311前、確かに私は日本で大きな事故があったら、すぐに原発は止まるだろう、と思っていました。
甘かった!
311があっても、原発推進・利権勢力はやる気満々。放射線管理区域についての法律(0.6μSv/h以上は放射線管理区域として一般人は立ち入り禁止)があっても、どんどん基準値を上げて対処。日本はチェルノブイリ原発事故で大きな被害を受けたベラルーシより何十倍も高い基準の食品が出回っている。
これじゃ日本の子どもたちのいのちは守れません。
ウラジミール・バベンコ著『自分と子どもを放射能から守るには』(日本語版)を読んで下さい。日本との差に愕然とします。映画『チェルノブイリ・ハート』が描いたように、今も子どもたちへの深刻な健康被害が続くベラルーシより、日本の基準は何倍も甘いのです。日本の子どもたちはどうなってしまうのでしょう。日本の未来はどうなってしまうのでしょう。
例えば、ベラルーシでは子どもの摂取食品は37ベクレル(Bq)/Kgなのに、日本では乳製品を除く食品のそれは500ベクレル(Bq)/Kg、ヨウ素で2000ベクレル(Bq)/Kgと、桁違いに高いのです。しかも、子どもに対する特別措置も全く無いのです。お粗末すぎます。
東京の高級住宅街の世田谷区で3マイクロシーベルトを超えても、横浜でストロンチウムが検出されても、まだまだ原発推進だもんね、東電も政府も。
まったく!!
その背景には、沖縄タイムズがこの記事に書いてくれているように、官と産の癒着があることは明白です。経産省の中に原子力保安院があるのも、泥棒が泥棒を取り締まるようなもので、絶対無理無理。まさに「ずぶずぶの利益共同体を解体し、癒着を断ち切ることが重要だ」と私も思うのです。
原発は日本に54基、世界に441基、内アメリカ104基。日本は今44基が停止中で、残る10基が稼働中。これらも順次定期点検に入るので、もしこのまま再稼働を許さなければ来年5月には全ての原発が止まります。
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/genpatsu_jyoukyou_20111004.pdf
原発利権共同体はこれ(全ての原発が止まること)を絶対に阻止しようとするだろうな。だって、全部原発が止まったら、原発なくても電気が足りていることがばれちゃうもんね!
長年、「原発がないと停電する」「原発に反対するなら原始時代に戻ってもいいのか」と脅してきた彼らには、何の根拠もなかったのです。これがはっきりばれるようなことは、彼らはなんとしても阻止しようとするでしょうが、私たちは、再稼働を許していはいけません。
彼らがなんと言おうと、事実は「電気は足りている」、です。原発止めても電気は余ります。嘘だと思うなら、政府や電力会社の資料を使って計算してみてください。各電力会社別にそれをやってくれたのが広瀬隆さんの『原発破局を阻止せよ』(P。106〜122)です。
例えば自家発電分だけでも、原発と同じ設備容量があるので、これを融通させるだけでも原発はいらなくなる。誰かが被曝しなくちゃ動かせない命がけの原発の電気より、自家発電を融通してもらう方がよっぽどまし。
それに、日本の半分以上の火力、ほとんどの水力は稼働していません。どうしても夏場のピークが心配、というのなら、今から天然ガス火力を作ればいい。原発より全然安く工期も短く、放射能も出ず、コンバインドサイクルなら効率も他の火力(石油、石炭)より断然良い。
この辺りのことは、広瀬隆著『原発破局を阻止せよ!』(朝日新聞出版/1200円)に詳しいので、ぜひ読んで下さいね。ちなみにこの本の編集者の週刊朝日の堀井正明さんは、911事件も追っていて、リチャード・ゲイジ(911の真実を求める建築家とエンジニアたち)を我が家でインタビューしました。私はそのとき通訳をさせていただきました。彼の活躍をとてもうれしく思います。
さて、表題の「どうすれば原発が止まるのか」の回答を。
名案も妙案もありません。
でも次の選挙では全国民で協力して、必ず原発推進議員は落としましょう。
原発を止めるのは、あなたと私です。
私たち一人一人が意思表示をし、自分の選挙区の議員、地元のメディア、友人知人に働きかけ続けて、止めていくしかないでしょう。地震が頻発する日本で原発を動かし続けるのは、日本が滅びるのを座して待つようなものです。
原発を止めることができる可能性が、今よりあったことはかつてありません。私たちが日本の、アジアの、そして世界の原発を止めるのです。アジア諸国への原発輸出をやめさせなければいけません。これにも私たちの税金や郵貯が投入されています。
原発は長期的にみたら、エネルギー的に貢献すらしていないので、私は原子力発電所を「発電所」とすら呼んでほしくありません。だって、100万年も放射性廃棄物の管理をしなくてはならないことを考えたら、エネルギー的にマイナスでしょう?本当の仕事は、その発熱量の2/3で海を暖めているので「原子力海暖め装置」もしくは日々死の灰を広島原爆3〜4発分作っているので「死の灰製造装置」のほうが正しいネーミングだと思うのです。
きっこのブログのきっこが「原発なんて所詮は「問題の先送り」でしかないわけだし、自分が後始末をする気がない人たちだけが推進してるんだから。」と書いていましたが、そのとおり。
原発は止めてもすぐ止まらない。冷やし続けないと暴走することは、311でみなさんわかったでしょう。冷やすには石油(電気)が必要です。だから原発は無用の長物で、「必要悪」ですらありません。必要でないならただの「悪」です。動かせば、放射性物質を生み続け、低レベル放射能汚染で「子どもと赤ちゃんゆっくり病気にしたり殺すこともあるマシン」でもあるのが原発の正体です。
こんなものときっぱり決別しないと、日本に未来はないでしょう。
人間はいまだに殺し合いをやめられません。金儲けのためには戦争すら画策して起こし、金儲けのために原発を許してしまうのが人間です。原発を推進する人たちは、被曝しながら働く人たちのことや周辺住民、子どもや赤ちゃんの健康は二の次です。放射能がこれだけ漏れて、未来の世代に暗い影を落としても、「ただちに健康には影響がありません」と言い続ける人間に、原子力を利用する能力も資格もありません。
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1 件のコメント:
ほんとに原発を止めないとですね。
少しずつ皆の意識を変えていかないと。
こんな事故があってもなんとなくゆり戻しのような、福島再びのようなムードがありますね。ブログ頑張って!!
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