2006/05/07

この国はどこにいくの?

小泉さんが首相になってから、日本はどんどんダメな国になっていっている気がします。

私がダメな国というのは、民主主義が後退し、政府が独裁的で悪法をしたい放題に可決し、貧富の差がどんどん広がり、人々の声を無視して戦争準備が進められ、教育や福祉予算が削られ、放射能で環境と人々のいのちが蝕まれているのに誰も止めることができず、言論や表現の自由がなくなっていき、マスコミは肝心なことは伝えず、人々は無力感と閉塞感で何もしないか無関心、子どもたちは未来に希望を持てず、自殺者が後を絶たないような国のこと。

日本では教育や福祉予算は削られ続け、ミサイル防衛や米軍再編のためには巨額な予算がつき(米軍の沖縄からグアムへの移転費用だけで8200億円だって?ざけるな!)、貧富の差は広がり、「勝ち組・負け組」という言葉も定着しました。ついに4月1日には六ヶ所村の再処理工場は核燃料棒の裁断を始め、大量の放射能(政府や原燃は安全と言い張るけど、ちっとも安全じゃないよ)が大気と海に毎日まき散らされています。

「この国を愛せ」という教育基本法改定法案が準備され、まもなく可決しそうだけれど、そういうことを言う日本のリーダーたちがこの国を本当に愛しているとは思えないです。子どもたちは日本の未来。それなら、どうしてこどもたちのいのちを蝕む大量の放射能をまき散らす原発や再処理工場を平気で動かし、小さいときから勝ち組・負け組と競争させるの?より良い教育を受けるチャンスは親の資力次第、できないやつは実直、従順な国民になって、いざというときは兵隊になってお国を守れ、とでもいうようなことをやろうとしている。

どうしてみんながこんな政府を支持しているのか、私にはよくわかりません。知らないから、知らされていないからとしか思えない。選挙のときは決まって自民党にいれる人、日本がアメリカと一緒に戦争する国になっても本当にいいのですか?一度でいいから『テロリストは誰?』www.wa3w.com を観て。今度の選挙だけは(次の地方選挙は2007年4月、国政選挙は2007年7月の参議院)少し考えて投票してね。

有事法制が可決したのは2003年6月6日。その中の一つの「国民保護法」という法律の中身は、戦前の国家総動員法と変わらない。今、国会で審議中の共謀罪の中身は、戦前の治安維持法と変わらない。治安維持法が可決して10年以上たってから威力を発揮したのを、年配の方は覚えているでしょう?言論の自由がなくなったら、戦争がいつの間にかやっていくるのは、75歳以上の人は経験しているでしょう?60歳以上の人は、戦中あるいは戦後の貧しさを少しは覚えているでしょう?

もっと発言して下さい、おじいちゃん、おばあちゃん!私たち、聞きたいです。

教育基本法はこどもたちの心に踏み込み、国を愛することを強制する。私は食べ物が美味しい、四季と温泉のある日本が大好きだけど、愛することを法律で強制されたくない。反戦ビラを配った人や、反戦の落書きをした人は逮捕されるけど、他のビラや落書きはオッケー。自由と生存を求めたフリーターのデモのサウンドカーは奪い去られ、DJたちは逮捕されたけど、右翼のもっとやかましい軍歌と怒号のようは演説は野放し。

なんかおかしくないかい??

北朝鮮がこわい、こわいって騒いでいるけど、日本が北朝鮮みたいな監視・警察国家になりつつあるのに気づいていますか?表現や言論の自由がどんどん奪われていっています。共謀罪ができたらどうなるかは、この4月30日の事件が如実に語ってくれています。
http://mayday2006.jugem.jp/?eid=4

さて、今日5月7日は東京・国立で無防備条例を実現しようとしている「国立市平和都市条例制定をめざす会」に招かれて、一橋大学でお話をしてきました。国立との御縁は、ベリーズ(中米の小国で、私が熱帯林保護活動に関わった国)で知り合った中川夫妻が国連職員を辞めて帰国し、国立に住み始めたことがきっかけです。

今日は雨で参加者も少なかったのですが(3−40人ぐらい?)、私のブログやメルマガを読んで来てくれた人にお会いできて、うれしかった。本もよく売れました。

また館野公一さんのライブはとてもよかった。インドのボパールで真夜中に起きた農薬工場の大惨事で3千人が朝までに苦しんで死んだことを描いた歌、そして、最後の曲は東海村で起きた臨海事故の恐怖がまざまざと蘇る歌。「水戸に買い物にいった妻の携帯に電話して、とにかく帰ってくるな、と叫んだ」とか「雨にぬれて帰ってきた子どもをお風呂で頭から洗い続けた」とか「昆布やノリを食べさせた」とかいうくだりに、思わず涙しました。

Tokyo Metro Extinct JPG

この日は再処理工場や原発の話はしなかったのですが、この歌のお陰で持っていた『放射能で首都圏壊滅』はあっという間に売り切れてしまいました。この本、日本に住むすべての人の必読書ですよ。

放射能で首都圏消滅—誰も知らない震災対策


再処理工場が動き出した今となっては、館野さんが歌ったことは、東日本に住む全員に起こりうること、と感じました。館野さんと最後にお会いしたのは、どこかの反原発の集会だったと思うのですが、今回の方がぐっと胸に迫ってきました。私が以前よりは問題を深く理解し、少しは成長したからでしょうか。

今読み直しているのは本山美彦著『民営化される戦争』。民営化、民営化、と日本では(アメリカでも、世界中でも)流行っているけど、民営化の行き着く先は、恐ろしい。続きは、また。

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