子どもの頃は誕生会などをしてもらいましたが、自分が子どもを持ってからは、この日は母に電話して、「お母さん、私を産んでくれてありがとう」と伝える日になりました。
昨年、母が肉体を離れ、もう直接「ありがとう」と言うことができないのは、なんともさみしいです。でも、私の心の中で生きている母に伝えます。
「お母さん、私を産んでくれてありがとう」
あっ!母は今も私の体の中でも生きている、ということに改めて気づきました。私の体のDNAの半分は母からもらったのでした。
いのちって、不思議です。私は母から生まれましたが、私の母も父もその母から生まれました。また私の祖父母もまたその母から生まれました。当たり前のことですが、考えるととても不思議なんです。母から子へと延々といのちがつながれてきたことって。
父の種が母の子宮に宿り十月十日育まれて誕生する、いのちの不思議。
初めて子を宿し、産んだときのあの驚きと喜び。
この地球の始まりからずっとつながっているいのち。
私を動かしているものは、このいのちを守り、つなぎたい、という思いです。
だから私は心から、全身全霊で原子力を止めたいのです。それが商業利用(原発)であれ、軍事利用(核兵器)であれ。放射線はいのちの元であるDNAを壊してしまうから。年老いたものより、より若きもののいのちを損なってしまうから。
だから核のない未来を目指します。Nuclear Free Worldです。
処理できない放射性廃棄物をこれ以上増やしてはいけない。
もうこれ以上、この地球に人工放射能を増やしたくない。
幼いものたちのいのちを損ないたくない。
とはいえ、現実は厳しく、世界中でまだまだ原子炉は作られようとしています(現在約440基、ほとんどが北半球にある)。福島を経験してもなお、日本政府や企業は原発輸出に必死です。今年の4月末には一度全停止する日本の原発は、再稼働に向かって着実に準備を進めています。
<現在稼働中の3基原発が停止する予定日>*51基は停止中
関西電力 高浜3号 2012年2月20日
東京電力 刈羽6号 2012年3月末までに
北海道電力 泊3号 2012年4月末までに
原発再稼働の問題は、エネルギー問題(電気が足りなくなるから)ではありません。経営、経済の問題なのです。
そのことを、金子勝さんが脱原発世界会議でお話してくれました(NHKの「ラジオ深夜便」でご一緒したことがあります)。「原発の即時廃止」を主張する経済学者の存在に勇気づけられます。
以下に、金子勝さんのお話の冒頭を記します。
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脱原発世界会議 A-3:「問題だらけの原子力」
2012年1月15日 金子勝氏発言
日本の現状を説明しながら脱原発のシナリオを考えてみたい。
原発の利権構造 日本的文脈
日本は原発を民間の電力会社がやっている。10社が地域独占をし、コストアップで必ず利益が保障される総括原価方式がこれを支えている。大量に国民から電気料金で引き上げたお金が、自民党への政治献金、電力総連から民主党へと流れている。経済産業省からは天下りで事務次官が副社長になる経路が確立している。電力会社は財界の中心を占めていて、それが研究費として学会へ、広告費としてメディアに流れる。その周辺に様々な国の機関が群がり、原子力村が形成されている。
原発再稼動の問題は日本の電力供給力不足ではなく、電力会社の経営問題に深く関わっている。それゆえに激しい抵抗が発生する。
ーーーーここまで。
金子さんに同感です。このテーマを扱った彼の新著『「脱原発」成長論』(筑摩書房)はぜひ読みたい一冊です。
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