2009/01/04

ガザで傷つき殺されている一般の人たち

この青い空、青い海の向こうで地獄絵図が広がっています。声をあげませんか。

イスラエルが空爆に続き、地上軍も投入しました。メディアはイスラエルよりの情報ばかりです。が、この映像をみれば彼らが何をしているのかわかるでしょう(子どもたちが殺されていますので観たくない方は観ないでください。ごめんなさい、許して)。

私たちが決してテレビでは観ることはない映像

子どもでも容赦ありません。ガザはイスラエルの人々にとっては「テロリストの巣窟」なのですから。森沢典子さんのお話をみんなに聞いてほしい。後半に彼女のメールをアップしました。

微力の私たちにも、できることがあります。
私にできることは、あきらめないこと、かな。

まず杉原さんからのメールを転載させていただきます。
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杉原浩司です。本日4日未明から、イスラエル軍によるガザへの地上侵攻=侵略が始まりました。イスラエル軍報道官は「歩兵、工兵、海軍が関与」「作戦は長期に及ぶ」と表明しています。イスラエルの蛮行とそれを容認する米国に強い抗議の声を集中しましょう。「殺すな!」の声を自宅から、そして街頭でも。
 
 ◆イスラエル大使館 [広報室/文化部](FAX)03-3264-0792
   (駐日イスラエル特命全権大使 ニシム・ベンシトリット)

 ◆アメリカ大使館 (FAX)03-3505-1862
   (J・トーマス・シーファー駐日米国大使)

イスラエル首脳を国際刑事裁判所に訴追するよう働きかけるための要請文案を作ってみました。こなれない文章ですがご参考までに。なお、ご活用いただいて構いませんが、オリジナルな一言をなるべく添えていただく方がベターかと思います。また、新聞などへの投書も有効です。よろしくお願いします(要請先を補足しています)。

 *国際刑事裁判所については『入門 国際刑事裁判所〜紛争下の暴力をどう裁くのか』(アムネスティ・インターナショナル日本 国際人権法チーム編、現代人文社ブックレット)が参考になります。

……………………………転送・転載歓迎/重複失礼…………………………

【働きかけの文案例】

国際刑事裁判所によるイスラエル当局の訴追を実現するよう働きかけてください!

イスラエルによるガザへの封鎖と爆撃、地上侵攻は、国際人道法(ジュネーブ条約など)に対する重大かつ巨大な違反です。国連人権理事会のパレスチナ地域特別報告者であるリチャード・フォーク教授は、集団懲罰、民間人の殺害、過度の軍事的反応などを挙げて、イスラエルの行為が人道に対する罪や戦争犯罪を構成することを証言しています。病院をはじめとする民生施設さえ爆撃されています。

イスラエルを非難するだけでなく、実効性のある具体的な働きかけが緊急に必要です。国際刑事裁判所(ICC)は、そのための手段にもなり得ます。ICCは緊急にこの件を捜査し、イスラエル当局を訴追すべきです。それはイスラエルに攻撃をやめさせる圧力になるでしょう。国連安保理は、スーダンのケースと同様にイスラエルの犯罪をICCに付託すべきです。

そして、国連人権理事会の理事国であるとともに、ICCにも加入している日本政府は、そのための積極的な外交こそを今すぐ展開すべきです。常任理事国をはじめとする安保理各国に対して、ICCへの付託を実行するよう要請することが必要です。

地上侵攻が開始され、殺りくの拡大が危惧されます。事態は一刻の猶予も許されません。即時停戦の実現とICCによるイスラエル当局の訴追に向けて、ぜひ具体的な働きかけをお願いします。
………………………………………………………………………………………
 ◆要請先

麻生太郎首相[首相官邸]  (FAX)03-3581-3883(1月4日現在不通)
   [国会事務所]  (FAX)03-3501-7528
首相官邸「ご意見募集」 http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
中曽根弘文外相           (FAX)03-3592-2424
小沢一郎(民主党代表)       (FAX)03-3503-0096
鉢呂吉雄(民主党ネクスト外相)   (FAX)03-3593-7272
犬塚直史(民主党ネクスト外務副大臣)(FAX)03-5512-2318
志位和夫(共産党委員長)      (FAX)03-3508-3735
福島瑞穂(社民党党首)       (FAX)03-3500-4640
田中康夫(新党日本代表)      (FAX)03-5512-2416
太田昭宏(公明党代表)       (FAX)03-3592-1019
綿貫民輔(国民新党代表)      (FAX)03-3504-2569
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杉原さんからのメールはここまでです。

