2012/02/25

アメリカのファンドレイジング:コミュニティの経済循環

先日、ある学校のファンドレイジング(資金集め)のパーティーに演奏するために呼ばれました(私はフルート、玄さんはギターと歌)。ハワイ島のコナにあるフォーシーズンズ・ホテルという高級リゾートの外の屋外シアターを借り切って行われたパーティーには学校関係者や父兄などが200人ぐらい盛装して集い、ディナーを食べながら、「サイレントオークション」というのをやりました。

こんな華やかなパーティーは私に取って初体験です。

普通のオークションでは、絵画や宝石などに購入希望者(入札者)が値段をつけて、オークショナーが声をはりあげて、入札者たちを競り合わせて、一番高額の入札をした人が落札しますよね。あれを、無言で紙の上に書いてやるのが、「サイレント・オークション」です。私たちはそのサイレント・オークションの間のBGM係。出品されている品物は父兄が寄付したものや、地元のレストランのディナー券、クジラを観るツアー、ホテル宿泊券、果物詰め合わせ、宝石や絵やクラフト、などが数百点。その学校の生徒が提供する「ベビーシッターサービス」「家庭教師」「ダンスレッスン」なんていうのもありました。

市場価格が書いてあり、最高価格もあらかじめ決めてあります(最高金額を最初に書いた人のものになります)。入札価格が最高価格に達するまでは紙の上で競り合いますが、品物に人気がなければ、最高価格や市場価格より安い金額でその品物が手に入ります。私は幸運にも、市場価格が90ドルのククイナッツのネックレスを25ドルで落札しました。ディナー券とクジラを観るツアーも入札しましたが、こちらは手が届きませんんでした。

なにより驚いたのは、学校のファンドレイジングをこれほど大々的に、派手に、楽しんでやる(準備はさぞ大変だったと思う)ことです。こんなパーティーは日本では体験したことがありません。

ディナー券は100ドルだったので、それだけで2万ドルが集められ(もちろん、ホテルにディナーと場所代を支払うので、残る金額は数十ドル)、あのオークションでは総額いくら集まったのかわかりませんが、ざっとみたところ、全ての品物が入札されていたので、相当の資金集めができたのではないでしょうか。

一方、明日、私は初めてのガレージセールをやります。3月に子どもがサッカーの試合でオアフ島に行くので、その飛行機代を工面するためのファンドレイジングです。こちらでは毎週土曜日の午前中がガレージセールの日で、不要になったものをガレージを利用して、安価(洋服などは25セント=20円ぐらいから)で販売します。

フルーツの苗木を育てたので、それが売れるといいんだけど。とはいえ私の方は、あの学校のファンドレイジングとは桁違いに小さい、ささやかなファンドレイジングです。(明日、どれぐらい売れたか報告しますね。あまりに少なかったら、恥ずかしいからしないかも!)

もう新しい「もの」はいらない、って私は思っています。今、この地球上にあるものを、そのものが不必要な人から必要な人に、たくさんもっている人から、持っていない人にわたすことができれば、足りている、と。ここコナのコミュニティでは、ガレージセールという地元の人同士の交換の仕組みが定着していて、とてもうれしいです。

未来の経済は、コミュニティの中でモノとサービスが循環するこんな形がより持続可能でいいんじゃないか、と思っています。

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