2007/05/31

DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展—少女の両親を殺した弾丸は私が運んだのかもしれない

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コニカミノルタ特別企画展 地球の上に生きる2007—DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展にいってきました。私はこの雑誌の発刊の経緯に賛同し、ときどき寄稿しているライターのひとりです。

私は一枚の写真の前でくぎづけになりました。泣きさけぶ幼い少女の、恐怖とショックで今にも壊れてしまいそうな顔にも、花模様のワンピースにも、手足にも、まっかな血が飛びちっている・・・。それは今、その子の目の前で殺された両親の血だ、とキャプションが教えてくれました。

この写真はアメリカ人のクリス・ホンドロスがイラクで撮影し、第3回DAYS JAPAN国際フォトジャーナリズム大賞で第1位になった作品。 
 
タイトルは「在イラク米軍夜間パトロールの悲劇」とあります。夜間パトロール中に近づいてきた車を米兵が自爆攻撃だと思って攻撃しました。しかしそれは家に帰るはずだった家族たち。運転席と助手席にいた両親は即死、6人の子どもたちは怪我をし、孤児になりました。

あの混乱のイラクで、どうやって子どもたちだけで生きていくのだろう。幼い子どもを残して殺されてしまった両親はどれほど無念だろう。そして、恐怖のあまりこの引き金を引いた若い米兵の心は、壊れていないだろうか。
 
イラクではこんなことが毎日繰り返されています。毎日100人もの市民が殺されているのです。しかし、こういう写真をみなければ、私たちはそのことを知る由もありません。TVニュースを観ても、新聞を読んでも、そんな写真や映像はどこにもありません。だから今イラクで生きて、暮らすということがどういうことなのか、そんなことはすっかり忘れて日々忙しく暮らしています。自衛隊が「人道復興支援」に行っているイラクと、この目の前の写真が、どうしても結びつかないのです。
 
どうしてイラクはこんなことになってしまったの。

そう、始まりは911。あの事件のあとに、「対テロ戦争」が始まり、日本はいち早く米国につきました。「我々につくか、テロリストにつくか」とブッシュ大統領に言われて、小泉首相は911事件のことをよく調べもせずに、「はい、あなたについていきます」と真っ先に手をあげたんだっけ。そして、戦後はじめて自衛隊が戦闘地域に出かけて行きました。

アフガニスタンの次にイラクが攻撃され、それが今も続いている。もう米兵だけで3300人以上、イラク市民は10万人以上が殺されている。確か大量破壊兵器があるとか言ってたけど、結局なかったよね。それでも、「戦争は続くよ どこまでも」。

日本の航空自衛隊は今もイラクにいます。私の払った税金で働く、私たちの選んだ政府が決めた「人道復興支援」「国際貢献」のために、自衛隊はイラクにいった、と聞かされているけれど。

本当は自衛隊は何をやっているのだろう?報道は何も伝えてくれません。

この米兵や弾丸を運んだのは、航空自衛隊ではないのだろうか?
その少女の両親を殺した弾丸は、もしかして私が運んだのかもしれません。私の払った税金で、私たちが選挙で選んだ(もちろん、私は今の政府を支持してないけれど、この間の「郵政民営化」衆議院選挙でまた自民党が勝つことを許してしまった、という意味で)政権の決定で、航空自衛隊はイラクにいるのです。

そのことを忘れてはいけない。その責任の重みを引き受けて、ちゃんとこの写真を観よう。あなたもどうか観に行ってください。(他にも小児がんの子どもを看取る母親の切ないフォとドキュメンタリーとか、胸をうつ、質の高い作品がいっぱい。入場無料!)

来る7月の参議院選挙では、自分が投票にいくだけではなく、より多くの人がより良い選択ができることを助けるような情報提供をしたいです。こちらにご注目を!


<地球の上に生きる2007—DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展>
2007年5月29(火)〜6月18日(月)
10:30〜19:00(最終日のみ15:00まで)/会期中無休
入場無料 コニカミノルタプラザ ギャラリー全館 (新宿東口/高野フルーツの4階)

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