麻生さんのファックスは現在不通。新しい番号を入手したら書き換えます。他の方は通じるので、ぜひ短いかくてもいいので手書きの丁寧なファックスをどうぞ。

わたしがこういう時に一番話を聞きたいのは、森沢典子さんです。彼女の『パレスチナが見たい』をぜひ読んでみてください。彼女からのメールも転載します。

以下、森沢さんから。
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皆さま、新しい年が明けました。
今年もよろしくお願いします。

昨年祖母を亡くし喪中だったため、新年の
ご挨拶は控えるつもりでいました。

けれども年末から始まったイスラエルによるガザへの
大規模な空爆が連日激しさを増し、辛い気持ちで
年を越し、喪に服す思いは一層強くなりました。

でも私の気持ちを暗く重くしているのは、イスラエルによる
空爆の事実だけではありません。

この一連の出来事には大きなトリックがあり
一般の報道も、政府の対応も、人々の反応も
そのトリックに陥ったままであることが、状況を
一層悲惨にしていることに心が張り裂けそうになるからです。

今回のイスラエルの空爆、そしてこのほど開始された
地上での攻撃はイスラエルの言う『戦争』でもなければ
『ハマスのロケット弾阻止』の大儀のためでもないことは
イスラエルのこの60年間のパレスチナへの戦略を
ほんの少し学ぼうとすれば誰にでもすぐにわかるはずです。

小学生にだって。

これは戦争でもテロ対策でもなく、あきらかな『侵略行為』です。

60年前に始まったイスラエルのパレスチナ地方への
侵略『NAKBA』の一環です。

ガザ側からロケット弾が打ち込まれる遥か昔から
イスラエルによるこうした攻撃は姿かたちを変え
繰り返されてきています。

そして今回のガザへの大規模な攻撃は、周到に準備された
ものでした。

2003年夏ごろから突如として始まった封鎖の硬化。

(それまでもパレスチナの人々にとっては
イスラエルによる軍事封鎖のため移動も物資の輸送も著しく
制限されていましたが、私たち外国人は交渉次第で出入りできました。
それがそのころから国連職員、NGO、ジャーナリストが次々に
ガザに入れなくなり完全に封鎖されてしまったのです。)

そして極めつけ、シャロン首相によるガザからの入植者撤退、世間に対しては
平和的な行動のようにアピールされていましたが、入植地がなくなり
いよいよ大規模な空爆を可能にし、準備を進めている気配が、
イスラエルによるガザへの激しい攻撃、侵略を予測させ、私の中に
不気味な不安を掻き立てました。

この時7000人のガザの入植者を撤退するシャロン首相に
ブッシュ大統領は次のことを了解していたのです。

一、ほとんどすべてに近い西岸地区入植者の永久保存(約16万人)
二、イスラエル建国にともなうパレスチナ難民の帰還権の放棄
三、西岸に建てている隔離壁の建設
四、暗殺攻撃を含めた、パレスチナ抵抗勢力への攻撃

(このことはエリック・アザン『占領ノート』現代企画室の解説にも
詳しく触れています。上記の訳はこの著書から引用しました。)

これまでのどの米国大統領も、イスラエルを擁護していても
パレスチナ難民の帰還権に触れることはありませんでした。

それがブッシュ大統領は安々とその放棄を一方的に
認めてしまったのです。
さらに入植地を初めて認めた大統領に対し呆れ果てました。

その浅い判断による重い罪と、このため今後のしかかるパレスチナの
人々の恐ろしい運命に、当時私たちは本当に落胆し、恐怖を感じ
たことを覚えています。

またこの4つ目の暗殺攻撃を含めた攻撃の許可は今回の大規模な
空爆の格好のステップとなりました。

それでもアフガン攻撃、イラク攻撃と次々に失敗し、米国民からも
すっかり支持を失ったブッシュ大統領と、その大統領を支えてきた
マスコミ、国際社会は、大きな反省と成長の元、イスラエルの暴挙は
抑えられるだろうとどこかで楽観的な期待もしていました。

今回のような大規模な空爆を許さない、国際社会の監視という
抑止力が働くことを信じていました。

でもそんな期待はあっという間に吹き飛ばされました。

長期間封鎖され、食事も水も電気も仕事も失われつつある
ガザの人々に対し、戦闘機、無人戦闘機(卑劣です)、戦車、
軍艦を総配備してイスラエルは容赦なく攻撃をし、それを国際社会は
止められずにいます。

