東京新聞にもアレン・ネルソンさんの記事があるらしいけど、ネット上では見つからなかった。

Alan NelsonのJPG


アレン・ネルソンさんが血液のガン(多発性骨髄腫)で今年3月に亡くなったことはこのブログでも伝えましたが、彼の生前の希望でお骨が日本の石川県加賀市の光闡坊に納められ、その様子が6月26日の毎日新聞で記事になりました。http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20090626ddlk17040615000c.html納骨式には日本のサポーターだけでなく、アメリカからも総勢160名が駆けつけたそうです。

ネルソンさんはベトナム戦争で海兵隊員として戦い、沢山のベトナム人を殺しました。兵士だけでなく、老人や女性や子どもたちも含まれていました。その記憶に苦しみ、除隊後はホームレスになったことも。

ホームレスになった彼を立ち直らせたのは、アメリカの小学校で始めて講演したとき、彼に「あなたは人を殺しましたか」と質問した女の子でした。答えに窮した彼がやっとの思いで「殺した」と言うと、「かわいそうなネルソンさん」と涙を流して肩を抱いてくれたのです。

このときから、彼は自分の本当の体験を伝えて、アメリカでヒーロー物語に美化されている戦争の真実を伝えていこうと決意したのです。

彼は日本各地の講演で、よく「どんな兵器より強いのが憲法9条」と訴えていました。

その意味は、「この60年、世界のどこにも、日本の軍隊に身内を殺され悲しんでいる人はいない。どんな兵器より強いのが憲法9条なんだ」ということでした。

確かに日本では戦争はこの60年間ないし、自衛隊は海外で人を殺していません。今も対テロ戦争で米軍に協力してはいても、「かろうじて」戦闘には加わってはいません。「かろうじて」というのは武器弾薬や戦闘員を運んだり、燃料を補給するのも、兵站業務という戦争行為の重要任務だからです。とても胸を張って平和憲法を持っています、とは言えません。

ネルソンさんは、人を殺したことの苦しみを一生背負っていたのでした。

今、若い米兵でイラク戦争帰還兵のアッシュ・ウールソンさん(27歳)が憲法9条メッセージプロジェクトの招聘で来日していますが、彼もこの納骨式に駆けつけました。

「戦争は一部の人の欲から始まり、誰も利益を得ることはない。帰還兵の自殺も多い。だが未来はあり、希望もある。その一つが憲法9条。日本の皆さんにお願いがある。どうか9条を守ってください。それは皆さんのためだけでなく世界のためにもなる」と語ります。

戦争を体験したアメリカ人から、戦争を体験してない日本人へのこの言葉を、しっかり受け止めます。

2010年にあるかもしれない憲法改定の国民投票。あなたはその日まで、何をしますか?

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