NVCは2つの部分、4つの部品(コンポーネント)からなっています。
2つの部分とは共感(Empathy)と表現、聞くことと話すこと、と置き換えてもいいかもしれません。
4つの部品とはOFNR(オフナー、と発音)、つまり、Observation(観察), Feeling(気持ち/感情), Needs(ニーズ/欲求), Request(リクエスト/お願い)のことです。
共感は Feeling(気持ち/感情)とNeeds(ニーズ/欲求)から成っていて、表現はOFNRから成っています。
ここまでがNVCの基本中の基本です。
それから「共感でないもの」をカードを使って練習します。このセッションは毎度のことですが、面白くて笑いが溢れます。とはいえ、私たちが日常やっている会話は、ほとんどすべて「共感でないもの」ばかりです。
たとえば以下の例が「共感でないもの」として挙げられます。
情報を集める:相手にあれこれ聞いて情報を集める。「前にも同じことがあった?」「いつから続いているの?」
一枚上手になる:問題が取るに足らないと思わせる話をする。「そんなのたいしたことないよ。私なんて・・・」
油を注ぐ:相手に同意し、問題に関して相手を焚き付ける。「そうだよね、あいつはまったく」「そう、それは絶対・・・」
感じさせない:相手が感じていることを否定する。「そんな風に感じないで・・」「状況はそんな悪くないって」
物語を語る:「そう言えば昔、自分が・・・」
アドバイスを与える:相手の問題を解決する自分のアイデアを伝える。「そういう場合はこうした方がいいと思うんだ」
評価・批判する:「あなたはとても・・・だ」「いったい、いつになったら学ぶの」
分析する:「私が君の問題をどう考えているか知っているかい?そもそもの問題は君が・・・」
同情する:「ああ、かわいそうに・・」「その気持ちはよくわかるよ」
命令(指図)する:相手にどうすべきか言う。「文句を言ってないで何か・・・」
教育する:理論で説得する、講義する。「そういう風に考えるのは本当に健康に良くないよ」
注意をそらす、避ける:相手が言ったことを冗談にしたり、相手の感情を避ける方法を見つける:「人生ってそんなもんだよ。さて、お昼ご飯は何だろう?」
そこで一人の参加者にボランティア(話し手)になってもらい、最近起きた誰かとのちょっとした問題、いざこざを話してもらいます。その話に対して、残りの参加者は自分が受け取ったカードの例にあてはまるような言葉をかけます。
話し手に、「共感ではない」反応を受け取ってどう感じたか、を話してもらいます。
一通り「共感ではない」返事を受け取った後は、「グロックカード」の出番です。グロックカードとはNVC独特のもので2セットあり、1セットが「気持ち」のカード、もう1セットが「ニーズ(欲求)」のカードです。これを使って、NVCが勧める「共感」的反応を練習します。
半分の参加者に「気持ち」カードを数枚ずつ、もう半分の参加者に「ニーズ」カードを数枚ずつ配ります。そしてもう一度、同じ話をしてもらい、その話から想像しうる気持ちのカードを持っている人は、そのカードを話し手の前に起きます。その気持ちにあてはまる(奥にある)ニーズのカードを持っている人は、その気持ちのカードの横にニーズのカードを置いていきます。
そのときにかける言葉は次のようになります。「(あなたは)悲しいですか」「それは尊重してほしいからですか?」
こうして、複数の気持ちとニーズのカードを置いてもらった後、話し手に「共感を寄せてもらうと(つまり、気持ちとニーズを想像してもらうと)どう感じましたか」と聞きます。
たいていの場合、共感ではない反応より、共感的な反応のほうが、「理解された」「よく聞いてもらえた」と感じるようです。
この後、ペアになって一人ずつ、最近起きた小さな問題を分かち合い、それに対して相手が「気持ち」と「ニーズ」を想像して、共感を与え合う練習します。だいたいこの辺まででイントロは終わります。
午後は参加者がリーダーになって、イントロを練習し、その後、フィードバックをする(具体的な観察をし、それについてどんな気持ちがして、それはどんなニーズが満足したか、を含める)ことを練習して、一日が終わりました。
これを書いている今は、もう午後10時です。朝から晩までびっしりNVCの学びと練習が続き、私の人生がより豊かになっています。日本に戻ったら、この体験を必要としている人たちに分かち合いたいです。
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