そしてパレスチナ側からの抵抗は一切認めようとしません。

イスラエルはロケット弾の発射区は攻撃せずに残しています。

イスラエルの情報量、最新技術では、ピンポイントで
人一人に絞って爆殺出来ますし、これまで何度も
それを行ってきています。

でも、2006年のレバノンの時と同じ、核心は残し、
ガザの歴史的建造物であるモスクや大学、マンションなど
多くのものを攻撃し破壊し人々を犠牲にし続け、
『パレスチナは人道危機にはない』と言い続けています。

いったいガザをどうするつもりなのでしょう。

先日知人が苛立ちながら私に質問してきました。

『どうしてハマスはロケット弾を撃ち込めば攻撃されることをわかっていて
撃ち続けるんだ。』

その方は、イスラエルの攻撃は許されない、だけどハマスが
攻撃を止めれば納まるのに・・・と心配していたようです。

でもその言葉は私を深く傷つけました。

困ったことに、こうした質問に答える的確な答えを
探しても見つけることが出来ない自分がいました。

パレスチナの状況は勘のいい人ならすぐに理解できるかもしれませんが
ほとんどの人は中に行って、パレスチナ側から世界を見てみないと
理解するのは難しい。想像を絶する状況があります。

そして理解されない・・・ということが、本当に辛く孤立感や絶望感を
生んでいます。

私も以前は抵抗するパレスチナ側を批判していました。

何故?と詰め寄ったこともありました。

でも闘わなくてどう生きたらいいのでしょう。
私たちが食べないと生きていけないと同じくらいに、
生きるために闘うしかなかったら。

そんな状況をどうやって私たちは想像できるのでしょうか。


パレスチナで聴いた言葉が今でも心に焼き付いています。

『信じてください。世界というものは、弱い人々の言葉を聞かないものです。』

食糧支援、教育支援、医療支援、金銭的支援
それらを命がけでやってもやっても人々が殺され続け、政治部門
軍事部門と立ち上げ、それでも結局何をしても変わることの無かった
パレスチナの状況を憂いながら、ハマスの幹部イスマイル・アブ・シャナブさんが
涙をためて私に言った言葉です。

シャナブさんは2003年当時、イスラエルと闘っても軍事的にはかなわないことを
私にはっきり言いました。

『共存しか道は無いのです。そのためにもまずはパレスチナ自治区内の
イスラエルの軍事的政治的占領をやめてもらうことです。そして共存のための
話し合いのテーブルにつくつもりです。』

シャナブさんは政治部門のトップで、インタビューをお願いするたびに
繰り返し共存について発言しました。

ラジオでも、日本のテレビ局向けにも発言していました。

でもそれは大々的には報道されず、シャナブさんは2003年夏、
乗っていた車に対する戦闘機からのピンポイント空爆で
爆殺されてしまいました。

ハマスはイスラエルとの停戦に合意し、攻撃を
止めている真っ最中でした。

その時私はイスラエル政府が望んでいることは、共存でも
占領の終結でもないことを知りました。
停戦も和平なども望んでいないことを。

それまでも、もしかしてそううかな?と思う節があっても、
いや、まさか・・・と信じたい気持ちでいました。

でもこの時知ったのです。

そしてシャナブさんの死を受けて、ハマスの残された人々は
怒りに震え、停戦破棄を宣言しました。

『ハマス停戦破棄』は各紙大々的に報道され、ハマス側から停戦が
破られた印象が世間を走りました。

その後私もガザに入れることは無く、今のハマスの状況も、パレスチナの状況も
本当には把握し切れていません。

でもなぜ、新聞も報道のたびに「ガザを支配するハマス」と
枕詞のようにつけるのか疑問は消えません。

ハマスは、パレスチナの人々の選挙で勝ったアラファトを認めようとしない
イスラエル、米国、国際社会の圧力により、国際監視団のもと
正当な選挙で選ばれたパレスチナの第一党です。

そうなったとたん、それを認めず、秩序を著しく乱しているのは
イスラエル、アメリカ、そして私たちです。

マスコミに勤めている方たちにお願いがあります。

私たちの平和を望み、今の状況をペンの力で打開したいと
思って記者になったのでしたら、マスコミにはその力があります。

でも記者のかたたちがいくらエルサレムに駐在したって
占領地のことはわかりません。

西岸やガザにもっと入ろうとして、ご自身の目で確かめてから
記事にしてください。

こんな時はガザに近寄り、どうしても中に入れない状況くらい
自分でリポートしてみて欲しいと思います。

それからブッシュ大統領に声を届けることの出来る方に
お願いがあります。

英雄になりたくてイラクもアフガンも経済もことごとく失敗してしまった
ブッシュ大統領に、あと一つだけ英雄になる方法が残されていることを誰か
伝えてください。

残すところ後僅かな任期中に、今すぐに、イスラエルの攻撃を
ストップさせることです。
米国大統領の力において。

ブッシュ大統領にはそれが出来ます。

数々の失敗の後でも
世界から尊敬され後世名を残す立派な大統領として
幕を閉じることが出来るでしょう。

皆さんにお願いがあります。

私たちが今回の攻撃について正しく理解するためには
少しでもいいので、イスラエルの建国から今に至る全体の
流れを知ってください。

1月8日の試写会、ぜひいらしてください。

また1月10日には子どもキャンペーンやアムネスティ、JVCなど
日本を代表するNGOとともに、今回のガザへの攻撃に対して
出来ることを模索し、イベントを企画中です。

何か良い案がありましたらお知らせください。
パレスチナのことに関心が無かったり、あまり良く知らない方たちも
巻き込んで出来る何かいい方法を探しています。

詳細が決まりましたらまたお伝えします。

乱文、お許しください。

                      森沢典子

******************************

「広河隆一アーカイブス・パレスチナ1948NAKBA」
完成報告と試写会

長らくお待たせしました。

DVD・BOX「広河隆一アーカイブス・パレスチナ1948NAKBA」は
10月22日に日本語版全30巻(約45時間)の編集が終わり12月26日
無事完成いたしました。(英語版30巻は来年2月ごろ完成予定)。

NAKBA(大惨事=パレスチナ難民の発生)から60周年の今年に
ようやく間に合って、ほっとしています。
そこでアーカイブス版完成報告と試写の会を以下の通り行いたいと
思います。

お誘いあわせの上お申込ください。

日時:1月8日(木)18時40分開場 19時開演
場所:文京シビックホール・小ホール
(丸の内線・南北線・後楽園駅3分、三田線・大江戸線・春日駅3分、JR水道橋駅8分)
http://www.b-civichall.com/access/main.html
プログラム:アーカイブス版・序章(1時間17分)試写

「完成に寄せて」   板垣雄三氏(東京大学名誉教授・中東学会元会長)
「ここまでの道のり」 広河隆一(DAYS JAPAN編集長)

▲参加費▲ 

●一般 =1000円(参加費は当日会場で申し受けます)
●アーカイブス版製作募金寄付者・予約申込者 =無料
●『1コマ』サポーターズ会員(受付で申告してください)
  DAYS定期購読者(バッジ持参)   =500円

共催:   DAYS JAPAN・広河隆一事務所

参加予約申込先:《FAX》03−3322−0353 
        《メール》hiropress@daysjapan.net
(ご予約の際、無料・割引対象者は「先行予約者」などの項目をお書きください)

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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ゆみさん
貴重なブログありがとうございます。
イスラエルに関してのこのようなサイトを見つけました。よかったらご覧下さい。http://www.aish.com/jewishissues/middleeast/What_Really_Happened_in_the_Middle_East.asp
イスラエル側の被害が見えてきませんが、一体何が本当に根本として起きているのでしょうか。この問題の根本はどこからなのでしょうか。
今おきていること、ごめんなさいの気持ちでいっぱいです。

匿名 さんのコメント...

この映像は、ハマスのパレード中に起きたホームメイド爆弾の事故による爆発ではないですか?誘導型ミサイルによる爆撃では、被害はこんなものではないと考えられます。確かに戦争の悲惨さや犠牲になるのはいつも弱い立場のニンゲンだということを訴えるショッキングな映像ですが、安易な思いこみによる掲載は誤解を招きかねないので注意なさった方がいいと思います。ご一考ください。

Yumi Kikuchi さんのコメント...

匿名さん、どうもありがとうございます。これがハマスの爆弾事故だとわかる情報がありましたら教えてくださいますか。もちろん私はわざと間違えた情報を流しているわけではないので、わかればすぐに訂正いたします。お待ちしています。

Yumi Kikuchi さんのコメント...

匿名さん、映像の間違いを訂正しました。ごめんなさい&ありがとうございました。